防音高圧洗浄機

防音高圧洗浄機とは

防音高圧洗浄機(英語:Soundproof high pressure washer)とは高圧で水を噴射し、水の勢いだけで汚れを取れるようにした洗浄機で、周辺環境を考慮して防音対策が施されたものです。

防音高圧洗浄機の良く知られた例としては、自動車整備工場や自動車のセルフ洗車場に設置されているものがあります。

その他の良く使われる用途としては、家庭用途、清掃業者の業務用などがあります。

また、家庭用に家の外壁や窓を洗浄するための、小型の防音高圧洗浄機もあります。

防音高圧洗浄機の使用用途

防音高圧洗浄機は自動車の販売店や整備工場、工事現場やビルの清掃、家の外壁や窓の清掃などで広く使用されています。

防音高圧洗浄機の最も知られた使用用途は自動車の洗浄です。自動車販売店や自動車整備工場では、移動式のゲートの内側に回転ブラシがついた洗車機と併用する形で、防音高圧洗浄機が設置されています。

このような場所では、ゲート式の洗車機を使って自動車のボディ全体を洗車し、必要に応じて防音高圧洗浄機で自動車の下まわりや、タイヤハウスの内側などの汚れを落とします。

また、自動車のセルフ洗車場でも防音高圧洗浄機が設置されています。しかし、こちらではブラシを使った洗車機の自動車のボディへのダメージを嫌う利用者が、自動車のボディ全体の洗車に利用する例が多くあります。

その他には、工事現場付近の道路やビルの玄関などで、地面の汚れを効率的に洗い流すためにトラックの荷台に積まれた、移動式の防音高圧洗浄機が使用されます。

防音高圧洗浄機の原理

防音高圧洗浄機は「パスカルの原理」を応用して高圧の水をノズルから射出します。

これは、密閉容器の一部に加わった圧力が、容器内の液体全体に均等に伝わるというものです。具体的には、水の入った容器に対して一部に力を加えると、その力が容器の中の水すべてに加わるという原理です。

容器の中で高い圧力をかけられた水は、耐圧ホースの中を通って、トリガーガンや噴射ノズルから射出されます。

水に圧力を加えるのには、ポンプが使われます。ポンプの駆動は電動モーターやガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが使われています。

防音高圧洗浄機の防音対策では、装置全体を遮音材でできたカバーで覆う、ポンプやモーターなどの騒音減となる部分をカバーで覆う、装置の取り付け部にゴムパッドや振動吸収材を使うなどを行っています。

防音高圧洗浄機の選び方

防音高圧洗浄機を選択する際には、騒音レベル、吐出圧力と吐出水量、給水方法、持ち運びのしやすさ、取り扱いのしやすさなどを考慮して選択すると良いでしょう。

1.騒音レベル

使用環境に応じた騒音レベルのものを選択します。掃除機の騒音レベルが約80dBと言われているので、住宅地域などで使用するのであれば、騒音が80dB以下のものがお薦めです。

2. 吐出圧力と吐出水量

使用用途に応じた吐出圧力と吐出水量のものを選択します。吐出圧力は、洗浄対象が軽い汚れであれば5~9MPa、頑固な汚れの場合には10~14MPa、コンクリートや金属の洗浄の場合には15MPa以上が適しています。

吐出水量は1分間に噴射する水の量のことです。洗浄する対象の範囲が大きいのであれば、吐出水量が多い方が良いでしょう。

3.給水方法

給水方法には、水道直結方式とタンク式があります。安定した水量を得るためには、水道の蛇口を確保できるのであれば、水道直結方式がお薦めです。

4.持ち運びのしやすさ

自動車の洗車場など固定式の防音高圧洗浄機の場合は設置スペースや固定方法を検討します。

ポータブル式の防音高圧洗浄機では、装置の重量の他、キャスター付きや手押しバー付きのものを選ぶことをお薦めします。

5.トリガーガンやスプレーノズルの形状や取り扱いのしやすさ
高圧水を洗浄対象物に向けて射出する際には、ある程度の反動があります。実際の使用用途や吐出圧力を考えて、適切な大きさと形状のトリガーガンやスプレーノズルを選択しましよう。

参考文献
https://d-engineer.com/fluid/pascal.html
https://www.kaercher.com/jp/

インサートナット熱圧入機

監修:プロステック株式会社

インサートナット熱圧入機とは

インサートナット熱圧入機とは、熱をかけながらプラスチック素材にインサートナットを挿入する装置です。

インサートナットとは、プラスチック素材に埋め込んで、素材同士のジョイントを強化するための締結ねじです。プラスチックは金属素材よりも機械強度が低く、樹脂同士をつなぎ合わせただけでは容易にジョイント部分が外れます。インサートナットは金属製であり、樹脂素材のジョイント部を強化して外れないようにするため埋め込まれます。

熱圧入機は、インサートナットに熱を加えるため、埋め込まれる側のプラスチック素材にも熱が伝わって柔らかくなります。圧入が容易になるだけではなく、埋め込み完了後にはプラスチック素材が固まって強度が高まることが特徴です。

インサートナット熱圧入機の使用用途

インサートナット熱圧入機は、プラスチック成型品へ締結用のねじ (インサートナット) を挿入するために使用されます。主な用途には下記のような分野での製品の製造や組み立てがあります。

  • 自動車 (車載機器、バッテリー部品、吸気系部品、センサー部品、ラジエター周り部品、エンジン部品、ドアパネル、フレームの固定)
  • パソコン、タブレット、スマートフォン
  • 電子機器 (基板上の部品固定や端子、コネクタの取り付け) 
  • バーコードリーダー
  • 住宅用設備
  • ガスメーター、電力量計
  • 端子台、各種コネクタ
  • 各種産業用機器

インサートナット熱圧入機の原理

1. 概要

圧入機は、強固なフレームと専用の圧入ツールで構成されており、空気圧、電動、または手動の力で動作します。自動で動作する圧入機は、モーターや制御装置を備えており、圧力、速度、深さを調整して正確な圧入作業を行います。

熱圧入機の場合、素材の下穴にインサートナットをセットして、熱源からインサートナットへ熱を加えます。インサートナットからプラスチック素材に熱が伝わり、プラスチックを部分的に溶融しながら挿入する仕組みです。対応しているプラスチックはPOM・ABS・PPなどがあります。挿入後はプラスチックが冷えて固化するため強度も良好です。

インサートナットの挿入方法には、成形後インサートと、成形時インサートとがありますが、インサートナット熱圧入機は成形後インサートに使用される方法です。

2. 工程

工程・手順は各メーカーにより違いますが、下記はインサートナット熱圧入機の手順の一例です。

  1. 成形品製品にインサートナットをセットする
  2. 熱圧入機のステージ (台) に成形品製品をセットする
  3. 加熱体を下げる
  4. 熱がインサートナットから成形品に伝わり、樹脂を溶融しながら自然にインサートナットが挿入される
  5. 加熱体を上げる
  6. ステージから成形品製品を取り外す

インサートナット熱圧入機の選び方

インサートナット熱圧入機は、ワークスペースの大きさや、
メンテナンス要件などの点以外の他には、下記にも考慮すると良いでしょう。

1. サポート

インサートナットの熱圧入は、プラスチック製品 (ワーク) に金属製のめねじを固定する高度な技術です。この技術は特に、インサートナットの圧入を専門とする企業が非常に少ないため、経験豊富で技術的な知識を持った業者の選定が重要です。

ワーク材質や形状、インサートナットの種類により精密な調整を施し、最適な圧入条件を見極めることで、部品の品質を高めます。

2. 操作性

機械が操作しやすいかどうかは、生産性と安全性に影響します。操作が簡単な機械は、トレーニングに時間がかからず、オペレーターエラーのリスクも少なくなります。

3. コストパフォーマンス

単純で安価なものから細かい設定ができる高価なものまであります。専用機・汎用機、1台〜複数台を導入することを踏まえて検討することが大切です。

4. 実績

単純に機械を販売しているだけでなく、圧入実績があるかも重要ポイントです。製品開発段階や量産段階で圧入経験があるかも含めて検討すると良いでしょう。

インサートナット熱圧入機の種類

1. インサートナット熱圧入機には様々な種類の製品があります。装置によって、動力の種類、必要な動作圧力、および加圧対象物の特性などが異なるため、用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。

温度調節機、タイマー、バッチカウンターなどを備えた装置もあります。

1. 動力の種類

圧入動力には、手動で動作するハンドプレス方式のほか、スイッチ操作で自動で挿入が行われる電動式の装置もあります。

手動式の製品は、手動で手軽に操作・位置決めを行うことができることが特徴で、特に使用数の少ない製品や試作品に便利です。

自動式の製品では、水平・垂直の位置をプログラムで管理し、ハンドレバーがついていて、自動式/手動式を切り替えることができる製品もあります。

2. 単軸/多軸

インサートナット熱圧入機のうち、多軸の製品では一度に複数箇所のインサートナット挿入が可能です。複数の挿入箇所がある場合、多軸製品を用いることで、作業工数を大幅に削減することができます。

本記事はインサートナット熱圧入機を製造・販売するプロステック株式会社様に監修を頂きました。

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COM-HPCモジュール

監修:コンガテックジャパン株式会社

COM-HPCモジュールとは

COM-HPCモジュールとは、次世代の高性能コンピューターやエッジコンピューター向けのコンピューター・オン・モジュール (システム・オン・モジュール) です。

COMはComputer-on-Moduleの略であり、組込みコンピューターのことを指しています。HPCはHigh Performance Computingの略であり、高度な計算タスクを実行するためのコンピューターを指します。COM-HPCモジュールはこれらを組み合わせた言葉であり、組込みコンピューティングの規格開発団体であるPICMGにより策定されたCOM-HPC規格に準拠したモジュールで、計算能力の高い次世代機向けのコンピューターモジュール規格です。

COM-HPC規格は、ハイパフォーマンスのエッジ、および組込みコンピューター向けに PICMG により策定された規格で、ヘッドレスで高性能の Server タイプと、グラフィックスを搭載した Client タイプがあります。 モジュールのサイズとしては、Client 用が Size A (95 x 120 mm)、Size B (120 x 120 mm)、Size C (160 x 120 mm) の3種類、Server用は Size D (160 x 160 mm)、Size E (200 x 160 mm) の2種類が定義されています。 さらにクレジットカード サイズの COM-HPC Mini (95 x 70 mm) 規格が加わり、より幅広いアプリケーションに対応できるようになりました。

COM-HPCモジュールは、高密度なインターフェースと高速なデータ転送機能を備えている点が特徴で、従来のCOM Expressで対応できなかったハイパフォーマンスのアプリケーションにも使えるように開発されました。これにより、様々な用途に適したコンピューティング機器を構築することができます。

コンピューター・オン・モジュールの利点は、設計や動作検証に時間がかかるプロセッサー周辺を、モジュールの形で動作検証された状態で利用できる点で、システムの設計者は比較的設計の容易なモジュールを搭載するキャリアボードを設計することでシステムを構築できるため、開発コストや時間を節約できる点です。

COM-HPCモジュールの使用用途

COM-HPCモジュールは様々な用途での活用が期待されています。クラウド経由での処理で問題となっていた、レイテンシーの低減や、エネルギーを大量に消費する長距離データ トラフィックを削減することの必要性が高まっていることによって、エッジでのサーバーテクノロジーの導入が急速に進んでいます。以下はその一例です。

1. エッジサーバー

工場における生産ライン監視、異常検知、品質管理などに最適です。リアルタイム処理能力と高精度なAI処理により、製造工程の効率化と品質向上に貢献します。

2. 自動車

自動運転システムにおける環境認識、物体検知、経路計画などに最適です。リアルタイム処理能力と堅牢性により、安全で信頼性の高い自動運転を実現します。

3. ロボット

ロボットの自律制御、物体認識、作業支援などに最適です。リアルタイム処理能力と高精度なAI処理により、より高度で柔軟なロボットシステムを実現します。

4. 医療機器

医療画像解析、診断支援、治療計画などに最適です。高精度なAI処理能力により、より正確な診断と効果的な治療を提供します。

5. スマートシティ

交通渋滞緩和、犯罪防止、公共サービスの効率化などに最適です。リアルタイム処理能力と高精度なAI処理により、より安全で快適な都市環境を実現します。

COM-HPCモジュールの原理

COM-HPCモジュールは高性能な演算処理部品を小さな基板に集積することによって、高性能な計算リソースを提供する機器です。これらのモジュールをベースボードやキャリアボードに取り付けることで、様々なシステムを構築することが可能です。他のコンピューターモジュールと同様に、プロセッサーやメモリ及び入出力インターフェースなどで構成されます。

プロセッサーは演算処理を実行するパーツです。COM-HPCモジュールは高性能なマルチコアプロセッサーを搭載している点が特徴です。x86アーキテクチャーや、ARMアーキテクチャーのプロセッサーが使用されます。

メモリは処理データの一次保存に使用されるパーツです。RAMなどの高速なメモリが搭載されています。これにより、大規模なデータセットや複雑な計算を効率的に処理することができます。

COM-HPCモジュールには高速なデータ転送を可能にする様々な入出力インターフェースが搭載されています。PCI ExpressやEthernetなどがその一例です。

COM-HPCモジュールの選び方

COM-HPCモジュールを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. CPU処理能力

性能要件に基づいて適切なCPU処理能力を選択する必要があります。コア数やクロック速度、キャッシュ容量などを参考に選定します。用途によっては複数のCPUを搭載したモジュールが必要な場合もあります。

2. I/O (入出力) 

使用する用途や接続する周辺機器によって、必要な入出力ポートの数や種類が異なります。適切なI/O機能を備えたCOM-HPCモジュールを選択し、必要な機能に対応することが重要です。EthernetやUSB、PCI Expressなどのインターフェースが一例です。

3. メモリ

メモリ容量とメモリバスの帯域幅は、システムの性能に直接影響します。大規模なデータセットを処理する場合や、メモリ集約型のアプリケーションを実行する場合には、適切なメモリ容量を選択する必要があります。また、アプリケーションやデータの保存方法に応じて、適切なストレージの選定も重要です。

4. 電源

使用する環境に応じて、適切な電力要件を満たすCOM-HPCモジュールを選択する必要があります。電力効率の高いモジュールは省エネルギーにも寄与します。

5. 動作環境

モジュールが使用される環境の温度範囲に応じて、動作温度範囲などが適切であることを確認します。厳しい環境下での使用が予想される場合は、広い動作温度範囲を有するモジュールを選択します。

6. サイズ

COM-HPCモジュールには下記の種類があり、アプリケーションにより適切なサイズを選択できます。

  • Size A (95 x 120 mm)
  • Size B (120 x 120 mm)
  • Size C (160 x 120 mm)
  •  Size D (160 x 160 mm)
  • Size E (200 x 160 mm)
  • COM-HPC Mini (95 x 70 mm)

本記事はCOM-HPCモジュールを製造・販売するコンガテックジャパン株式会社様に監修を頂きました。

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フラッシュプログラマ

監修:株式会社コンピューテックス

フラッシュプログラマとは

フラッシュプログラマとは、フラッシュメモリへの書き込みを行う装置です。

これは、デバイスプログラマ (ROM ライタ) の一種で、特にフラッシュメモリに特化したものを指します。フラッシュROM ライタと呼ばれる場合もあります。フラッシュプログラマには、パソコンに接続してフラッシュメモリに書き込むタイプや、パソコンで作成した書き込みファイルをフラッシュプログラマに保存し、スタンドアロンで書き込むタイプのものがあります。また、書き込み方式によってオンボードや、オフボードをサポートする機種など様々なタイプがあります。フラッシュプログラマは、主に生産現場で使用されますが、ソフトウェア開発時や、最終製品のフィールドメンテナンスにも使用されます。

フラッシュプログラマの使用用途

フラッシュメモリは、工業的および産業的に様々な機器に組み込まれ、制御プログラムやデータを記憶するためのデバイスです。フラッシュメモリにはNOR型とNAND型があり、主な使用例は以下のようになります。

NOR型:産業機器、家電、プリンタ、携帯情報端末、車載機器

NAND型:パソコン、スマートフォン、デジタルカメラ、車載機器 (ナビの地図データ、ドライブレコーダーなど)

フラッシュプログラマは、これらのフラッシュメモリにプログラムを書き込むために使用されます。主な使用用途としては以下の通りです。

  • 組込み機器の生産ラインでの書き込み
  • 車載機器(ドアセンサやミラー制御など)のMCUへの書き込み
  • 各種製品の現場でのファームウェア更新
  • 検査工程の一部としてプログラムの書き込み

オンボード・プログラミングに対応している製品では、基板実装後や最終工程において基板実装済みのフラッシュメモリを書き換えることが可能です。生産・検査システムに組込んで使用したり、LIN接続などを利用して複数の車載機器などに書き込みを行える機種も存在します。外部信号を接続してフラッシュメモリへの書き込みや、書き込み状態の取得が可能な機種では、生産システムの自動化が実現できます。

フラッシュプログラマの原理

1. 概要

フラッシュプログラマは、フラッシュメモリへ電気的にデータの書き込み、消去などを⾏う装置です。CPU内蔵フラッシュメモリでは、JTAGまたはSWDなどの接続方法で書き込みが行われます。UART接続やLIN接続に対応しているものもあります。また、シリアルフラッシュメモリの場合は、SPI信号をハードウェアで直接制御して書き込む、専用のフラッシュプログラマもあります。

2. 主な機能

  • フラッシュメモリの全領域の一括書き換え及び、部分書き換え

  • 書き込み内容の読み出しと照合 (ベリファイ)

  • 書き込みデータファイルの読み込み (ヘキサファイル、ELF ファイルなど)

  • フラッシュメモリの全消去

  • フラッシュメモリのプロテクト設定・解除

フラッシュメモリの種類によっては、セキュリティやプロテクトの機能を搭載したものがあります。こういったデバイスは初期状態で書き込みが禁止されていることがあり、フラッシュプログラマにはプロテクト解除、書き込み、再プロテクトを行う機能が必要とされます。

フラッシュプログラマの種類

1. オンボード/オフボード

フラッシュプログラマには、オンボードとオフボードの書き込み方法があります。オンボードとは、ボードに実装されたフラッシュメモリへの書き込みで、オフボードとは未実装のフラッシュメモリへの書き込みです。

フラッシュプログラマには、それぞれオンボードとオフボード専用の機種があり、本体にアダプタを接続して、両方に対応できる機種もあります。オブボード用のフラッシュプログラマは、1個単位で書き込むタイプや、一度で複数個に書き込める、ギャングライタと呼ばれるタイプがあります。

2. NOR型/NAND型

フラッシュメモリにはNOR型、NAND型があります。NOR 型フラッシュメモリは、ランダムアクセスの読み取りが高速で小容量に適しており、主に機器に組み込んで制御プログラムの記憶装置として使用されます。NAND型フラッシュメモリは、大容量のデータストレージに適しており、USBメモリ、SDカード、SSDなどのストレージに使用されています。

フラッシュプログラマにも、NOR型、NAND型それぞれに対応した機種があります。両方に対応している製品もありますが、対応機能はNOR型とNAND型によって異なる場合があります。

3. その他

その他、フラッシュプログラマには、下記のような機能を搭載している機種もあります。

  • SPI フラッシュメモリ書き込み専用の機種
  • 複数個の書き込みデータ保存可能
  • モバイルバッテリーで動作可能
  • フラッシュプログラマからボードへの電源供給が可能
  • 検査システム等に組込んで外部から制御可能

本記事はフラッシュプログラマを製造・販売する株式会社コンピューテックス様に監修を頂きました。

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SMARCモジュール

監修:コンガテックジャパン株式会社

SMARCモジュールとは

SMARCモジュールとは、モバイルデバイスなどに使用されるコンパクトなコンピューター・オン・モジュール (システム・オン・モジュール) です。

SMARCはSmart Mobility ARChitectureの略であり、デバイスの設計と開発を容易にすることを目的とした規格です。

SMARCモジュールは、組込み技術のための標準化グループであるSGeTにより策定されたSMARC規格に準拠したモジュールで、CPUやメモリ、ストレージ、グラフィックスおよびその他の周辺機能を含む完全なシステムを1枚の小さなボードに集積しています。

また、コンピューター・オン・モジュールの利点は、設計や動作検証に時間がかかるプロセッサー周辺を、モジュールの形で動作検証された状態で利用できる点で、システムの設計者は比較的設計の容易なモジュールを搭載するキャリアボードを設計することでシステムを構築できるため、開発コストや時間を節約できる点です。

これにより、開発者は独自のアプリケーションに焦点を当てることができ、ハードウェアの設計や組み立てに時間を費やす必要がありません。

SMARC規格はハードウェアベンダー間での互換性を確保するために標準化されています。これにより、異なる製品間でモジュールを交換することが可能です。したがって、システムの拡張やアップグレードを容易に行うことができます。

SMARCモジュールの使用用途

SMARCは様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 産業システム

SMARCモジュールは工場内の様々なプロセスを監視および制御するために使用されます。例えば、ロボットアームの制御やコンベアベルトの速度調整などがその一例です。これにより、工場の省人化に寄与しつつ、製品の品質管理を強化することができます。

また、高度な産業用ロボットにもSMARCモジュールは組み込まれています。産業用ロボットでは高度なセンサーおよび画像処理機能が必要です。これらの用途において高性能な処理を実行するためにも本製品が使用されます。

2. 医療機器

MRIやX線などの医療画像処理装置には、高度な画像処理能力が必要です。SMARCモジュールはこれらの装置で処理能力を向上させるために使用されます。患者の生体情報をリアルタイムでモニタリングするためのモバイルデバイスなどに、SMARCモジュールが多く使われています。

3. 自動車

先進運転支援システムや自動運転システムには、高度なセンサーとリアルタイムの処理が必要です。SMARCモジュールはこれらのシステムで車両の状態を監視し、適切な制御を行うために組み込まれます。ナビゲーションや通信などにおいても活用されることがあります。

4. その他

SMARCモジュールはポータブルデバイスやモバイルロボットなどでも数多く使用されています。自律型移動ロボットやドローンがその一例であり、環境を認識しつつタスクを実行するための高度な計算を行うことが可能です。これにより、高性能な処理を実行しつつ自律運転が期待されます。

SMARCモジュールの原理

SMARCモジュールは小型のため、組み込みシステムやモバイルデバイスの設計においてスペースを節約できる点が特徴です。コンピューティングコアやメモリ・ストレージ、インターフェースなどで構成されます。

コンピューティングコアは処理能力と動作を制御するための中心的な部分です。一般的にプロセッサーやSoC (System on Chip) が搭載されています。プロセッサーの種類や性能は、モジュールの目的や使用環境に応じて異なります。

メモリ・ストレージはデータを格納するための領域です。メモリはプロセッサーが実行するプログラムやデータを一時的に格納することができます。ストレージはアプリケーションなどのデータを永続的に格納するために使用されます。

インターフェースは外部のデバイスやネットワークと接続するための部位です。USBやイーサネットまたはHDMIを代表としたディスプレイインターフェースなどがあります。用途などに応じて、様々なインターフェースを選択することが可能です。

SMARCモジュールの選び方

SMARCモジュールを選ぶ際は、以下のような要素を考慮することが重要です。

1. メモリ

用途に応じて適切なRAM容量を選択します。大規模なデータ処理や複雑なアプリケーションを実行する場合は、大容量のRAMが必要です。また、使用するソフトウェアやデータのサイズに応じて、適切なストレージ容量を選ぶ必要もあります。

2. インターフェース (I/F)

USBやイーサネットなど、用途において必要な入出力ポートが揃っていることを確認します。また、表示インターフェースとしてHDMIなどのディスプレイインターフェースが必要な場合は、それに対応したモジュールを選択します。拡張性が重要な場合は、拡張性のあるモジュールを選ぶことも重要です。

3. 電源

モジュールの消費電力が使用可能な電力範囲内に収まることを確認します。一般的に消費電力が大きい製品が高速で複雑な処理を実行可能です。また、電圧についても電源環境に適したモジュールを選択します。

4. 動作環境

モジュールが使用される環境の温度範囲に応じて、動作温度範囲が適切であることを確認します。厳しい環境下での使用が予想される場合は、広い動作温度範囲を有するモジュールを選択します。

5. プロセッサ

SMARCモジュールには、ARM、x86などのプロセッサが搭載されています。用途に応じて処理速度、コア数、スレッド数、キャッシュサイズなど適切なプロセッサを選択することが重要です。

本記事はSMARCモジュールを製造・販売するコンガテックジャパン株式会社様に監修を頂きました。

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検針機

検針機とは

検針機はアパレル製品において、製造過程で混入した針、折れた針の破片、ホッチキス針などを検出する機械です。

アパレル業界では、一般的に生地に対して針と糸を使って縫い合わせて製品を作ります。縫い合わせの工程で、針が折れて、その破片が製品に混入すると重大なクレームになります。

そこで、アパレル製品を製造する会社では、製品を出荷する前に、製品の中に針や針の破片が紛れ込んでいないことを、検針機を使って検査しています。

検針機は、医療現場では、患者の頭部に針やヘアピンがないことを確認するためにも使用されています。

検針機の使用用途

検針機は主にアパレル業界を始め、医療現場や食品業界など幅広い業界で、針や金属片の混入を防ぐ目的で使用されています。

検針機が使用される業種は縫製、リサイクル、医薬、医療、物流、ベビー用品、スポーツ用品、化学、警備、防犯など広い範囲におよびます。

検針機の具体的な使用例は以下の通りです。

・縫製品に混入した針、折れ針、鉄片の部分探知
・婦人服・子供服・紳士服などアパレル製品の忘れ針などの検針
・ネクタイ、ストッキングなど小物の製品の検針
・テキスタイル、カーペット、フェルト、不織布など繊維製品に混入した針の鉄片を探知
・医薬品に混入した針、釘等の鉄片探知
・ヘアピン除去などの医療用探知
・凶器、警備、保安用探知
・ゴム、プラスチック原料、シート、ボード、段ボールなど工業原料に混入した鉄製の検針
・バッグなどの手荷物、小包の検査
・製品に混入したボルト、ナット、鋲、針など小鉄片の探知

検針機の原理

検針機が被検査物の中から針や金属を見つける方式には、磁場を利用する磁気誘導方式と電磁場を利用する電磁誘導方式があります。

1.磁気誘導方式

磁気誘導方式の検針機は、永久磁石のN極とS極の間に作られた磁界の中を鉄片が移動する際に生じる磁界の歪みを検出する方式です。

磁気誘導方式の検針機は鉄片探知機の一種で、鉄製の針、釘、ナットやその破片の検出に使用されています。

2.電磁誘導方式

電磁場を利用した検針機では、相対するコイルの間に生じる電磁場を利用します。片方のコイルに電圧をかけると、他方のコイルには誘導起電力が生じます。この電磁場内を金属片が通過するとコイル内に電圧変動が発生します。この電圧の変化を検知することで金属片の存在を検知します。

電磁場を利用した検針機は、金属探知機の一種で、金・銀・銅・アルミ・ステンレスなどの磁石に吸い寄せられない金属も検知可能です。しかし、鉄類に比較して検出感度は低くなります。

検針機の種類

アパレル製品に混入した針の破片などを検出する検針機には、ハンディタイプ、卓上タイプ、コンベアタイプなどの種類があります。

1.ハンディタイプ

ハンディタイプは、台の上に広げたアパレル製品にハンディタイプのセンサーを近づけて針な残存物の存在を検知します。小型で軽く扱いやすいのが特徴です。但し、センサーと被検査物との距離によって感度が変化します。

2.卓上タイプ

卓上タイプの検針機は、センサーが仕込まれたフラットな台の上に、アパレル製品をおいて針などの残存物を検出します。比較的小型で場所を取りませんが、被検査物が台の面から離れるに従って感度が低下します。

3.コンベアタイプ

コンベアタイプの検針機は、トンネル状のセンサーの中をベルトコンベアに乗せたアパレル製品を通過させる構造になっています。アパレル製品を大量生産する工場のラインに組み込まれて使用するのに向いています。

4.その他の方式

アパレル製品以外にも使用される検針機には、超音波を利用した方式、X線を利用した方式、赤外線を利用した方式などもあります。

超音波を利用した検針機はアパレル製品の他に食品、医療機器などで使用されます。X線を利用した検針機は医療分野などで使用されています。赤外線を利用した検針機は食品分野などで使用されています。

参考文献
http://www.hashima.co.jp/j/products/category1010.html
https://jmdm-atter.co.jp/product/index.html
https://shop.webshiro.com/item_list/01155/
http://www.sanko-denshi.co.jp/teppen/index.html

ハイパーバイザー

監修:コンガテックジャパン株式会社

ハイパーバイザーとは

ハイパーバイザー (VMM: Virtual Machine Monitor) とは、仮想化技術によって仮想マシン (VM: Virtual Machine) を動作させるソフトウェアまたはファームウェアです。

物理的なコンピューターハードウェア上で仮想マシンを作成し、それぞれ独立して動作できるようにします。これにより、複数のオペレーティングシステムが同じハードウェア上で同時に実行されることを可能にします。CPUやストレージなどの物理的なサーバーリソースを効率的に活用できる点が特徴です。

ハイパーバイザーを使用して仮想化することにより、サーバーの物理的な台数を減らすことが可能です。これにより、データセンターのスペースや電力消費または冷却コストなどが削減され、コスト効率が向上します。また、新しい仮想マシンを作成したり、既存の仮想マシンのリソースを変更したりすることが容易なため、柔軟性も高いです。

産業用システムに適用されているリアルタイムOSが遅延無く動作するリアルタイム ハイパーバイザーも提供されており、ハードリアルタイムが必要な制御機器においても仮想化が進展しています。

ハイパーバイザーの使用用途

ハイパーバイザーは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 情報通信産業

情報通信企業はクラウドサービスを提供するためにハイパーバイザーを使用します。ハイパーバイザーを利用することで物理的なサーバーリソースを最適化し、複数のテナントや顧客にサービスを提供することが可能です。また、、ネットワーク機能を仮想化するためにも使用されます。

2. 自動車産業

自動車メーカーは車載システムや組み込みソフトウェアの開発にハイパーバイザーを使用します。これにより、複数のシステムを単一のハードウェア上で実行し、車載システムの統合や効率化が可能になります。これにより、製造する自動車の市場競争力を向上させることが可能です。

3. 小売業

小売業界ではPOSシステムを仮想化してセキュリティを強化したり、複数の店舗で一貫したシステムを提供したりするためにハイパーバイザーを使用します。これにより、リソースの共有やセキュリティの強化が可能です。また、オンラインストアやバックオフィスのシステムを効率的に運用するためにも使用されることが多いです。

4. 産業用システム (リアルタイム制御)

産業用システムでは、モーション制御などにリアルタイムOSが用いられておりますが、一般的なハイパーバイザーは、リアルタイムOSの動作に必要な確定的な動作が保証されないため、リアルタイム ハイパーバイザーが使用されます。これにより、操作パネルなどの (HMI) 用OSと制御用のリアルタイムOSが単一のハードウェア上に統合され、設置スペース、保守管理などのコストが削減できます。

ハイパーバイザーの原理

ハイパーバイザーは物理的なハードウェアを仮想マシンに提供するために、ハードウェアの抽象化を行います。これにより、各仮想マシンは自分が物理的なハードウェアを占有しているかのように振る舞うことが可能です。

CPU処理能力やメモリ、ストレージなどのリソースを抽象化・仮想化する仕組みです。各仮想マシンは、割り当てられたリソースの範囲内で動作し、他の仮想マシンから隔離された環境であるかのように振舞います。

最近のCPUでは、ハードウェアにより仮想環境を支援する機能を備えたプロセッサが主流となり、仮想マシン情報の管理がソフトウェアから解放され、リアルマシンと同等の遅延が無い動作が可能となっています。

また、ハイパーバイザーは仮想マシンの作成や起動・停止などの管理機能を提供します。リソースの割り当てやバックアップなどの操作も行うことが可能です。

各仮想マシン上ではゲストOSが実行されます。このための仮想環境をハイパーバイザーが提供します。ゲストOSはハイパーバイザーと通信してハードウェアリソースを要求し、仮想化されたハードウェア上で動作する仕組みです。

ハイパーバイザーの種類

ハイパーバイザーにはType1とType2が存在します。それぞれ異なる使用シナリオやニーズに対応しています。ハイパーバイザーを選択する際には、その要件や目的に応じて適切なタイプを選択することが重要です。

1. Type 1 (ベアメタルハイパーバイザー) 

Type 1 ハイパーバイザーは物理的なハードウェアの上で直接動作します。ハイパーバイザー自体が最初にロードされ、その上で仮想マシンが実行されます。ホストOSの必要がないため、リソースの使用効率が高い点が特徴です。

通常、データセンターでの仮想化環境やクラウドプラットフォームで使用されます。Microsoft Hyper-VやXen Hypervisorなどがその一例です。

2. Type 2 (ホスト型ハイパーバイザー) 

Type 2 ハイパーバイザーは既存のオペレーティングシステムの上で動作します。ホストOSが最初に起動し、その上でハイパーバイザーが実行される仕組みです。デスクトップ環境や開発環境など、小規模な仮想化環境で使用されることが一般的です。

導入が容易であり、複数のオペレーティングシステムを同時に実行できる点が特徴です。ただし、パフォーマンスが Type 1 ハイパーバイザーよりも低い場合があります。

3. リアルタイム ハイパーバイザー

モーション制御などに適用されているリアルタイムOSを一般的なハイパーバイザー上で動作させた場合、ハイパーバイザーによるデバイスへのアクセス、仮想マシンのスケジューリングなどにより動作に遅延が生じるためリアルタイムOSへの適用は困難です。特にハードリアルタイムが要求される環境においては、確定的な遅延時間の下で動作する必要があります。リアルタイム ハイパーバイザーは、リアルタイムOSが遅延無くリアル環境と同様に動作可能です。

本記事はハイパーバイザーを製造・販売するコンガテックジャパン株式会社様に監修を頂きました。

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ワイヤーハーネス加工

監修:有限会社トウセーエレクトロン

ワイヤーハーネス加工とは

ワイヤーハーネス加工とは、電線を加工して機械や電源と効率的に接続するための技術です。

ワイヤーハーネスは複数の電線やケーブルを束ねて整理した組み立て品です。ワイヤーハーネス加工はこれらの電線やケーブルを所定の長さに切断し、適切な配線パターンに配置し、端子やコネクターなどの部品と結合して機能的かつ耐久性のある電気配線系統を構築する工程を指します。高度な精度と専門知識を必要とし、製品の品質や性能に大きな影響を与えます。

複数の電線やケーブルを一つのハーネスにまとめることで、配線が乱雑になることを防ぎます。これにより、設備や機器の配線が簡素化され、保守やトラブルシューティングが容易です。また、ワイヤーハーネスは設計要件や製品仕様に合わせてカスタマイズされることが多いです。

ワイヤーハーネスの使用用途

ワイヤーハーネス加工は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 自動車産業

自動車のエンジンでは、燃料供給や点火、排気制御などの機能を管理するために多くの電気配線が必要です。ワイヤーハーネスによってこれらの電気部品を効率的に接続します。ナビゲーションシステムやオーディオなどの電子機器への給電にもワイヤーハーネスが使用されることが多いです。

また、自動車には衝突回避システムや運転支援システムまたは駐車支援システムなどのセンサーと安全機能が組み込まれています。これらのシステムはワイヤーハーネスを介して車両の他の部分と通信している仕組みです。

2. 航空産業

航空機では航法装置や飛行制御システムなど、航空機の運用に不可欠な制御系統が内蔵されています。また、乗客のためのエンターテイメントシステムなども内蔵されていることが多いです。これらのシステムは高品質で信頼性の高いワイヤーハーネスによって接続する必要があります。

3. 機械産業

工業用ロボットや自動製造装置では、多くの場合は複雑な電気配線が必要です。ワイヤーハーネスはこれらのシステムを機能させるために、信頼性高く各部位を接続しています。特に産業用ロボットには多数のセンサーが内蔵されているため、ワイヤーハーネスの加工が必要不可欠です。

4. 電子機器産業

デスクトップコンピューターやサーバーなどのコンピューターには、電源ケーブルやデータケーブルなどのワイヤーハーネスが必要です。信頼性の高いデータ転送や電力供給を確保するためにワイヤーハーネスが使用されます。また、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器も複雑な内部構造を有するため、ワイヤーハーネスを介して相互に接続されています。

ワイヤーハーネス加工の原理

ワイヤーハーネス加工の原理は、電気配線を効率的かつ整理された状態で提供することにあります。まず、製品の要件や仕様に基づいてワイヤーハーネスの設計が行われます。必要な電線やケーブルの種類または長さなどを検討し、接続方法を決定するプロセスです。

次に、ワイヤーハーネス作製のために必要な電線やコネクターなどの材料を準備します。準備した電線は所定の長さにカットされ、必要に応じて端子が取り付けられます。これにより、ワイヤーハーネスの構造が形成される仕組みです。

最後に、製作したワイヤーハーネスを機器に接続します。製品内の適切な位置に取り付けられ、他の電子部品と接続されます。これにより、電気信号や電力が効率的に伝送することが可能です。

ワイヤーハーネス加工の選び方

ワイヤーハーネスの加工サービスを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 信頼性

長年の経験と専門知識を有するサービス企業を選定します。信頼性の高い企業は、技術的な問題に対処する能力や適切な品質管理手法を備えていることが多いです。過去の顧客のフィードバックや業界での評判も参考にします。

2. 品質保証

ワイヤーハーネスは製品の信頼性に重要な役割を果たすため、品質保証が欠かせません。ISO認証などの規格を遵守し、品質管理プロセスが優れた企業を選ぶことが重要です。

3. カスタマイズ能力・生産能力

製品の仕様が変更される可能性がある場合、柔軟性のある業者を選ぶことが重要です。仕様のカスタマイズに柔軟に対応可能な企業を選びます。また、最新の機器と技術を備え、大量生産に対応できることなども確認します。

4. 納期・価格

納期の遵守と迅速なカスタマーサポートは重要です。納期に関する明確な合意と、問題解決のための迅速な対応を提供できる企業を選定します。また、製品の市場競争能力を高めるために、価格と品質のバランスを考慮し、コスト効率の良い業者を選ぶことも重要です。

本記事はワイヤーハーネス加工を行う有限会社トウセーエレクトロン様に監修を頂きました。

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微小電流計

微小電流計とは

微小電流計はナノアンペア、ピコアンペアなどの微小な電流を測定する装置です。マルチメーター、ピコアンメーターとも呼ばれます。電子機器の技術の進歩に伴って回路の小型化、省エネ化が進み、回路を流れる電流もマイクロアンペア未満と非常に小さくなりました。一般的な電流計では測定時に生じるノイズなどの影響があるため、非常に小さな電流を検出するのは困難です。しかし、微小電流計はこのようなノイズの影響が極力小さくなるように設計されており、小さな電流の測定が可能になっています。

微小電流計の使用用途

微小電流計は電気回路を流れる電流の評価や半導体デバイスのリーク電流の評価を始め、材料の特性評価、バイオテクノロジーなど、様々な分野で使用されています。

微小電流計は電気、電子回路の電流値測定に用いられており、例えば増幅回路や通信回路など、高集積化、小型化した回路で使用されています。装置によってはフェムトアンペアまで測定可能な装置もあります。

また、トランジスタやダイオードのような回路素子単体の漏れ電流の検出にも微小電流計が用いられます。

材料の性能評価の方法に、材料の電気的特性を用いることがあります。これには、評価対象となる材料に電圧をかけて、材料に流れる微小電流を測定する手法があります。

バイオテクノロジーの分野では、細胞の電気的活動や生体分子の相互作用を調査する際に微小電流計が利用されます。

その他、微小電流計は、物理学、化学、材料科学、生物学などの研究分野で、実験や測定に広く活用されています。

微小電流計の原理

微小電流計は、電流が装置内を通過するときに、その周囲に磁場が生成されることを利用して電流を測定します。この電流によって生成された磁場は、電流計内の永久磁石またはコイルと相互作用し、指針がスケール上で偏向する機械的な力を引き起こします。

この方式は電流計の一般的なものです。微小電流を正確に測定するためには、ノイズと過剰電流に注意が必要です。

1.微小電流計使用時はノイズに注意が必要

微小電流計はナノアンペア、ピコアンペアの微小な電流から1A程度の電流が測定可能な装置です。微小電流を測定する際はノイズの原因となるものを極力排除する必要があります。微小電流計自体はノイズの影響を受けないように対策されていますが、サンプルの抵抗や電源、設置している環境の温度などもノイズの要因となるため測定対象に由来するノイズの影響にも注意が必要です。

2.微小電流計は過剰電流が流れないように注意する

微小電流計には超高抵抗計が組み合わせられた装置もあります。このような装置ではエレクトロメーターとしても用いることができます。またサンプリングスピードを優先する形式とノイズ削減を優先する形式を選択できる微小電流計も販売されています。なお測定値の誤差は測定値に対する相対値であるため、常にナノアンペア程度の精度で測定できるわけではなく、測定値によって誤差の絶対値も変化する点に注意が必要です。また、装置の上限値以上の電流を流すと装置を破損させる恐れがあるため、測定時に過剰な電流が流れないように注意が必要です。

微小電流計の選び方

微小電流計を選択する際には、流れる電流の大きさの範囲と感度、校正と保守、サンプルとの接続方法などを考慮する必要があります。

1.流れる電流の大きさの範囲と感度

測定したい電流値に合った感度と測定範囲を持つ微小電流計を選びます。感度が高いほど小さな電流を正確に測定できますが、測定範囲が広すぎると精度が低下します。

2.校正と保守

正確な測定を行うためには定期的な校正や保守が必要になります。メーカーが提示する校正手順、保守手順に従って、校正や保守が行えるか確認します。

3.サンプルとの接続方法

測定対象(例:回路、素子、バイオセンサーなど)に電流プローブ等を適切に接続することで、正確な測定が可能になります。測定対象にあった接続方法が用意されているか確認しましょう。

参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/products/detail/?product_key=1633
https://www.keysight.com/jp/ja/assets/7018-03320/technical-overviews/5990-9804.pdf
https://www.adcmt.com/products/dc/5450

高圧ガス設備

監修:株式会社東洋高圧

高圧ガス設備とは

高圧ガス設備とは、液化ガスや圧縮ガスなどの高圧ガスを取り扱うための施設及び装置です。

非常に高い圧力でガスが取り扱う設備群であり、同じ体積でもより多くのガスを貯蔵・輸送できます。エネルギー密度が高く、効率的な点が特徴です。これにより、設備のサイズを小さくすることが可能になり、スペースを節約することが可能です。

ただし、高圧ガスは危険を伴うため、安全について十分に考慮する必要があります。予想される圧力や流量および温度の変化に対する耐性を十分検討して設計する必要があり、施工に高品質な材料と適切な工法を採用することが重要です。各国において法規制が定められているため、適切な許認可を取得し、関連する規制に順守して適切に使用する必要があります。

高圧ガス保安法では1MPa以上(液化ガスは0.2MPa以上)のガスは高圧ガスと定められ、法規制に応じた設計・製造が必要です。高圧ガス設備は圧力条件や容量により特定設備に分類され、より安全性の高い設計や製造プロセスがの認定が必要になることがあります。また、高圧ガスは毒性・可燃性・それ以外のガス、特殊高圧ガスなどに分類され、それぞれ適切な設計を必要とします。

高圧ガス設備の使用用途

高圧ガス設備は様々な用途で使用されています。以下はその一例です。

1. プロセスの基本要求

高圧ガスを必要とするプロセスの運転条件(圧力、温度、流量)やプロセスフローなど利用方法、利用目的を明確にしておくことが重要です。

過去の消費量データや将来の需要予測を考慮して、適切な容量を選択します。容量が不足していると供給が不安定になりますが、過剰な容量では設備コストが膨大となるため注意が必要です。

2. 使用ガスの種類と特性

毒性、可燃性、それ以外のガスに属するのか、腐食性はあるか、その他の危険な特性があるか等の確認、使用する圧力や温度により流体の状態が変化したり、物性が変わることもあります。

例えば、液化石油ガス (LPG) や液化天然ガス (LNG) または酸素など、ガスの種類に合わせた設備が必要です。また、ガスの特性に合わせた安全対策なども考慮して設備を設計します。

3. 法規制や安全基準

高圧ガス設備を導入、利用するうえで届け出や手続きなどが必要になります。

設置する県からの安全に対する要求事項や高圧ガス保安法への対応状況、使用するうえでの安全体制の構築、防爆対応の必要性など、条件や用途に応じて適切な設計と管理が必要になります。

4. 化学産業

高圧ガス設備はその特性上、完全に密閉された系になりますので、プロセスの制御に適しています。また、高温・高圧の環境下では反応が促進されるという特徴もあり、各種のガスや流体を特定の組成で、特定の条件によって化学的な処理が可能となるため、多種多様な化学プロセスで活用されています。

高圧ガス設備の原理

高圧ガス設備の基本的な原理は、耐圧容器にガスを貯蔵して必要な時に供給することです。堅牢な容器に高圧でガスを収容し、密度を高めている点が特徴です。主にタンクや圧縮機、配管などで構成されます。

タンクは高圧ガスを貯蔵するための容器です。貯蔵されるガスの種類や量に応じて材質や構造が異なっており、用途に応じて個別に設計されることが多いです。一般的には耐圧容器として設計され、鋼鉄やステンレス鋼などの堅牢な材料を適切な厚み加工して製造されます。

ガスを圧縮するための圧縮機は高圧ガス設備の重要な構成要素です。これにより、ガスを必要な圧力まで圧縮して貯蔵し、供給することができます。ガス圧縮機は大流量の気体を高圧で取り扱うため、消費エネルギーが高いことが多いです。

高圧ガスを供給するための配管系統は、タンクから需要場所までガスを送り出すために使用されます。耐圧性の高い材料で作られ、適切な直径と厚みで設計されます。圧力に異常上昇した場合に安全に大気へ放出するために、適宜安全弁を設置することが必要不可欠です。

高圧ガス設備の選び方

高圧ガス設備を選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. ガスの種類

使用するガスの種類によって、適切な高圧ガス設備を選択する必要があります。例えば、液化石油ガス (LPG) や液化天然ガス (LNG) または酸素など、ガスの種類に合わせた設備が必要です。また、ガスの特性に合わせた安全対策なども考慮して設備を設計します。

2. 容量

必要なガスの容量は、使用する目的や需要に応じて選定します。過去の消費量データや将来の需要予測を考慮して、適切な容量を選択します。容量が不足していると供給が不安定になりますが、過剰な容量では設備コストが膨大となるため注意が必要です。

3. 圧力

適切な圧力範囲内で運用することは、安全性を確保するために極めて重要です。設備の圧力レベルに応じて、耐圧容器や配管などの材料を選定します。適切な材料およびサイズで設計することで、設備の安全性と耐久性を確保することが可能です。

本記事は高圧ガス設備を製造・販売する株式会社東洋高圧様に監修を頂きました。

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