防音高圧洗浄機とは
防音高圧洗浄機(英語:Soundproof high pressure washer)とは高圧で水を噴射し、水の勢いだけで汚れを取れるようにした洗浄機で、周辺環境を考慮して防音対策が施されたものです。
防音高圧洗浄機の良く知られた例としては、自動車整備工場や自動車のセルフ洗車場に設置されているものがあります。
その他の良く使われる用途としては、家庭用途、清掃業者の業務用などがあります。
また、家庭用に家の外壁や窓を洗浄するための、小型の防音高圧洗浄機もあります。
防音高圧洗浄機の使用用途
防音高圧洗浄機は自動車の販売店や整備工場、工事現場やビルの清掃、家の外壁や窓の清掃などで広く使用されています。
防音高圧洗浄機の最も知られた使用用途は自動車の洗浄です。自動車販売店や自動車整備工場では、移動式のゲートの内側に回転ブラシがついた洗車機と併用する形で、防音高圧洗浄機が設置されています。
このような場所では、ゲート式の洗車機を使って自動車のボディ全体を洗車し、必要に応じて防音高圧洗浄機で自動車の下まわりや、タイヤハウスの内側などの汚れを落とします。
また、自動車のセルフ洗車場でも防音高圧洗浄機が設置されています。しかし、こちらではブラシを使った洗車機の自動車のボディへのダメージを嫌う利用者が、自動車のボディ全体の洗車に利用する例が多くあります。
その他には、工事現場付近の道路やビルの玄関などで、地面の汚れを効率的に洗い流すためにトラックの荷台に積まれた、移動式の防音高圧洗浄機が使用されます。
防音高圧洗浄機の原理
防音高圧洗浄機は「パスカルの原理」を応用して高圧の水をノズルから射出します。
これは、密閉容器の一部に加わった圧力が、容器内の液体全体に均等に伝わるというものです。具体的には、水の入った容器に対して一部に力を加えると、その力が容器の中の水すべてに加わるという原理です。
容器の中で高い圧力をかけられた水は、耐圧ホースの中を通って、トリガーガンや噴射ノズルから射出されます。
水に圧力を加えるのには、ポンプが使われます。ポンプの駆動は電動モーターやガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが使われています。
防音高圧洗浄機の防音対策では、装置全体を遮音材でできたカバーで覆う、ポンプやモーターなどの騒音減となる部分をカバーで覆う、装置の取り付け部にゴムパッドや振動吸収材を使うなどを行っています。
防音高圧洗浄機の選び方
防音高圧洗浄機を選択する際には、騒音レベル、吐出圧力と吐出水量、給水方法、持ち運びのしやすさ、取り扱いのしやすさなどを考慮して選択すると良いでしょう。
1.騒音レベル
使用環境に応じた騒音レベルのものを選択します。掃除機の騒音レベルが約80dBと言われているので、住宅地域などで使用するのであれば、騒音が80dB以下のものがお薦めです。
2. 吐出圧力と吐出水量
使用用途に応じた吐出圧力と吐出水量のものを選択します。吐出圧力は、洗浄対象が軽い汚れであれば5~9MPa、頑固な汚れの場合には10~14MPa、コンクリートや金属の洗浄の場合には15MPa以上が適しています。
吐出水量は1分間に噴射する水の量のことです。洗浄する対象の範囲が大きいのであれば、吐出水量が多い方が良いでしょう。
3.給水方法
給水方法には、水道直結方式とタンク式があります。安定した水量を得るためには、水道の蛇口を確保できるのであれば、水道直結方式がお薦めです。
4.持ち運びのしやすさ
自動車の洗車場など固定式の防音高圧洗浄機の場合は設置スペースや固定方法を検討します。
ポータブル式の防音高圧洗浄機では、装置の重量の他、キャスター付きや手押しバー付きのものを選ぶことをお薦めします。
5.トリガーガンやスプレーノズルの形状や取り扱いのしやすさ
高圧水を洗浄対象物に向けて射出する際には、ある程度の反動があります。実際の使用用途や吐出圧力を考えて、適切な大きさと形状のトリガーガンやスプレーノズルを選択しましよう。
参考文献
https://d-engineer.com/fluid/pascal.html
https://www.kaercher.com/jp/