監修:司フエルト商事株式会社
ポリエステルフェルトとは
ポリエステルフェルトとは、ポリエステル繊維を使用して作られたフェルトです。
フェルトとは繊維が絡み合ってできた布やシート状の素材で、圧縮や加熱によって繊維同士が結びついている特徴があります。手芸品だけではなく、保温材などの工業製品にも使用されることがあります。
ポリエステル繊維は強靭であり、フェルトとしても耐久性が高いため、長期間の使用に耐えます。加工や使用中の変形が少なく、しっかりとして形状を保持する点も特徴の一つです。抗菌性もあり、清潔な状態を保ちやすい特性を有します。
ポリエステルフェルトの使用用途
ポリエステルフェルトは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
1. 工業用品
ポリエステルフェルトは耐摩耗性が高く、摩擦に強いため、機械部品の絶縁材料やパッキンとして使用されます。特に機械の振動や衝撃を吸収する必要がある場合に有利です。また、電気絶縁性があり、電子部品や電気機器の絶縁材料としても利用されます。
2. フィルタ
ポリエステルフェルトは微粒子を効果的に捕集する能力があり、空気中の汚染物質を取り除くためのエアフィルターとして使用されます。耐久性があり、長期間使用しても性能が安定している点も特徴です。液体のろ過にも使用され、水や油などの流体中の不純物を除去することが可能です。
3. 医療用品
消毒や洗浄に強いポリエステルフェルトは、傷口を保護するための包帯として使用される場合があります。柔軟性があり、傷口にフィットしやすい特性があります。また、衛生的であり、繊維の微細な構造が菌の侵入を防ぐため、手術用カバーや患者用の寝具としても使用されます。
4. 家庭用品
ポリエステルフェルトは手芸やDIYの材料として活用されることも多いです。縫ったり切ったりしやすく、バッグやポーチ及びクッションカバーなどの手作り品を製造することが可能です。色や柄のバリエーションが豊富で、デザイン性が重視されるアイテムにも適しています。
ポリエステルフェルトの原理
ポリエステルフェルトは、ポリエステル繊維を圧縮および加熱処理することで作られます。この過程によって繊維同士が絡み合い、密度の高い非織布が形成されます。ポリエステル繊維は熱可塑性を持っており、加熱されることで繊維同士が溶け合い、一体化する仕組みです。
非織布としてポリエステル繊維がランダムに配置されており、加熱圧縮されることで絡み合います。このため、均一な密度と強度を有する製品となることが多いです。製造時のパラメータを調整することで、様々な厚さや硬さのポリエステルフェルトが製造されます。
必要に応じて、表面に防水加工や耐熱加工が施されることがあります。特に工業用品として使用する場合は、表面仕上げ処理を実施されることが多いです。これにより、特定の用途に適した特性を付加することが可能です。
ポリエステルフェルトの選び方
ポリエステルフェルトを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。
1. サイズ・厚み
使用する用途に応じて、適切な大きさのポリエステルフェルトを選びます。一般的にはロール状態で製造されることが多く、必要な幅と長さを確認して選びます。厚みも耐久性や吸収能力に影響するため、注意して選定することが重要です。
2. 強度
ポリエステルフェルトの強度は、使用する環境や負荷に応じて選定します。特に耐久性が求められる場合や、構造材料として使用される場合は強度の高い製品を選ぶ必要があります。製品の仕様シートやテストデータを参考にすることが重要です。
3. 伸び率
ポリエステルフェルトの伸び率は、柔軟性や形状安定性に影響します。曲げや形状変化が多い用途では伸び率が低い製品を選ぶことで、形状が長期間安定した状態を保つことが可能です。
4. 耐熱温度
使用する環境の温度範囲に応じて、ポリエステルフェルトの耐熱性を確認します。一般的にポリエステルは高温に耐える性質がありますが、加工条件に応じて温度は異なるため、製品仕様を確認する必要があります。耐熱性が必要な工業用途では、高温に耐えるポリエステルフェルトを選ぶことが推奨されます。
本記事はポリエステルフェルトを製造・販売する司フエルト商事株式会社様に監修を頂きました。
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