ポリエステルフェルト

監修:司フエルト商事株式会社

ポリエステルフェルトとは

ポリエステルフェルトとは、ポリエステル繊維を使用して作られたフェルトです。

フェルトとは繊維が絡み合ってできた布やシート状の素材で、圧縮や加熱によって繊維同士が結びついている特徴があります。手芸品だけではなく、保温材などの工業製品にも使用されることがあります。

ポリエステル繊維は強靭であり、フェルトとしても耐久性が高いため、長期間の使用に耐えます。加工や使用中の変形が少なく、しっかりとして形状を保持する点も特徴の一つです。抗菌性もあり、清潔な状態を保ちやすい特性を有します。

ポリエステルフェルトの使用用途

ポリエステルフェルトは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 工業用品

ポリエステルフェルトは耐摩耗性が高く、摩擦に強いため、機械部品の絶縁材料やパッキンとして使用されます。特に機械の振動や衝撃を吸収する必要がある場合に有利です。また、電気絶縁性があり、電子部品や電気機器の絶縁材料としても利用されます。

2. フィルタ

ポリエステルフェルトは微粒子を効果的に捕集する能力があり、空気中の汚染物質を取り除くためのエアフィルターとして使用されます。耐久性があり、長期間使用しても性能が安定している点も特徴です。液体のろ過にも使用され、水や油などの流体中の不純物を除去することが可能です。

3. 医療用品

消毒や洗浄に強いポリエステルフェルトは、傷口を保護するための包帯として使用される場合があります。柔軟性があり、傷口にフィットしやすい特性があります。また、衛生的であり、繊維の微細な構造が菌の侵入を防ぐため、手術用カバーや患者用の寝具としても使用されます。

4. 家庭用品

ポリエステルフェルトは手芸やDIYの材料として活用されることも多いです。縫ったり切ったりしやすく、バッグやポーチ及びクッションカバーなどの手作り品を製造することが可能です。色や柄のバリエーションが豊富で、デザイン性が重視されるアイテムにも適しています。

ポリエステルフェルトの原理

ポリエステルフェルトは、ポリエステル繊維を圧縮および加熱処理することで作られます。この過程によって繊維同士が絡み合い、密度の高い非織布が形成されます。ポリエステル繊維は熱可塑性を持っており、加熱されることで繊維同士が溶け合い、一体化する仕組みです。

非織布としてポリエステル繊維がランダムに配置されており、加熱圧縮されることで絡み合います。このため、均一な密度と強度を有する製品となることが多いです。製造時のパラメータを調整することで、様々な厚さや硬さのポリエステルフェルトが製造されます。

必要に応じて、表面に防水加工や耐熱加工が施されることがあります。特に工業用品として使用する場合は、表面仕上げ処理を実施されることが多いです。これにより、特定の用途に適した特性を付加することが可能です。

ポリエステルフェルトの選び方

ポリエステルフェルトを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. サイズ・厚み

使用する用途に応じて、適切な大きさのポリエステルフェルトを選びます。一般的にはロール状態で製造されることが多く、必要な幅と長さを確認して選びます。厚みも耐久性や吸収能力に影響するため、注意して選定することが重要です。

2. 強度

ポリエステルフェルトの強度は、使用する環境や負荷に応じて選定します。特に耐久性が求められる場合や、構造材料として使用される場合は強度の高い製品を選ぶ必要があります。製品の仕様シートやテストデータを参考にすることが重要です。

3. 伸び率

ポリエステルフェルトの伸び率は、柔軟性や形状安定性に影響します。曲げや形状変化が多い用途では伸び率が低い製品を選ぶことで、形状が長期間安定した状態を保つことが可能です。

4. 耐熱温度

使用する環境の温度範囲に応じて、ポリエステルフェルトの耐熱性を確認します。一般的にポリエステルは高温に耐える性質がありますが、加工条件に応じて温度は異なるため、製品仕様を確認する必要があります。耐熱性が必要な工業用途では、高温に耐えるポリエステルフェルトを選ぶことが推奨されます。

本記事はポリエステルフェルトを製造・販売する司フエルト商事株式会社様に監修を頂きました。

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羊毛フェルト

監修:司フエルト商事株式会社

羊毛フェルトとは

羊毛フェルトとは、羊の毛を原料として作られるフェルトです。

羊毛の繊維を水と石けんで洗い、摩擦や圧縮を加えることで繊維同士が絡み合います。これにより、柔らかさや密度を有するフェルト素材へ加工することが可能です。手芸や工芸およびアート作品などに使われるだけでなく、パッキンやガスケットなどに使用されることも多いです。

羊毛フェルトは耐久性があり、適切に取り扱えば長持ちします。保温性も高く、同時に通気性も有する点が特徴の一つです。さらに、自然素材であり、再生可能な資源であるため、環境にも配慮した素材と言えます。

羊毛フェルトの使用用途

羊毛フェルトは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 手芸・アート

羊毛フェルトは手で簡単に形作ることができるため、フェルトクラフトの素材として広く使用されています。人形や動物の模型、フラワーアレンジメントなどのアート作品が制作されます。

2. ファッション

羊毛フェルトは保温性がありながらも通気性があるため、冬季のアクセサリーや帽子、手袋などに使用されることが多いです。また、デザイナーがユニークな作品を製作するための素材としても利用されます。

3. 圧力シール材

比較的低圧力下でのシール材として、特定の液体やガスの封入に使用される場合があります。適切な固さを有し、親水性もあるため、シール材にもある程度活用可能です。ただし、高圧力や高温の環境では金属ガスケットなどを使用されることが多いです。

4. 保温材

羊毛フェルトは保温性があり、一部の遮熱材として使用されることがあります。産業において再生可能な製品として選定することが可能です。ただし、高温に耐える必要がある場合には他の素材が選好される傾向があります。

羊毛フェルトの原理

羊毛フェルトは羊の毛を原料としています。羊毛には数多くの微細な繊維があり、これらの繊維が水と石けんで洗われ、摩擦や圧縮を加えることで繊維同士が絡み合います。これにより、羊毛の繊維が互いに結びついてフェルト構造を形成される仕組みです。

羊毛フェルトは織られた布ではなく、無織布として知られています。繊維がランダムに配置されており、これが均一で柔らかい質感である理由です。

羊毛の主成分はタンパク質から構成されています。主にケラチンというタンパク質が繊維を形成し、水分や石けんによって一部変性します。それにより、繊維同士が相互作用して絡み合うことでフェルトとして活用することが可能です。

羊毛の繊維は非常に微細で縮れており、これによって繊維同士が互いに引っ掛かるようにして結びつきます。これが羊毛フェルトが持つ独特の柔軟性と耐久性の基盤となっています。

羊毛フェルトの選び方

羊毛フェルトを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 素材

一般的な羊毛は繊維が粗い場合がありますが、頑丈さや自然な風合いを求める場合に適しています。価格が手ごろで、手作りのアイテムやアート作品に使われることが多いです。高品質な製品が必要な場合はメリノウールなどが使用されます。

メリノウールはメリノ羊の毛から作られる羊毛フェルトであり、繊維が細かく柔らかい特徴があります。そのため、肌触りが良く、繊細な製品を製作することが可能です。頑丈な製品が必要な場合は、シュロスヴォルト羊の羊毛フェルトが使用されることも多いです。

2. 色

単色の羊毛フェルトはシンプルで統一感があります。一方、ミックスカラーは複数の色がブレンドされており、アート作品や手芸などの用途に有利です。また、 ナチュラルカラーは羊毛そのものの自然な色合いを生かした製品で、温かみがあります。

3. サイズ

羊毛フェルトの用途に応じてサイズを選定する必要があり、ロール状またはシート状で販売されています。標準サイズの場合はシート状で販売されており、手芸などの用途に使用されます。ロール状の製品は、大きな面積をカバーする場合や連続した長さで必要なときに便利です。

4. 密度

羊毛フェルトの密度は繊維が詰まっている程度を示し、耐久性などに影響します。高密度の製品は繊維が密集しているため、より丈夫で耐久性があることが多いです。クッション材などの強度が求められる用途に適しています。

本記事は羊毛フェルトを製造・販売する司フエルト商事株式会社様に監修を頂きました。

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押出機

監修:ブッス・ジャパン

押出機とは

押出機とは、プラスチックなどの物質を加熱して融解させた後に専用の金型を通して押し出す機械です。また複数の材料を溶融混練する機能を有する押出機もあります。

溶融した材料を加圧して射出口から射出します。この際、金型に沿って材料が流れ、所定の形状に成形されます。これにより、効率的な大量生産を可能にする重要な設備です。

押出機は精密な金型を使用して製品を形成するため、製品の寸法や形状が均一で一定に保たれます。このため、品質管理が容易であり、製品の品質を高く維持することが可能です。プラスチックやゴムなどの様々な材料を押出機で加工することができ、産業や製品に応じた柔軟な生産が可能な点が特徴です。

押出機の使用用途

押出機は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. プラスチック産業

押出機を使用してプラスチックペレットを溶融し、射出してパイプやフィルムを製造します。これらの加工品は建築材料や包装材料として広く使用することが可能です。その他にも、様々な製品のプラスチック部品を加工することもできます。

2. ゴム産業

押出機を使用してゴム材料を押し出し、シールやパッキンなどの製造を行います。長尺のゴムチューブやコンベアベルトなども製造することが可能です。これらの加工品は工業用途や運搬装置で使用されることが多いです。

3. 食品産業

穀物やシリアルを押出機で加工して形状を整えることで、スナック菓子などを製造します。チョコレートやシュガーペーストの形状を整えるために押出機が使用されることも多いです。これにより、固有の形状を有する特殊な菓子類を製造することができます。

4. 自動車産業

自動車内外装の多くはプラスチック製品で構成されており、これらの製造にはプラスチック押出機が使用されます。ダッシュボードやドアパネル部品などがその一例です。高い精度と効率性を有するため、自動車の性能向上とコスト削減に貢献しています。

押出機の原理

押出機では、最初に使用する材料を加熱して溶融状態にします。溶融した材料は加圧され、射出口から金型に押し出されます。金型内で形成された製品は冷却されて固化することで形状が安定し、所定の物理的特性を持つ仕組みです。

構造としては、加熱・混練装置、押出装置、冷却装置などで構成されます。

1. 加熱・混練装置

加熱・混練装置は材料を加熱・溶融させる部分です。電気ヒーターなどで材料を加熱した後に、スクリューフィーダーによって材料を混合しながら前進させます。大量生産の場合は混練槽を有することもあります。

2. 押出装置

押出装置は混練された材料が射出される部分です。押し出し口は金型と密接に連携して動作し、材料を適切に射出します。加圧装置も付属しており、材料を押し出す圧力を調整する役割を果たします。

3. 冷却装置

製品が金型から押し出された後、迅速に冷却する部分です。一般的には金型の周囲に配置された冷却水ジャケットによって、冷却水を通じて製品を冷却します。製品の冷却時間は品質と性能に影響を与えるため、制御装置によって調整可能な場合が多いです。

押出機の種類

押出機には下記のような種類が存在します。

1. 一軸押出機

単一のスクリューで材料を押し出します。比較的シンプルな構造で、コストが低く、取り扱いが容易です。小型機から大型機まで様々なラインナップがあります。

2. 二軸押出機

2本のスクリューが互いに絡み合うように配置され、より均一に材料を混合して加工します。一軸押出機に比べて優れた混合性能を有します。複合材料や高性能プラスチックの製造に使用されることが多いです。

3. 特殊押出機

特殊な構造を有する押出機です。コ・ニーダや プラネタリースクリュー押出機などが該当します。

コ・ニーダはスクリューが回転すると同時に前後へ往復運動する押出機です。したがって、効力な混合能力を有します。ペレットの製造装置として使用されることが多いです。

プラネタリースクリュー押出機は、中心主軸スクリューと外周スクリューでそれぞれ回転することによって均一な混合が可能な押出機です。中心の主軸が回転すると同時に、複数の外周スクリューが公転しながら材料を混合します。安定剤や添加剤などの製造に適しています。

押出機の選び方

押出機を選ぶ際は、以下の要素などを考慮します。

1. 材料

押出機を選ぶ際に最も重要な要素の一つが使用する材料です。材料の種類によって適切な機種を選ぶ必要があります。プラスチック系の押出機にはオレフィン系やエンジニアリングプラスチックなどに対応した製品があり、適切に選定することが重要です。

2. 押出量

押出量は単位時間あたりにどれだけの材料を加工できるかを示す重要な指標です。スクリューの直径が大きいほど、単位時間あたりの材料の供給量が増えます。また、スクリューの長さも押出量に影響します。

スクリューの回転速度も重要です。適切な押出速度を設定することで、生産性を最大化できます。

3. サイズ

押出機のフレームサイズは、加工できる最大の製品サイズを決定します。大型の製品を加工する場合は大型の押出機が必要です。加工する製品の需給量に応じて、押出機の出力能力も選ぶ必要があります。

4. 制御システム

押出機の制御システムは加熱温度や冷却速度などのパラメータを管理し、生産性と製品品質に直結する重要な要素です。最新の制御技術を備えた押出機を選ぶことが重要です。操作しやすいインターフェイスを有することも確認する必要があります。

本記事は押出機を製造・販売するブッス・ジャパン様に監修を頂きました。

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顧客管理システム

顧客管理システムとは

顧客管理システムとは、顧客情報を集約し管理するシステムです。

顧客管理システム ( 英: Customer Relationship Management , CRM ) は、顧客情報や顧客との関係性を管理し、顧客と良好な関係を構築・維持していくことを目的として使用します。似たシステムとして営業活動の効率化を目的とした営業支援システム ( 英: Sales Force Automation , SFA ) があり、近年はCRMとSFAの両方の機能を備えたシステムが主流となっています。

顧客管理システムの基本的な機能は、顧客の氏名・連絡先、問い合わせ履歴、取引履歴などの情報を収集し管理することです。そして収集した情報を元に分析を行い、メール配信などでそれぞれの顧客に合った商品やサービスの提案をすることで、顧客満足度の高い営業活動に繋げます。

また、顧客管理システムでは様々な顧客情報を一元管理出来るため、入力からデータ分析に至るまで様々な業務の効率化及びリアルタイムでの情報共有を可能にし、迅速でスムーズな営業活動を可能にします。

一元管理された顧客管理システムを活用することは、顧客満足度を高めると共に企業の利益に繋がり、顧客・企業双方にメリットをもたらします。

顧客管理システムの使用用途

顧客管理システムは様々な場面で使用されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 業務の効率化及び情報共有化

会社内の各部署でバラバラの様式や紙面で顧客情報を管理していた会社が、業務効率化の為に顧客管理システムを導入する例が多くあります。

顧客情報を全社全体で情報共有をすることにより、顧客の問い合わせにもスムーズに対応でき、リピーターの獲得や売り上げ向上に効果があります。更に、担当者の不在・変更などにも適切な対応を取ることを可能にします。

2. ECサイトとの連携

商品を販売するECサイトへの顧客管理システムの連携も増えています。

顧客管理システムでECサイトにおける購買データなどの顧客行動を分析し、リピート率に応じたステップメールを自動配信します。これにより一人ひとりの顧客に合ったコミュニケーションを取ることができ、顧客満足度が向上し売り上げアップに繋がっています。

3. オンラインサービスにおけるアンケート調査

オンラインサービスの品質向上・ニーズ把握のためのアンケートと、顧客管理システムを連携した例もあります。

顧客管理システムで、アンケートメールの送付・集計・分析までを自動で行い、回答内容をオンラインサービスの品質向上に役立てています。アンケートの回答者の謝礼にデジタルギフトを自動送付する連携機能を取り入れた例もあり、業務の負担軽減にも繋がります。

顧客管理システムの機能

以下に、顧客管理システムの主要な機能を記載します。

1. 顧客管理

氏名・住所・電話番号・メールアドレス・問い合わせ履歴・購入履歴・レビューなどの基本情報を管理します。

メールやフォームからの問い合わせ内容を、顧客管理システムに自動登録させる機能をもつものもあり、カスタマーサービスを迅速に行うことを可能にします。

2. データの分析

顧客情報を元に、購買・サービス利用傾向などの顧客行動を分析し、顧客に合った成約率の高いアプローチ戦略を立てます。

3. メールやメールマガジン配信

データ分析により得られたアプローチ戦略により、顧客に合ったキャンペーンメール・ステップメール・メールマガジンなどを顧客の属性ごとに配信します。

顧客管理システムの選び方 

以下に、顧客管理システムを選ぶ時に考慮すべき主な項目を記載します。

1. 顧客管理システムを導入する目的の明確化及びコスト

顧客管理システムの導入に当たっては初期コストやランニングコストが発生し、機能が増える程コストも上がる傾向にあり、クラウド型かオンプレミス型かによってもコストは変わります。

何の為に顧客情報を管理し、どんな課題を解決したいのかを考え、自社にとって必要な機能をリストアップすることが大切です。

導入する際には、コストと機能のバランスを考える必要があります。

2. 操作性

顧客管理システムは多くの社員が使用するものなので、操作性は顧客管理システムの活用を定着させるためにも重要です。

顧客管理システムのベンダーの多くは、無料トライアル期間を設けています。入力の簡便さを始め、目的の情報へのアクセススピードや分析機能の使いやすさなどを確認しておくと良いでしょう。

3. システム・ツールとの連携や拡張性

自社の既存システムやツール、SFAなどと顧客管理システムを連携して運用する場合には、連携可能なシステムを選択する必要があります。

4. セキュリティ

顧客管理システムは大切な顧客情報を一元管理する為、セキュリティ対策が非常に重要なので万全なものを選択しましょう。

5. サポート体制

顧客管理システムは導入してから運用までに一定の時間が掛かったり、うまく活用出来ない場合も想定されます。運用に不安がある場合は、サポート体制が整っているベンダーを選ぶと安心です。

バニシング加工

バニシング加工とは

バニシング加工とは、旋盤加工機にバニシングローラーという特殊工具を装着し、表面を削らずに面を押しつぶして塑性変形によって滑らかにする加工です。

内面・外面・端面などに対して行うことができ、特に、外径では、リング形状の製品で、外径面に高い面粗度を求められる製品などに施されている加工です。バニシングとは英語の「burnish:磨く・光らせる」を由来としています。旋削並みの加工精度と研磨並みの面粗度を両立していることが特徴です。

バニシング加工の使用用途

切削加工で加工した金属製品の表面には、微細な山形状の凹凸が発生します (挽き目) 。バニシング加工は、金属ワークの内面・外面・端面などに発生するこのような凹凸を押しならして、滑らかにする目的で行われる加工です。精密機器や自動車業界等の様々な分野で使用されています。

内面・外面・端面などに対して加工を行うことができますが、外径では、シャフトなどの軸形状の金属や、高圧油圧部品などのリング状の金属部品の外周面上などに適しています。また、半導体製造装置用継手のように、金属同士の接触によって流体をシールする機構などにも行われる加工です。この場合、表面粗さの改善と加工面の硬度向上を同時に目的とします。

バニシング加工の原理

1. 概要

外径等のバニシング加工では、旋盤加工機にローラバニシングツールを使用し、切削加工後の表面を押しならします。切削加工ではなく表面を塑性変形させる加工であり、切屑が出ません。更に、表面の硬度が上昇するという特徴があります。加工後の表面は鏡のように反射し、滑らかな仕上がりです。

内径におけるバニシング加工では、穴あけ加工と同時にバニシング加工を行うバニシングドリルが使用されます。

2. バニシング加工の特性

研磨で表面を滑らかにした場合、削るという特性の都合上小さなギザギザが残りますが、バニシング加工では山をならすことで表面が滑らかな形状になります。そのため、ほかの部品と擦れたときに相手を傷つけにくい表面に仕上がることが特徴です。その他、バニシング加工の特性には下記のようなものがあります。

  • 切り屑が出ない
  • 面粗度と強度が向上する
  • 汎用性が高く、使い勝手が良い
  • 納期が短く済み、効果的な方法で仕上り面を得ることが可能 (研磨加工との比較)
  • 粗さの大幅な低減(用途によって90%以上の低減が可能)
  • 表面の硬度化・耐摩耗性・耐食性の向上
  • 加工公差の向上

バニシング加工の種類

バニシング加工に用いられるツールにはいくつかの種類があります。

1. ローラーバニシングツール

ローラーバニシングツールは、旋盤加工機に取り付けてバニシング加工を行う代表的なバニシングツールです。外径、端面、テーパや穴など、様々な形状に対するツールがあります。

ローラーの圧力を調整することで、さまざまな研磨レベルを実現することができます。サイズや材質 (鉄系・非鉄系) を問わず、さまざまな製品に対応可能です。

2. バニシングドリル

バニシングドリルとは、穴あけ加工と同時にバニシング加工を行うことができるドリルです。

切削による穴加工を行いながら、金属の凹凸面を押しつぶして面をならします。ねじれのないストレートな形状が一般的で、チゼルで切削加工をしながら、ガイドと呼ばれる部分が追従するようにバニシング加工を行っていく仕組みになっています。

3. ダイヤモンドバニシング

ダイヤモンドバニシングは、単結晶ダイヤモンドと加工に適切な圧力を保つスプリング機構を組み合わせてバニシング加工を行うバニシングツールです。単結晶ダイヤモンドは、高硬度で摩耗に強い素材であり、ダイヤモンドバニシングは、ダイヤモンドのチップを素材に押し当てて、旋盤後の挽き目の山をならします。ダイヤは再研磨を行うことができます。内径用、外径用など様々な形状・種類があります。

4. その他

その他、特殊なバニシングツールに、Oリング溝仕上げ加工用バニシングツールや、ディープローリング加工を行うことのできるローラーバニシングツールなどがあります。ディープローリング加工とは、シャフト形状の段差部分など、疲労破壊が懸念される部位に圧縮残留応力を持たせて疲労強度を向上させるためのバニシング加工です。

欠陥検査装置

欠陥検査装置とは

欠陥検査装置とは、製品や部品の欠陥を検出するための検査装置です。

特に外観の欠陥検査を行うための装置は、外観検査装置と呼ばれる場合もあります。装置の一部は、赤外線などを用いることで内部欠陥を検出することが可能です。金属製品や樹脂製品の欠陥検出の他、OCRなどを用いて食品パッケージの欠陥を検出することなどにも使用されます。

欠陥検査装置の使用用途

欠陥検査装置は、機械、電子・半導体、金属、食品など様々な製造分野で利用されている装置です。主に下記のような欠陥の検出に使用されます。

  • 製品表面のキズや汚れ
  • 布に付着した汚れや縫製不良
  • 樹脂やゴムの成型時に発生する欠けやバリ
  • 塗装面の変色や色ムラ
  • 食品パッケージなどの印字検査 (OCR) 、穴や異物

また、このような欠陥検査が行われる製品には、下記のようなものがあります。

  • リチウムイオン二次電池の部材 (電極、電極セパレータ)
  • ベアリング・ボルト・ネジ
  • プリント基板
  • 半導体ウエハ
  • フラットパネルディスプレイ⽤の各種フィルム
  • タッチパネル、タッチデバイス
  • 紙・不織布・炭素繊維
  • 板ガラス
  • FCCL用の金属箔
  • 自動車用の鋼板
  • リードフレーム
  • 圧延・電解銅箔
  • アルミ材
  • 食品パッケージ
  • 医薬品容器

欠陥検査装置の原理

1. 欠陥検査装置で検出される欠陥の例

  • 傷やクラック
  • 欠け・バリ
  • 汚れや凹み
  • 寸法異常
  • 位置・角度の異常
  • 異物付着・混入
  • 形状異常
  • 変色
  • 印字不備 (OCR検査)

2. 欠陥を検出する仕組み

欠陥検査装置が欠陥を検出する仕組みには、画像処理方式やレーザースキャン方式などがあります。

画像処理方式では、CCDカメラなどのカメラで撮影した画像データを処理して欠陥検査を行います。あらかじめ良品の情報を登録しておき、撮影したデータと照合して合否判定を行う仕組みです。また、AIを用いて不良検出を行う仕組みも近年取り入れられています。

レーザースキャン方式では対象物に光学レーザーを照射し、反射光の分析によって表面の傷や欠陥を検査します。一般的に、画像処理方式よりも高精度な検査が可能です。また、内部欠陥の検出が可能な製品もあります。レーザーの種類には、平行ビーム型とレーザー集光型、可変焦点方式があります。平行ビーム型が安定した照射が可能であるのに対し、レーザー集光型は検査精度が高いことが特徴です。可変焦点方式は、集光スポットが安定しないというレーザー集光型の弱点を克服しています。

欠陥検査装置の種類

欠陥検査装置には、検査対象物によって様々な種類があります。半導体産業で使用されるウエハ欠陥検査装置や、電子部品用検査装置、不織布向け欠陥検査装置、パッケージの検査などに使用されるOCR文字検査装置などがあります。

1. ウエハ欠陥検査装置

ウエハ欠陥検査装置は、半導体産業で使用されるウエハの欠陥検出に特に特化している欠陥検査装置です。

半導体ウエハには、同じパターンの電子デバイスが並んで製造されます。欠陥は、異物などのごみに起因してランダムに発生することが多く、特定の場所に繰り返し発生する確率は、非常に低いと考えられます。典型的なウエハ欠陥検査装置であるパターン付きウエハ検査装置は、隣接するチップのパターンの画像同士を比較し、その差分を取ることで、欠陥を検出します。

一方、パターン無し検査装置は、異物や欠陥にレーザー光線が当たると、光が散乱することを利用し、レーザー照射と散乱光の検出によって欠陥検出を行います。主に、ウエハメーカーによる出荷検査、デバイスメーカーにおける受け入れ検査、などに使用される装置です。

その他、赤外光による内部欠陥検査を行うことができる装置もあります。

2. 電子部品用欠陥検査装置

電子部品用欠陥検査装置では、各種基板やイメージセンサなどの外観検査を行う装置などがあります。

セラミック基板に発生するクラックや汚れ、オーバーエッチング、パターンショート等の欠陥検査に特化した装置や、出荷前イメージセンサ製品の素子面・ケース内面・ワイヤ接合部・ガラス面それぞれに適した欠陥検査装置などがあります。これらの装置では、微細な異物や欠陥の検出や、膨れや凹みといった立体的な欠陥も検出することが可能です。

仮眠ブース

監修:株式会社オーパス

仮眠ブースとは

オフィスに設置できる仮眠ブース

仮眠ブースとは、一時的に休息や睡眠を取るための小さなスペースです。

快適性を考慮して設計されており、クッションや調光機能などが備わっている場合もあります。外部の騒音や視線を気にせずリラックスできるように設計されていることが多く、プライバシーを確保することができます。仮眠ブースを使用して短時間でも眠ることで、集中力や注意力の回復が期待でき、仕事の効率を向上させることが可能です。

仮眠ブースは現代の忙しい生活において、効果的な休息やリフレッシュの手段として重宝されています。

仮眠ブースの使用用途

仮眠ブースは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 交通業界

空港では長時間の待ち時間や乗り継ぎ時間を利用して、旅客が疲労を軽減するために仮眠ブースを設置している場合があります。特に長距離のフライトの前後で睡眠をとることで、時差ボケの軽減や体力の回復に役立ちます。また、その他にも利用者が休息をとるために、鉄道の駅などに設置されていることも多いです。

2. ビジネス業界

オフィスでの疲労感を軽減し、仕事の効率を上げるために、オフィス内に仮眠ブースが設置されていることも多いです。長時間の勤務や集中力を要する作業の合間に、短時間の休息をとることが可能です。夜勤者のいる3交代職場などでは、仮眠が許可されていることが多いです。

3. 観光業界

観光客が観光疲れを癒やすために、観光地内の施設や観光案内所に仮眠ブースが設置されている場合があります。特に歩き疲れや暑さ対策として、快適な環境で一時的な休息をとることが重要となることも多いです。

4. ショッピングセンター業界

ショッピングモールや大型店舗内で、買い物客が長時間の歩行や買い物疲れを癒やすために設置されていることもあります。特にショッピング中の休憩や子供連れの家族向けに便利です。

仮眠ブースの原理

仮眠ブースは、利用者が短時間でリラックスできるように設計されています。利用者の安全性と衛生環境を確保するために、ブース内部の通気性や清掃管理が行き届いていることが一般的です。そのために、様々な工夫が施されています。

屋根があり、騒音を遮断するために、しっかりとした断熱性や防音性能を有する完全個室タイプと、視覚的プライバシーは守り、デスク仕様やマット仕様といった用途に合せて設置できるオープンタイプが多く流通しています。

デスクタイプの仮眠ブース

図1. デスクタイプ

座席やベッドは快適性を重視して設計されています。クッション性や体の形にフィットするような形状が多く採用されています。これにより、省スペースでも快適に仮眠をとることが可能です。

その他にも、温度調整機能や照明の調整またはエアコンの設置など、快適性を高めるための設備が備わっていることがあります。一部のブースでは音楽再生や白雑音の提供なども行われることがあります。

マットタイプの仮眠ブース

図2. マットタイプ

仮眠ブースの選び方

仮眠ブースを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. サイズ

仮眠ブースの広さは利用者が快適に休息できるかどうかに大きく影響します。身体を快適に寝かせたり、座ったりできる広さが必要です。小さすぎると窮屈に感じられ、リラックスできないことがあります。

2. 色

仮眠ブースの色は心理的な快適感やリラックス効果に影響を与える要素です。 地味な色調や自然な色合いのブースが多く、リラックスしやすいため、疲れやストレスの軽減に効果的です。

3. セキュリティ

ブースが提供するプライバシーのレベルが高いことを確認します。外部からの視線や騒音を遮断できることが重要です。また、施錠のできる仮眠ブースも販売されているため、必要に応じてこれらのセキュリティオプションのある仮眠ブースを選定します。

4. オプション

仮眠ブースには様々なオプションがあり、利便性や快適性を向上させることができます。照明の調光機能やコンセント、空調などがその一例です。

明るさや色温度を調整できる調光機能を有する照明があると、個々のリラックススタイルに合わせた環境作りができます。また、コンセントによってスマートフォンなどのデバイスを使用しつつ仮眠することが可能です。空調を設置すれば、季節や利用者の好みに応じた快適な環境を提供することができます。

本記事は仮眠ブースを製造・販売する株式会社オーパス様に監修を頂きました。

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LED蛍光灯

監修:株式会社オネスト

LED蛍光灯とは

LED蛍光灯とは、従来の蛍光灯と同様の形状を持つLED照明器具です。

LEDはLight Emitting Diodeの略であり、電気によって発光する半導体素子です。エネルギー効率が高いため、省エネや環境にやさしい照明器具として広く利用されています。したがって、現在の照明器具はLEDが主流です。

LED蛍光灯を使用することで、従来の蛍光灯よりも消費電力が低いため、電気代を節約できます。また、LEDは数万時間以上の寿命を有するため、ランニングコストも低減することが可能です。点灯時に即座にフルの明るさで点灯するため、従来の蛍光灯よりも利便性が高い点も特徴です。

LED蛍光灯の使用用途

LED蛍光灯は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 一般家庭

LED蛍光灯は一般の居住空間で広く使用されています。省エネ性が高く、長寿命であるため、電気代を節約しつつとメンテナンスの手間を軽減することが可能です。

2. オフィス・商業施設

LED蛍光灯はデスクや会議室の照明として使用されることが多いです。色温度の調整が可能で、適切な照明を選定することで作業効率を向上させることが可能です。

また、ホテルの客室やロビーおよびレストランなどでも広く使用されます。ショッピングモールの店舗照明としても利用され、製品の色彩や質感を正確に照らし出す役割を果たします。照明によって製品を明るく照らすことで、購買意欲を向上させることが可能です。

3. 産業施設

工場や倉庫では長時間の連続稼働が求められるため、信頼性と耐久性が高いLED蛍光灯は有利です。蛍光灯に比べて振動や衝撃に強い点も重要な利点です。また、生産ラインや品質管理ラインの照明として高い照度で製品を照らすことで、作業効率向上させることもできます。

4. 公共施設

公共施設や病院において、LED蛍光灯が使用されることも多いです。公共施設では図書館やコミュニティセンターの照明として一般に使用されます。また、病院では手術室や診察室で使用され、医師の作業効率を向上させる役割を果たします。

LED蛍光灯の原理

LED蛍光灯はLED技術を用いて光を発生させる照明器具です。LEDは半導体素子であり、電流が通ることで電子が再結合し、その際に光が放出されます。この光の色や強度は使用される半導体材料の種類や構造に依存します。LED蛍光灯はLEDチップやヒートシンク、ドライバー回路などで構成されます。

LEDチップはLED蛍光灯の核となる部分であり、半導体素子からなる光源です。電気を受け取ることで発光します。一般的には複数のチップが並列に並べて光源とすることが多いです。

ヒートシンクはLEDチップが発する熱を効率的に放熱するための部品です。LEDは高効率であるために熱を発生しますが、これを適切に管理することで寿命や性能が向上します。

ドライバー回路はLED蛍光灯へ電気を供給する電源部品です。LED蛍光灯は直流の電力が必要ですが、家庭用電力は交流です。そのため、交流電力を直流電力に変換しつつ、電圧によって光の強さを調整するのがドライバー回路です。

LED蛍光灯の選び方

LED蛍光灯を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 明るさ・光束

使用する空間のサイズや明るさに応じて、適切な光束の製品を選びます。光束は仕様書上でlm (ルーメン) の単位で表示されています。一般的に明るさが必要な場合は高い光束のLED蛍光灯を選ぶことが多いです。

2. 色温度

照明の色合いを決定する色温度を選択します。暖色系 (2700K〜3000K) は暖かく落ち着いた雰囲気を、昼白色 (4000K〜5000K) は明るくクリアな雰囲気を演出することが可能です。また、寒色系 (6000K以上) はクールで鮮やかな雰囲気を作り出します。

3. 調光機能

必要に応じて調光可能なLED蛍光灯を選びます。調光機能があると、照明の明るさを調整できるため、柔軟性が増します。

4. 取り付け方式・寸法

LED蛍光灯の取り付け方法や寸法を選定することも重要です。既存の照明器具との互換性を確認する必要があります。特に交換用として購入する場合は、寸法の一致が重要です。

本記事はLED蛍光灯を製造・販売する株式会社オネスト様に監修を頂きました。

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ダストモニタ

ダストモニタとは

ダストモニタとは、集塵機からの発塵を監視する粉塵計です。

工場などから排出される排気中に含まれる粉塵は、大気汚染や健康被害の原因となるため、集塵機を用いて汚染を防止する必要があります。ダストモニタを用いて、集塵機からのダストの微量な漏れをモニタリングすることで、適切に集塵機が稼働しているかをチェックすることができ、また不具合の際も粉塵の漏れ始めをすばやく検出することができます (予知保全) 。

ダストモニタの使用用途

工場などから排出される粉塵は、大気中に放出されると環境と健康に悪影響を及ぼします。現在、多くの工場では粉塵を大気へ排出しないように集塵機を設置していますが、安全のためには集塵機の不具合やメンテナンスミスなどが発生しないよう、モニタリングを行うことが必要です。また、モニタリングを行うことで集塵機フィルターを最後まで使い切ることができるようになり、廃棄物削減とコスト削減に貢献することも可能です。

ダストモニタは、このような集塵機に不具合(故障や劣化など)が起きていないかをモニタリングするため、使用されています。業種を問わず、排ガスや粉塵の処理のある様々な工場で使用されている装置です。尚、通常の工場粉塵だけでなく、放射性物質の濃度を測定する場合に専用のダストモニタが用いられることもあります。

ダストモニタの原理

ダストモニタは集塵機の二次側配管に取り付けられます。24時間常時測定を行い、粉塵が規制値を超える前に警報を発します。

ダスト濃度を測定する機器の性能評価方法はJIS規格として規定されており、光散乱方式、光透過方式及び摩擦静電気検出方式の3種類の方式について性能評価方法が規定されています。

1. 光散乱法

ダストモニタの測定法の一つである光散乱法は、粉塵によって散乱する光を計測して粉塵濃度を測定する方法です。吸引ファンを用いて、空気吸引口から連続的に浮遊粉塵を取り込み、白色光やレーザー光を粉塵に照射します。

粉塵から発せられた散乱光の量を連続的に受光部で検知して、その光量を光電変換素子で電気信号に変換します。こうして得られた単位時間当たりの散乱光量 (cpm: counts per minute ) の濃度値にK値 (質量濃度変換係数 ) を掛けることにより、粉塵の質量濃度 (mg/m3) を求めることが可能です。

2. 光透過法 (吸光光度法)

光透過法 (吸光光度法) は、粉塵による光の減衰量を利用して計測する方法です。連続的に浮遊粉塵を取り込み、白色光やレーザ光を粉塵に照射して、粉塵による光の減衰量を光電変換素子で電気信号に変換します。この光の減衰量 (透過率) の対数値に比例する相対濃度を求めて、粉塵濃度 (mg/m3) とします。

3. 摩擦静電気検出方法

摩擦静電気検出方法とは、電荷の移動を利用する検出方法です。排ガス中にプローブ状の電極を挿入すると、ダストが電極に衝突する、或いは、近傍を通過する際に電荷の移動が生じます。この電荷の移動は、ダスト濃度と相関関係にあります。

集塵機に取り付けられるダストモニタには摩擦静電気検出方式の製品が最も多く、直胴ダクト内にプローブを差し込んで測定が行われます。

ダストモニタの種類

ダストモニタの製品種類には様々なものがあります。上述の検出方法の種類のほか、センサ部・変換器が一体型となっているものや、分離型となっている別置き構造のものがあります。別置き構造のメリットは、変換器側で測定レンジやデータ平滑化、表示方法を設定することが可能であり、また、変換器側のみを交換することもできるという点です。変換器側のデータの表示方法には、%表示の製品とmg/m3表示の製品などがあります。

温度耐性については、250℃以下の通常仕様の製品の他、400℃以下の高温仕様の製品もあります。また、防爆仕様の製品もあり、防爆仕様と共に防塵防滴構造になっている場合もあります。

家具製造

家具製造とは

家具製造とは、様々な用途で使用される家具一般を製造するサービスです。

机・テーブル、椅子・チェア、収納家具など、様々な種類の家具が製造されます。箱物家具類と脚物家具類に分類されて区別される場合もあります。材質の種類は、木製家具やスチール家具など、製品や用途によって様々です。家具製造にあたっては、設計から、製材加工、組み立て、塗装など、製品完成まで様々な工程があり、様々な加工方法を用いて製品製造が行われています。

家具製造の使用用途

家具製造には、様々な種類の家具の製造が総称して含まれています。製造される製品は、机・テーブル、椅子・チェア・ソファ、箱物家具、収納家具など、様々です。

製造される家具の用途は、家庭用のみならず、店舗・商業施設用、オフィス用、学校などの教育施設用など様々な用途があります。

家具製造の原理

1. 工程

家具製造は、複数の工程を経て行われます。実際に家具製品へと加工・組み立てる工程の他にも、様々な工程を経て家具へと加工されます。

  1. 製材加工: 材料となる木材などを板材へと加工します
  2. 設計・図面の製図
  3. 部材の寸法や枚数の拾い出し・リスト化
  4. 部材のカット
  5. 加工処理: 事前に作成した加工データを基に穴あけをはじめとする各種加工処理を行います
  6. 組み立て
  7. 仕上げ・塗装
  8. 検査
  9. 出荷

多くの場合において、機械化や分業によって効率化が図られている事が多いです。特に図面作成や、加工データの作成などは、コンピュータ化されている場合も多く、加工機械と連動して機械による効率的な管理が進められています。

また、この他にも木材の表面に高温のローラーで圧力をかけ、熱圧処理を施すことで強度や硬度を高める圧密加工や、板材に熱と圧力を加えて曲げる加工などが施される場合もあります。

2. 家具製造における加工と使用される機械

木製家具製造における切削、穴あけ、などにおいては、自動化・効率化を行う目的で、 NCルーター、CNCマシニングセンタなどが積極的に導入されています。また、スチール製の机・椅子など、鋼管を使用する製品では、切断・曲げ・溶接・塗装・組立の加工が行われており、パイプレーザー加工機や自動折り曲げ機、自動溶接機などの機械が使用されます。

また、加工や組み立ての際には、部材を正しい場所に配置するために治具と呼ばれる補助器具が使用されます。製品毎や部品ごとに多数の治具があります。治具を用いることにより、高品質で精度の高い製品を大量生産することが可能です。

製品によっては、接着におけるプレス加工や椅子張り加工なども必要となる場合があります。

3. 塗装加工

多くの家具で塗装加工が行われています。スチール家具などでは粉体塗装などが行われます。

木製家具に用いられる塗装は、主にウレタン塗装、オイル塗装、ラッカー塗装の3種類です。

ウレタン塗装仕上げは熱や水に強く、傷や汚れもつきにくい耐久性のある塗装です。最も一般的な塗装として使用されます。オイル塗装は木の質感を最大限に活かした塗装で、高級感のある仕上がりになりますが、一方で水シミなどの防汚性には劣ります。ラッカー塗装は木の質感を残しながら、傷や汚れをつきにくくした塗装です。ウレタン塗装ほどの強度はありませんが、オイル塗装よりは傷がつきにくくなっており、塗膜を張るのですべすべした感触になります。

家具製造の種類

家具製造で製造される家具製品には実に様々なものがあります。

木製家具は、大きく分けて箱物家具類と脚物家具類に分類することができます。箱物家具の例には、たんす、食器棚、書棚、ラック、テレビボード、サイドボードなどが挙げられます。脚物家具とは椅子、ソファ、ベンチ、机、ダイニングセットなどです。その他にもベッド、小物など多種多様な製品があります。

スチール製の机・椅子をはじめとするスチール家具は、耐久性が高いことから、学校用机椅子やオフィス用デスク、商業施設用テーブル・チェアなどとして活用されている製品です。