監修:株式会社クラフトワーク
ステンレス台車とは
ステンレス台車とは、ステンレス鋼を素材として使用して作られた台車です。
ステンレス鋼は非常に強靭で耐久性があります。台車として使用された場合、耐荷重性能が高い点が特徴です。また、湿気や水分及び化学物質に対しても耐性があり、長期間使用しても劣化が少ない利点もあります。
食品業界や理化学業界など、衛生管理が重要な環境で利用されることが多いです。容易に洗浄・消毒ができるため、清潔に保つことが可能です。
用途によって様々な形状やキャスター素材,部品素材があり,使用場所によって選定が必要です。
ステンレス台車の使用用途
ステンレス台車は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。
1. 食品業界
食品加工工場では、ステンレス台車を原材料や製品の移動に広く使用します。例えば、肉や魚介類及び野菜などの生鮮食品や加工食品を製造ラインで運搬します。食品と直接接触しても安全で、清潔な環境を保つために有利な抗菌ステンレスを使用した台車も増えてきています。
また、食品の倉庫や流通センターでも、ステンレス台車が商品の保管からピッキング作業まで幅広く使用されています。食品の安全性と衛生管理が重要視される場所であり、ステンレス台車はその要求を満たす製品です。
2. 理化学業界
クリーンルーム・製薬工場・研究施設などではステンレス台車が器具や機器の運搬に使用されます。錆びや発塵を嫌う現場ではキャスター金具までSUS304製のオールSUS台車を使用します。さらにクリーンルームではエアーを妨げないパンチング穴加工を施したステンレスパンチング台車が,ウエハーなどの搬送には防振器具を装着した防振・帯電防止機能を持ったオールSUS304台車が,製薬工場にはオートクレーブも使用可能なステンレス台車が活躍しています。
3. 製造業
自動車製造工場では、エンジン部品や車体部品の移動にステンレス台車が使用されます。ステンレス台車の耐久性と耐荷重性を活用しています。また、化学業界においても、化学物質に対する耐性が高いステレンス台車を化学製品の生産過程で使用します。
4. その他
その他には、ホテルやレストランなどの商業施設で使用される場合もあります。食器や食材の運搬など、特に食品の衛生管理が重視される場所で扱いやすい製品です。また、農業などにおいても、果物や野菜の運搬に活用します。
ステンレス台車の原理
ステンレス台車はステンレス鋼を主要素材として製造されています。フレームや台板,ハンドル及びキャスターなどで構成されます。
フレームは台車の基本的な骨組みとなる部分です。ステンレス鋼製のパイプやプレス板を使用して製造されます。フレームは耐久性と強度が需要であり、台車全体の安定性を保つ役割を果たします。
台板は荷物や物品を載せるための平らな板です。ステンレス鋼製であり、丈夫で滑らかな表面を有します。物品を乗せても変形しない強度があります。
キャスターは台車の移動を可能にするホイール部品です。ステンレス台車では、特に耐荷重性や耐久性,クリーン度が求められます。
ステンレス台車の選び方
ステンレス台車を選ぶ際は、以下の要素を考量することが重要です。
1. 耐荷重
耐荷重性能は台車が支持できる最大の荷重量を示す指標です。台車に乗せる予定の荷物の重量を考慮して選定する必要があり、余裕を持って支持できる耐荷重性能を選びます。安全性を確保するためには、台車の耐荷重性能が荷物の重量を超えないように選ぶことが重要です。
2. サイズ
台車に乗せる荷物の大きさや形状に応じて、適切なサイズを選びます。荷物と台車がしっかり収まるように、台車の寸法を確認することが重要です。また、通路やドアの幅に合わせて台車の幅を選定する必要もあります。
3. 段数
荷物を段ごとに整理する必要がある場合、段数が多い台車を選ぶと便利です。例えば、製造業の場合、異なる商品を分けて運搬するために複数の段数を有する台車を選ぶことがあります。ブレーキやハンドルの有無なども合わせて選定する必要があります。
4. キャスター材料
キャスター車輪の素材は使用場所や用途によって移動性や耐久性に影響します。汎用性の高いウレタン車輪,ナイロンウレタン車輪や水回りに強いナイロン車輪,半導体工場では導電ゴム,帯電防止ウレタン,オートクレーブ用には耐熱性のあるMCナイロン車輪などがあります。耐食性やクリーン度を重視する場合は、キャスター金具もステンレス製の製品を選定することも多いです。
本記事はステンレス台車を製造・販売する株式会社クラフトワーク様に監修を頂きました。
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