DfAM設計サービス

監修:Primal Design.Labo合同会社

DfAM設計サービスとは

DfAM設計サービスとは、主に3Dプリントのための設計手法であるDfAMを行うサービスです。

DfAMとは、Design for Additive Manufacturing (付加製造のための設計) の略称です。付加製造とは材料を積層しながら立体造形する製法を意味しており、今日では一般的に3Dプリントのことを指します。既存の3D CADによる設計の多くは、切削加工や射出成形といった従来工法が前提とした設計です。そのため、単にこれらを置き換えるだけでは、3Dプリンタならではの強みやメリットを最大限に発揮することは難しくなっていました。DfAMは、3Dプリンタ特有の検討事項を検討したり、3Dプリンタの機能を生かした設計を実現したりすることに活用されています。

DfAM設計サービスの使用用途

DfAM設計サービスは主に3Dプリンタによる造形を行うために活用されているサービスです。使用される主な用途・目的として、

  • 部品形状の最適化、軽量化、熱マネジメント
  • 複数部品の一体化 (従来工法で不可能な複雑な構造の実現)
  • 部素材の機能や構造の最適化解析

などが挙げられます。部品形状の最適化では、特定の力に耐え得る形状の造形などが可能であり、部品の軽量化では、部品の中身などをラティスと呼ばれる格子構造にすることで従来のパーツを軽量化させることが可能です。DfAMを用いて複数のパーツを統合させることにより、機能性を損わずに (或いは増幅して) 組立てパーツの数を減らすことができます。また、パーツの数を減らすことにより、複数パーツのアセンブリに関わる時間や組立コストを削減することが可能です。

これらの技術は、車両、航空機、宇宙工学、電子部品、工具など、様々な製造現場・分野で活用されています。また、人工骨やインプラントなどの医療分野でも使用されている技術です。

DfAM設計サービスの原理

1. 概要

DfAMは、3Dプリンタならではの設計を可能にする設計手法です。主な設計要素には

  • インフィルの設計
  • トポロジー最適化
  • ジェネレーティブデザイン

などが挙げられます。

また、設計時にパーツの形状 (壁の厚さや自立する形状など) が3Dプリントに適切であるかどうかをチェックし、データを修復 (ノイズや穴など) したり、編集 (サイズオーバー、反り防止など) したりする機能もあります。

2. インフィル

インフィルとは、3Dプリントにおいて製品の内部を埋めるために使用される素材の形状パターンや密度です。インフィルのパターンには格子状、ハニカム (蜂の巣)、線形など、さまざまな形状があります。代表的なインフィルの構造にはラティス構造とポーラス構造があります。3Dプリントにおいては、内部の密度を下げて造形速度を速くすることが可能です (インフィルレート調整) 。

  • ラティス構造とは、格子状の構造です。素材の使用量を削減しつつ軽量化と強度の両方を実現できることが特長です。
  • ポーラス構造とは、多くの小さな空隙 (ポーラス=孔) を持つスポンジや軽石のような構造です。物体の表面積を大きくすることができ、冷却効率が向上します。そのため、金属3Dプリンターで特に適用されています。また、骨に似た構造のため、人工骨やインプラントなど医療分野でも使用されます。

3. トポロジー最適化

トポロジー最適化とは、材料の配置を最適化する手法です。元となるデザインに対して負荷の条件を設定し、最適化シミュレーションが実行されます。使用する材料を少なく保ちながら、大きな強度を持つ製品を設計することができます。

4. ジェネレーティブデザイン

ジェネレーティブデザインは、AIやアルゴリズムなどを使用して、多数の設計案を生成する手法です。トポロジー最適化と組み合わせて使用されますが、トポロジー最適化がオリジナルのデザインをシミュレーションによって最適化するのに対し、ジェネレーティブデザインは目的と要件からデザインを生成します。

設計者は要件を入力し、システムがそれを満たす多様な設計案を提供するため、これまでの常識にとらわれない斬新な形状設計が可能であるとされます。

DfAM設計サービスの種類

DfAM設計サービスは、製品製造の様々なステップで活用することができます。具体的には

  • 工法・機種選定
  • 機構部設計
  • 形状の最適化
  • 部品点数削減
  • メタマテリアルやメカニカルマテリアルの提案

などのサービスがあります。

製品の構造や工法を最適化するほか、メタマテリアルやメカマテリアルなどの提案では、自然界には無い振る舞いをする構造体、及び、形状や材質を制御して目的の機械的振る舞いをする構造体を提案することが可能です。既存のCAD/CAMなどと連携するサービスも各種用意されています。

本記事はDfAM設計サービスを提供するPrimal Design.Labo合同会社様に監修を頂きました。

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