開閉器/接触器

開閉器/接触器とは開閉器

開閉器・接触器とは、接点を開閉することで電源の供給・遮断を制御する電気機器です。

英語ではスイッチと呼ばれます。低圧回路での代表的な開閉器/接触器は、電磁コイルで駆動する電磁開閉器/電磁接触器です。サーマルリレーが付属する場合は電磁開閉器と呼ばれ、付属しない場合は電磁接触器と呼ばれます。

開閉器/接触器の使用用途

開閉器/接触器は、産業用途として幅広く使用されます。以下は開閉器/接触器の使用用途一例です。

  • ポンプやファンのモーター駆動用
  • 電気ヒーターの通電・停止制御用
  • 産業装置全体のメイン電源制御用
  • 商業施設への高圧電源供給用

低圧モーターを駆動させる際、コイル短絡時に上位回路を保護するための短絡保護と、過負荷時にモーターを保護するための過電流保護を考える必要があります。電磁開閉器のサーマルリレーは過電流保護に適した特性を持つため、モーター駆動制御に多く使用されます。なお、低圧モーターではブレーカなどで短絡保護要件を満たすことが多いです。

低圧電気ヒーターの通電制御には、電磁接触器を使用することが多いです。電気ヒーターが負荷装置を持たず、負荷に応じた電流変化がなくサーマルリレーが不要なことが理由として挙げられます。メイン電源の制御にも、電磁接触器が適しています。

開閉器/接触器の原理

開閉器/接触器の代表例である電磁接触器は、端子、接点、鉄心・電磁コイル、ケーシングなどで構成されます。電磁開閉器の場合は、さらにサーマルリレーが付属します。

1. 端子

端子は配線と接続する部品です。製品によりますが、国内では丸端子で端末処理した配線をビスで堅牢に固定することがほとんどです。海外ではスプリングクランプ端子も多く使用されます。

2. 接点

接点は電気の通り道となる駆動部品です。大電流用途となるほど接点が大きく、または数が多くなります。

電気抵抗を低減目的で、接点には銀合金や金が使用されます。銀合金は電気抵抗も低いため、広く使用されます。金は銀合金よりも酸化しにくい特徴を有しますが、融点が低く高価なので微少負荷向けです。

電磁接触器内の接点には可動接点と固定接点があります。固定接点はケーシングなどに堅牢に固定されます。可動接点は可動鉄心と共に駆動し、固定接点と接触することで電気を通電させます。

低圧の電磁接触器の場合は補助接点を有する場合も多いです。補助接点は主接点と比較して許容電流が低いため、制御回路の状態表示やインターロックに使用します。

3. 鉄心・電磁コイル

鉄心・電磁コイルは制御電源を通電して可動接点を駆動させる部品です。鉄心には可動鉄心と固定鉄心があり、可動鉄心は可動接点と一体化しています。電磁コイルに制御電源を通電すると磁力を帯び、可動鉄心を固定鉄心へ引き寄せて駆動させます。

固定鉄心と可動鉄心は一般的にスプリングを間に引き離されており、普段は引き離された状態です。電磁コイルが制御電源で励磁した場合のみ引き合います。ただし、機械ラッチ式電磁接触器は励磁が終了しても導通状態を維持します。

4. ケーシング

ケーシングは内部の充電部を堅牢に保護しつつ絶縁する部品です。小・中容量の電磁接触器では裏面にDINレールマウント用コネクタが付属します。材料は堅牢で絶縁性の高い合成樹脂などが一般的に使用されます。

開閉器/接触器の種類

開閉器/接触器にはさまざまな種類の製品が販売されています。以下はその一例です。

1. 電磁接触器/電磁開閉器

電磁力で接点を駆動させる接触器/開閉器です。開閉器/接触器の中でも広く普及しており、主に低圧回路で使用されます。

2. 押釦開閉器

押釦開閉器は電磁力ではなく人力で接点を駆動させる接触器/開閉器です。駆動させた接点はOFFボタンを押すまでラッチ機構で保持されます。サーマルリレーは付属しませんが、押ボタン駆動の場合は開閉器と呼びます。

3. 気中区分開閉器

気中区分開閉器は高圧回路を負荷開閉するためのスイッチです。気中負荷開閉器またはPAS(Pole Air Switch)とも呼ばれます。送配電事業者と需要家の責任分界点に設置されることが多いです。

PAS本体は過負荷や地絡の保護機能を持たないため、SOG(Storage Over Current Ground)と共に設置する場合も多いです。

参考文献
https://elec-tech.info/whats-thermal-relay/
https://shimatake-web.com/contactor-difference/

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