マイクロメーターヘッド

マイクロメーターヘッドとは

マイクロメーターヘッド

マイクメーターヘッドは、マイクロメーターで測定対象を挟んで測定する際に、移動して、測定対象と触れる部分を指します。通常は、ヘッド部分のつまみを回転させることによって、測定対象を挟むようにして移動させます。目盛りが付いている製品が一般的で、目視で測定できるうえ、最近では、デジタル式のマイクロメーターヘッドが多く発売されています。先端部分は、通常は、円柱状になっていますが、円錐状や球面状、フランジ状などになっている製品もあります。

マイクロメーターヘッドの使用用途

マイクロメーターヘッドは、産業機器や製品の検品やメンテナンス、実験場や研究室などの試験物の寸法測定などに使用されます。ノギスなどで測定するよりも、高精度の測定が必要な製品で使用されます。マイクロメーターヘッドの選定の際には、測定精度や誤差の出やすさ、デジタル式かアナログ式か、メンテナンス性などを考慮する必要があります。マイクロメーターヘッドは、接触することによって測定するため、接触によって、形状が変形するゴムなどの測定には向いていないので注意が必要です。

マイクロメーターヘッドの原理

マイクロメーターヘッドの特徴を説明します。マイクロメーターヘッドは、測定部、スピンドル、取り付け部、目盛り付きのスリーブ、粗動つまみ、微動つまみなどで構成されています。粗動つまみ、微動つまみとスピンドルは、歯車によって、接続されており、つまみの回転に合わせてスピンドルが変動する機構になっています。微動つまみの部分にも目盛りが付いていることが一般的で、より微小な量の測定が可能になります。取り付け部では、ねじやナット、すり割りを使用する締付などの取り付け方法がある製品が発売されています。

読み取り時は、粗動つまみを動かすことによって、スピンドルを動かし、測定対象に軽く接触させます。その後、微動つまみを調整することで、測定対象に完全に接触させます。微動つまみは、接触後は、スピンドルが進まない機構になっており、完全に接触するまで回転させることができます。その後、スリーブに書かれている目盛りと、微動つまみ部に書かれている目盛りを調べることで測定することができます。 

マイクロメーターヘッドの使用例

マイクロメーターヘッドの使用例としては、多軸ステージ等の可動域の調整や、部品の検査治具など大量に検査する必要があるものに使用されます。

マイクロメーターヘッドクランプ

マイクロメーターヘッドをクランプとして使用する場合には、可動域に合わせたストッパを利用することで使用可能です。また、製品によりクランプ付きのものを選定するとよいでしょう。クランプ付きの製品を選定することにより操作の緩みを防ぐことができます。

マイクロメータヘッドの固定方法

マイクロメータヘッドの固定方法としては、マイクロメータヘッドの取り付け軸(ステム)がストレートタイプ、ナット付きタイプいずれかにより変わります。

  • ストレートタイプの固定方法
    軸受け側の部品をすり割り部品にし、取り付け軸に合わせネジ等でクランプして固定します。軸受け側の穴に取り付け軸を通し、止めねじで固定します。
  • ナット付きタイプの固定方法
    軸受け側の穴に取り付け軸を通し、取り付けられているナットで固定します。

マイクロメータヘッドの耐荷重

マイクロメータヘッドの耐荷重については、取り付け方法や、静荷重か動荷重か、作動させて使用するかストッパとして使用するかなど使用する条件により変わります。したがって、定量的な定めがありません。

一例として下記に推奨の耐荷重限度を記載します。

  • マイクロメータヘッドの耐荷重
    標準形(スピンドルピッチ0.5 mm): 4 kg程度まで
    高機能形 スピンドルピッチ0.1 mm/0.25 mm : 2 kg程度まで
    高機能形 スピンドルピッチ0.5 mm : 4 kg程度まで
    高機能形 スピンドルピッチ1.0 mm : 6 kg程度まで
    高機能形 スピンドルピッチ直進式 : 2 kg程度まで
    高機能形 MHF極微動用(差動機構付): 2 kg程度まで
  • 取り付け方法別静荷重
    締付ナット方式 : 8.63~9.8 kN(880~1000 kgf)で本体破損
    スリ割締付方式 : 0.69~0.98 kN(70~100 kgf)で取付金具より脱落
    ねじ止め方式 : 0.69~1.08 kN(70~110 kg)で止めねじ破損

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/micrometer.jsp

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