てこ式ダイヤルゲージとは
てこ式ダイヤルゲージは、小さな寸法の変位を測定するときに用いられる測定器です。測定にはてこの原理を応用するので、正確に微小な変化を測定することが可能です。したがって、特に高精度に寸法計測を行う必要がある場合に利用されることが多いです。
てこ式ダイヤルゲージは、通常スタンドに取り付けて使用されます。工場現場において、様々な精密機器に直接取り付けてその変位を測定し、品質管理やプロセスの検証に利用されることもあります。
てこ式ダイヤルゲージの使用用途
てこ式ダイヤルゲージは、ゲージの先端の測定子を対象に接触させるだけで、簡単に寸法の計測ができることから、製造した部品の簡便な検査に適用することができます。例えば、まず完成品でスタンドに固定したてこ式ダイヤルゲージの位置を決定しておけば、製造した部品を設置していくだけで、完成品とのサイズの差がわかります。
またてこ式ダイヤルゲージを用いて、回転物のひずみを検出することもできます。例えば、スタンドなどにてこ式ダイヤルゲージを固定して、それに接触させた状態で検査したい部品を回転させると、部品のゆがみを簡単に検出することができます。
旋盤作業における工作物の芯だし作業や、フライス盤作業におけるバイス取り付けの際にも、その高い分解能をいかして用いられています。
てこ式ダイヤルゲージの原理
てこ式ダイヤルゲージで寸法の変位を測定するには、まずゲージ先端に設置された測定子で変位を検出します。次にその変位に連動して動いた、てこの角度によって、反対側にある歯車が回転して微細な変位を計測します。
てこ式ダイヤルゲージは、数マイクロメートル単位の非常に高い分解能を有します。しかし測定範囲は小さく、また寸法の変化分がてこの回転運動になることから、寸法の変動が大きいと誤差が生じやすい、という問題があります。しかし、測定可能な範囲を超えた大きな負荷や動きが測定子にかかったとしても、優れた軸受構造をもつため壊れにくい、という長所もあります。実際に現場で使う場合、壊れにくい構造であることは非常に大きなメリットとなります。
マイクロメートルという微細な変位を正確に測定するダイヤルゲージは、通常その本体のみで使用することは難しく、固定する道具を必要とします。てこ式ダイヤルゲージは、通常アリ溝を挟む専用の爪を備えたスタンドで固定して使用されます。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/dial-gauge.jsp
http://www.tukaikata-labo.com/content/3730
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/sokuteikougukisokouza_0301/