リフロー炉

リフロー炉とは

リフロー炉

リフロー炉とは、ユニット基板製作において、プリント基板と電子部品をはんだで接着させるための加熱炉のことを言います。リフロー装置において全体のほとんどをリフロー炉が占めることから、リフロー炉をリフロー装置と呼ばれることもあります。

リフロー炉は基板実装時に150℃~230℃程度まで昇温されます。また、はんだには、鉛が入っているものと入っていないものがあり、使うはんだによって使用温度の範囲が変わります。

リフロー炉の使用用途

リフロー炉はユニット基板製作においてプリント基板と電子部品をはんだで接着させるための加熱炉として使用されます。主にリフロー装置にてメインの機能として使用されます。

プリント基板に部品をはんだ付けする際、実際に人の手ではんだこてを用いて電子部品を接着させる方法がありますが、部品点数が多い場合や接着させる電子部品との接着面が極めて小さい場合は非常に難しい作業となります。近年は回路の高集積化により実装部品の小型化、実装部品の密集化が進み、人の手ではんだ付けすることで接着不足やショートが起こることも懸念されています。そのため、精密な表面実装が可能なリフロー装置を利用することで、確実な基板組み立てが可能になります。

リフロー炉の原理

まず、リフロー炉内の温度が昇温される原理について説明します。リフロー炉は炉内に熱風を流入することで温度を上げています。また、熱風の流入にはさまざまな方式がありますが、リフロー炉の昇温には衝突噴流というやり方で熱風を吹き付けます。基板に対して垂直な方向から熱風を吹き付けることで、基板に衝突した温度の高い空気と動きの止まっている空気が摩擦を起こし基板の温度が昇温されるというメカニズムです。

続いて、リフロー炉にて基板と電子部品が接着される原理について説明します。リフロー炉を加熱する際、まず基板上にはんだが載り、さらにその上に電子部品が載った状態となっています。その状態からリフロー炉を昇温することではんだが溶けていき、はんだの上に載った部品が沈むように基板に密着していきます。基板上の全ての部品が基板に密着した後、リフロー炉の温度が降温され、はんだが固体化し、基板と電子部品が接着されるという原理です。

その他のリフロー炉の情報

1. フロー炉とリフロー炉の違い

フロー炉は、フローハンダを行う際に用いる装置です。 フローハンダは溶融したはんだが格納されたはんだ槽に、その上を基板を通過させることではんだ付けを行うフロー方法です。フローハンダを行うためにははんだ槽が必要となり、結果的に装置が大型化しやすい傾向があります。

一方、リフローハンダははんだ槽を必要としません。予め基板表面または部品裏面にクリームハンダと呼ばれるペースト状のハンダを塗布しておきます。クリームハンダを塗布した状態で、基板をリフロー炉を通すことで、ペースト状だったハンダが、金属化し部品と基板を接合します。クリームハンダは一見、溶けているはんだに見えますが、実体は数ミクロンの細かいはんだとフラックスが混ざった状態のものです。これをメタルマスクを介して基板上に塗布し、加熱することで初めてハンダ同士が接合され、金属化します。

フロー炉とリフロー炉では工程も違えば必要とするはんだのタイプも異なります。

2. リフロー炉内をN2ガスで充填する

炉内に多くの酸素が存在すると、加熱された酸素がハンダペーストと接触します。ペーストに含まれているロジンと呼ばれる物質は酸化されやすく、ロジンが酸化されるとペースト中のハンダ粉末、ひいては部品のリードや基板のパッドも酸化されてしまいます。そこで、炉内に窒素ガス(N2)を充填することで、炉内の酸素濃度を下げるという選択肢があります。

しかし、窒素ガスを用いることで、仮にはんだとリード間の接合が不十分であってもO2濃度低下作用による、表面的にはきれいなフィレット外観のために検査をすり抜けてしまうこともあり、窒素を使うかどうかは製造部門と設計部門、場合によっては委託業者と協議のうえ決定する必要があります。

3. 卓上リフロー炉で自宅でもリフローが可能に

従来の卓上リフロー炉は卓上型とはいえまだまだ大物ばかりで、スペース的な制約条件や価格面から自宅に置くことが困難でした。

しかし、近年の卓上リフロー炉の需要の高まりから、外形W110×D127×H16の小型卓上リフロー炉が登場していることをご存知でしょうか。価格面も従来品とは異なり安価で提供されており、最小の卓上リフロー炉であれが税抜き価格で10万円を下回るものも登場しています。

参考文献
https://www.adogawa.co.jp/cat_mounting/5336.html
https://www.adogawa.co.jp/cat_mounting/5336.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000034568.html

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