護岸ブロックとは
護岸ブロックとは、河川や海岸の斜面を保護するために設置されるコンクリート製の構造物です。
流水や波によって堤防などの土砂が削り取られる事象を防ぎます。一般的にコンクリートが材料であり、耐久性が高いため、長期間にわたり水辺の安全を維持する能力を有します。かつてはコンクリートで斜面を平坦に覆う工法が多く見られましたが、現在はブロックを組み合わせる施工方法が主流です。
ブロック同士を連結させることで地盤の動きにも追従するため、全体を一体化させるよりも破損するリスクを分散できます。また、表面に凹凸を設けて水流の勢いを弱めたり、植物が育つ隙間を意図的に設けたりする製品も増えてきました。施工面においても、工場で製造した製品を現場で並べるため工期短縮に寄与します。
護岸ブロックの使用用途
護岸ブロックは以下の用途で使用します。
1. 河川の堤防・河岸
河川では流水による浸食作用から堤防や河岸を保護するために設置します。特に水の流れが速い場所やカーブの外側は土砂が削り取られるリスクが高いため、重量のある護岸ブロックで斜面を覆う必要があります。洪水発生時には、激しい水流が堤防を突き崩すのを防ぎ、流域に住む人々を守る重要な役割を担います。
2. 海岸線・港湾施設
海岸線においては絶え間なく打ち寄せる波のエネルギーを減衰させ、陸地が削られるのを防ぐために活用します。潮の満ち引きや荒天時の波浪に常にさらされるため、河川用よりも高い強度と耐久性が要求される環境です。護岸ブロックによって海岸堤防を補強することで、高潮や津波による被害を最小限に抑え、背後にある道路や住宅地の安全を確保します。
3. 農業用水路・調整池
農業用水路や都市部の調整池といった、水を管理する施設でも使用される場合があります。水路の壁面や底面をコンクリートブロックで固めることにより、水流による摩耗を防ぎます。土の斜面が崩れて水路が埋まるのを防ぐため、農作業の効率化や維持管理コストの削減に直結します。住宅地に隣接する調整池には、万が一人が入っても滑りにくい表面加工が施された製品が選好されます。