sus410

sus410とは

sus410はステンレス鋼の一種で、マルテンサイト系ステンレスに属します。

クロムが13%含まれているため、13クロムステンレス鋼とも呼ばれており、耐摩耗性・切削性に優れる特徴があります。

成分の大部分は鉄で約87%を占めており、その中に含まれる炭素量が豊富なため、焼き入れ・焼き戻しなどの熱処理が可能であり、加工により高強度を得られる素材です。

溶接すると溶接部に焼きが入って硬くなると同時に脆くなり、靭性・延性が低下する性質があるため注意が必要です。

鉄が大部分のため磁性があり、磁石にくっつく特性を持ちます。

多く流通しており汎用性が高い金属ですが、耐食性がステンレス鋼の中で最も劣ることが難点でしょう。

ステンレスを錆びにくくする被膜を形成するクロムが、最低限の量しか含まれておらず空気中では錆びにくい面がある一方で、水や水溶液に接する場合の耐食性は不十分です。

そのため、比較的弱い腐食環境下での使用が望ましい金属です。

sus410の使用用途

sus410は耐食性には劣るものの、建築土木分野・一般機械部品・調理器具など幅広い分野で使われています。

1. 建築土木分野

特に有名なものは、ドリルビス・コーススレッドの素材として多く使用されていることです。
焼き入れによって硬度が非常に高くなっており、硬いボードにも下穴を開ける必要がなく打ち込める点が、使用者に好まれています。
またその硬さによってドライバーの刃先がネジ穴を潰しにくく、多少無理にでも打ち込めるというメリットもあります。

2. 一般機械部品

ベアリング、バルブシート、ポンプシャフトなどに活用されています。
他にも工具類にも使用されており、製造業・手芸など細かい作業で使うピンセットや精密ハサミが挙げられます。

3. 調理器具

刃物や業務用の鍋の素材に使われています。
硬い金属ですがステンレスの中では中程度の硬さのため、大型の刃物には適さずナイフほどの小型の刃物の素材に用いられています。

4. その他の用途

特殊な使用方法ですがステンレス粉として、金属3Dプリンターで部品を作成する際に用いられている場合もあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です