プリセットカウンタとは
プリセットカウンタ (英: Preset Counter) とは、特定の数値をカウントして、設定した数値に達すると制御出力を発信するカウンタです。
機械や装置の動作を制御するために使用されます。プリセットカウンタは機械や装置の自動化において重要な役割を果たします。事前に設定された数値に達したときに自動的に次のアクションを実行するため、作業者の介入が不要です。
これにより、生産ラインやプロセスがスムーズに進行して生産性が向上します。また、非常に正確なに数値をカウントする機器です。人間のエラーやミスを排除し、常に正確な数値を追跡します。また、プリセットされた条件や数値に基づいて一貫した制御を提供するため、作業の品質や一貫性も向上します。
プリセットカウンタは、産業機械の効率化や生産性向上に貢献する重要な要素の1つです。したがって、産業機械やプロセスの制御において広く使用されます。
プリセットカウンタの使用用途
プリセットカウンタは、さまざまな産業機械やプロセスで使用されます。以下は代表的な使用用途一例です。
1. 自動車産業
車の製造ラインでは、プリセットカウンタが各工程で使用されることが多いです。ボディの溶接工程では、特定の数の溶接ポイントが完了すると次の工程である塗装工程に進むように制御されます。
また、組み立て工場ではプリセットカウンタが部品の供給管理に使用されます。特定の部品の在庫が一定数以下になるとカウンタが増加し、自動的に部品の発注されます。
2. 食品加工産業
食品加工工場では、プリセットカウンタが品質管理に使用されることも多いです。製品の重量やサイズを測定し、特定の基準に合致する製品の数をカウントします。一定数に達した時点で品質確認のためのサンプリングや検査が実行されます。
また、パッケージラインでも広く使用される機器です。ライン上の製品数をカウントし、特定の数に達したら自動的にパッケージングやラベリングを行うように制御されます。
3. 電子機器製造
電子機器の製造ラインでは、プリセットカウンタが検査ステップに使用される場合も多いです。各製品が通過する際にカウンタが増加し、一定数の製品が検査されると、自動的に品質チェックや不良品排除のアクションがトリガーされます。
プリセットカウンタの原理
プリセットカウンタは、デジタル回路やマイクロプロセッサなどの電子デバイスを使用して再現されます。一般的なプリセットカウンタの基本原理は初期値、カウント、リセットなどです。
プリセットカウンタは最初に、特定の初期値で初期化されます。初期値は特定の数値に到達するまでのカウント回数を示すことが多いです。その後、パルスなどの入力信号を検知してカウントアップします。
入力信号が検知されるたびにカウントを増加させ、現在のカウント値と事前に設定された目標値を比較します。カウンタが事前に設定された目標値に到達していない場合は、カウントが続行されます。目標値に到達した場合に、特定の制御命令が発信されるのが一般的です。
カウンタが目標値に到達した後、必要に応じてリセットされることがあります。リセットによって再度初期化され、新たなカウントサイクルが開始されます。
プリセットカウンタの選び方
プリセットカウンタの選ぶ際は、以下の要素を考慮することが必要です。
1. 段数
プリセットカウンタが動作する段数を考慮します。段数とはカウントに対して設定する目標値の数であり、用途に応じて選定します。一般的に、プリセットカウンタは1段または2段程度の製品が多いです。
2. 電圧
プリセットカウンタに使用する電圧を選定します。AC電源の場合はAC100V~240V程度のフリー電源が多いです。DC電源の場合はDC12~48V程度の制御用低電圧対応製品がほとんどです。
3. 出力方式
プリセットカウンタの場合、ほとんどはデジタル出力です。デジタル出力には接点出力とトランジスタ出力が存在します。用途に応じて2つの出力方式を使い分けます。
大電流用途の場合や、設置場所が高温の場合は接点出力が有利です。出力回数が多い場合はトランジスタ出力を選定します。
4. 端子構造
プリセットカウンタの配線端子を選定します。ピン方式と端子台方式から選定する場合が一般的です。ピン方式の場合は8ピンや11ピンなどの種類があります。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicetr1965/14/6/14_6_713/_pdf/-char/en