ブースターポンプとは
ブースターポンプは、他の真空ポンプなどと同時に使用することにより、大きな排出速度を生み出すためにポンプになります。単体で大気圧下の使用はできません。同時に使用するポンプが供給する圧力の大きさによって、排出する速度や圧力が変動するので、変動率などを正しく調べてから装置などへ導入する必要があります。ポンプが動作する時は、輸送する流体の体積を変化させることによって、流体を輸送する容積式のポンプが主に使用されます。
ブースターポンプの使用用途
ブースターポンプは、住宅や施設の設備、生産工場などで使用されます。住宅や施設では、建物の最上階に貯水タンクを設置せずに、ブースターポンプの引き上げによって最上階まで水道水を輸送するときに使用されます。これにより、保守や点検、スペースの削減ができます。また、生産工場では、真空ポンプの空気排出速度の向上の面で使用されます。それにより、半導体の製造や真空梱包、真空乾燥などの生産性を向上させることができます。
ブースターポンプの原理
ブースターポンプの動作原理を説明します。ブースターポンプは、吸い込み口と吐き出し口が付いている容器の中に、繭のような形をした2つのロータがあり、そのロータにモータが接続されている構造になります。製品によっては、逆流防止弁や流量の制御にための圧力センサや制御盤が付属されています。
動作時は、吸い込み口から吸入した流体を2つのロータが回転します。回転した場合、ロータ間の隙間に流体が入り込み、回転と共にその流体が圧縮され、吐き出し口側に移動し、加速した状態で吐き出されます。このローターは外部からの流体の流入がなければ、空転するのみで流体の排出が行えません。圧力センサや制御盤が搭載されているブースターポンプでは、吸い込み口と吐き出し口の圧力差と入力値によって、歯車の回転数を調整し、吐き出し速度や圧力を入力値に近づけるフィードバック制御を行います。回転の仕組み上、逆流も可能となるため、逆流防止弁付属の製品や、逆流が起きないシステムで使用する必要があります。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/23/12/23_12_729/_pdf
https://ulvac-kiko.com/support/pump07_mechanical.html