チューブマーカーとは
チューブマーカーとは、ケーブル、電線、チューブなどに線番などを印字することができるプリンターです。
チューブプリンター、マークプリンター、ケーブルIDプリンターなどの別名があります。電気配線やエアー配管には、線番などを印字したマークチューブをつける必要があり、チューブマーカーはその印字のために使用される機械です。マークチューブ・電線・ケーブルへの印字の他、テープ・ラベルへの印字が可能なものもあります。
チューブマーカーの使用用途
チューブマーカーは、配線ミスを防いだり、保守作業を容易にしたりする目的で使用されます。主には、
- 電気設備
- 制御盤・配電盤 (発電設備、送電設備、産業用ロボット、工作機械、鉄道、航空機、船舶、家電)
- コントロールボックス (モーターやアクチュエーター等のハーネスや、自動車、オートバイ)
- LAN配線
- 計装・プラント工事
のような分野で使用されています。チューブマーカーの用途は、これらの分野において、端子台などに接続される電線の線番や記号をチューブやラベルに印字することです。チューブマーカーで印字された認識番号は視認性が良く、回路を整理整頓することができます。図面と対応させて一本一本の電線がどこと接続されているのかを明示することで、端子台・回路全体の見通しが良くなり、保守点検や確認作業が効率化されます。
電線の他、エアーチューブ・油圧配管などの認識番号の印字に用いられることがあります。
チューブマーカーの原理
1. 基本的な印字機能
一般的なチューブマーカーは、据え置き型と、持ち運びのできるポータブルタイプに二分されます。ポータブルタイプはちょうどテプラⓇのような、キーボードタイプのラベルライターに類似した形状です。
印字方式には、熱転写方式が用いられ、サーマルヘッド方式やホットスタンプ方式などが中心です。解像度は300dpi程度の製品が多く、PVCチューブ及び熱収縮チューブなどへの印字に対応しています。製品にもよりますが、マークチューブは様々な太さがあることから、チューブマーカーも内径Φ1.5 mm~Φ10 mmなどの幅広い太さに対応していることが多いです。製品によっては、チューブ以外に、ラベルテープや端子記銘板などへの印字が可能です。数字とアルファベットのみの印字の機種もありますが、近年ではJIS第1水準、JIS第2水準の文字種に対応している機種もあります。
2. その他付随機能
チューブウォーマーが内蔵されている機種では、冬場の低温下のマーキング作業でもチューブを温めることでチューブの硬化を防ぎ、綺麗な印字を保つことができます。可動式の自動チューブ送り・切断ユニットが組み込まれているケースが多いです。
また、USBメモリを外部記憶媒体に採用している機種では、データの取り込みや外部保存を容易に行うことが可能です。PCでのデータ作成に対応している機種もあります。動作の環境条件としては最低温度が5℃〜15℃、最高温度35℃程度である商品が多いです。また、大型のバックライトディスプレイが搭載されているものも多く、見やすさも増しています。
チューブマーカーの種類
チューブマーカーには、前述の通り据え置き型とポータブル型があります。通常、据え置き型が重量10kg以上、ポータブル型は重量約3kgです。ACアダプタの他、ポータブル型は単3形などの充電池などを使用することができます。機能面では、マークチューブのみに印字が可能なチューブ印字専用機種と、前述の通りラベルなどの作製も可能な多機能機種とがあるため、注意が必要です。印字フォントなども機種によって異なっており、選定の際に確認しておくと良いと考えられます。
製品によってはインターフェイス接続で、電線加工機と連動が可能なものもあります。用途や目的に合わせて適切なものを選定することが必要です。
参考文献