ヒーター

ヒーターとは

ヒーター

ヒーターとは、熱を発生させる装置全般を指す言葉です。

英語では「Heater」または「Heating Unit」表記されます。日本語では、加熱器や暖房器具です。

燃料を燃焼させて輻射熱を得る種類は安価なため、家電としても広く用いられます。産業においても加工や組立においても必須の装置です。

ヒーターの使用用途

ヒーターは家電製品から産業まで幅広く使用される装置です。以下はヒーターの使用用途一例です。

1. 盤用ヒーター

氷点下の寒冷地では、制御盤内部部品が結露または凍結する場合も少なくありません。盤用ヒーターによって、内部温度を一定に保たなければならないことがあります。スペースヒーターも同義で、発電機などの内部に設置されるケースも多いです。

2. 配管ヒーター

水道配管などの凍結を防止するために使用されるヒーターです。凍結防止ヒーターや凍結防止帯、トレースヒーターなどとも呼ばれます。主にテープヒーターベルトヒーターが使用されます。

3. 工業用ヒーター

工業用として原料や製品を加熱するヒーターです。使用される原理は異なり、誘導加熱や誘電加熱のような非接触ヒーターも使用されます。

用途もさまざまで、回転機器の軸受脱着用のベアリングヒータなどがあります。押出し機や成形加工機には、鋳込みヒーターなどが使われます。

4. 家庭用ヒーター

家庭で暖房などに使用されるヒーターです。エアコンやファンヒータなどが代表例です。セラミックヒータが使用される場合もあります。また調理用である電子レンジやトースターもヒーターの一種です。

ヒーターの原理

ヒーターはさまざまな原理で対象物を加熱します。以下はヒーターの加熱原理一例です。

1. 抵抗加熱

抵抗加熱は、抵抗に電流を流し、ジュール熱を発生させる方式です。発熱体としてニクロム線などを使用します。発熱体をパイプなどの金属のシースに入れ、その間を絶縁物で満たした構造の製品が多いです。

2. 誘導加熱

コイルによって磁束を発生・変化させることで、渦電流を発生させて対象物を加熱する方式です。調理用のIHヒーターなどが代表的な応用例です。非接触で加熱可能ですが、加熱対象物は主に導電性材料です。

3. 誘電加熱

周波数が高い電圧を印可することで、分子を揺さぶり摩擦熱を発生させて加熱する方式です。電子レンジなどが誘電加熱の応用例です。非接触で加熱可能で、非導電性材料を加熱するために使用されます。

4. ヒートポンプ

熱源と熱交換することで加熱する方式です。エアコンや給湯器などが代表例です。エアコンなどは冷媒を圧縮した凝縮熱によって室内熱交換器を加熱することで、室内に熱を加えています。

ヒーターの種類

ヒーターの種類は熱の発生原因や用途で分類され、さまざまな種類があります。また、熱の伝導方法によっても分類されます。抵抗加熱による加熱方式としては対流式、伝導式、輻射式などがあります。

1. 対流式ヒーター

空気を直接暖めて対流させる方式です。温風によって乾燥したり、埃が舞ったりするなどのデメリットもあります。ただし、すぐに暖かくなるのが特徴です。石油ファンヒーターやセラミックファンヒーターなどがあります。

2. 伝導式ヒーター

熱を直接触れることで伝える方式です。接触部分のみ暖めることができます。対流式に比べると消費電力が少ないのが特徴です。ホットカーペットや電気毛布などがあります。

3. 輻射式ヒーター

電磁波である赤外線や熱を放出することにより温める方式です。無風かつ静音で、じんわりくる暖かさが特徴です。カーボンヒーターやオイルヒーターなどがあります。

ヒーターのその他情報

ヒーターの省エネルギー技術

ヒーターの消費エネルギーを抑制して効果的に使うことで、省エネルギーにつながります。一般的には遮熱シート断熱材を活用して熱を外部へ逃さないことで、省エネルギーする手法が取られます。電圧制御などによる温度制御を実施することで、省エネルギーに寄与する場合もあります。

また、高度な温度制御は作業環境の改善や製品加工精度向上にも寄与します。加熱対象が水や油などの液体の場合は、液体の特性や目的温度に応じた温度制御が必要です。固体を加熱する場合は、温度制御が品質の重要な要素になります。

参考文献
https://www.hakko.co.jp/qa/qa_0_01.htm
https://getnavi.jp/homeappliances/320883/
https://www.nichinetu.co.jp/elementary/

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