高圧継手

高圧継手とは

高圧継手とは、高い圧力がかかる配管同士を安全かつ確実に接続する部品です。

内部を流れる流体の圧力が高い場合、通常の継手では破損や漏れが発生するリスクがあります。そのような過酷な環境下でも使用できるように設計された部品が高圧継手です。一般的に炭素鋼やステンレス鋼といった強度の高い金属材料が用いられ、高い内圧に耐えうるように肉厚で堅牢な形状に加工されています。

高圧配管では、わずかな接続不良や部材の欠陥が重大な事故につながる可能性があります。そのため、高圧継手には厳格な寸法精度と材料の均質性が担保されています。また、単に直線的に管をつなぐだけでなく、エルボやチーズなどの多様な形状で販売されています。高圧継手は機械装置の安定稼働を支える重要な部品のひとつです。

高圧継手の使用用途

高圧継手は以下のような用途で使用します。

1. 建設・産業機械

油圧ショベルやクレーン車などの建設機械、あるいは工場で使用されるプレス機などの産業機械において、高圧継手は不可欠な存在です。これらの機械は油の圧力を利用して巨大な動力を伝達・制御しており、その配管内部には常に高い負荷がかかります。油漏れによる圧力低下は機械の動作不良や事故に直結するため、堅牢な高圧継手を用いて油圧回路の気密性を確保します。

2. 化学プラント

化学薬品を製造するプラントや石油精製施設では、様々な種類の液体やガスを高圧状態で扱います。中には引火性の高いガスや人体に有害な化学物質が含まれるケースもあり、配管からの漏洩は爆発事故や環境汚染といった深刻な災害を引き起こす原因となります。このような危険性の高い流体を安全に移送するために高圧継手を選定します。

3. 発電所

火力発電所や原子力発電所などのエネルギー関連施設においても、高圧継手は重要な役割を果たします。火力発電所ではボイラーで発生させた高温高圧の蒸気をタービンへ送り込むことで電力を生み出します。この蒸気配管の接続部は高い圧力に加えて、激しい熱膨張と収縮にさらされる過酷な環境です。したがって、熱的ストレスと圧力の両方に耐えうる高品質な高圧継手が採用されます。