カウンタとは
カウンタとは、数を数える装置や道具または部品を指します。英語のCountが語源です。
数を数える場合、少ない数であれば簡単に数えられて記憶させることもできますが、数が多くなると記憶力だけでは困難になります。そのため、人間の代わりに数を正しく数えてくれる機器がカウンタです。
カウンタの使用用途
人が数を覚えておくために使用するカウンタは数取器などと呼ばれます。交通量調査で車の通過台数を数える場合などに使用します。現在は、スマートフォンアプリなどで数取器を代替することも可能です。
電気部品として産業用機器に組み込まれるカウンタも存在します。デジタルカウンタと呼ばれ、主に生産現場の制御盤内部に使用されます。1バッチに複数回同じ動作を行う場合には、デジタルカウンタを使用して自動化を測ることが可能です。
カウンタの種類
デジタルカウンタには、プリセットカウンタやトータルカウンタがあります。
1. プリセットカウンタ
あらかじめセットされた数値にカウント数が達したときに制御信号出力します。
入力信号はパルス信号や接点開閉信号が一般的です。出力信号は接点出力やトランジスタ出力などのデジタル信号が使用されます。
カウンタの出力を停止したい場合には、リセット処理を実施します。リセット処理は、押ボタンやリセット端子短絡などでできます。
プリセットカウンタは、カウンタ自体に電気を供給する補助電源を必要とする製品も多いです。補助電源は交流電源や直流電源などを選んで購入します。
2. トータルカウンタ
カウント値を表示する機能のみを持ったカウンタです。接点やパルスの入力をカウントし、出力画面に表示します。
トータルカウンタもリセット処理を実施することで表示を0に戻せます。リセット処理はプリセットカウンタ同様に押ボタンやリセット端子で行います。
トータルカウンタは、電池を内蔵して補助電源を不要とする製品も多く販売されています。上記以外にも、接点出力の継続時間を測定するタイムカウンタなども存在します。
また、信号の入力ごとにカウント値が増えていく加算カウンタと、逆に減っていく減算カウンタなどもあります。カウンタは種類も多く仕様も様々なので、用途に応じたものを的確に選定する必要があります。
カウンタの原理
数取り器の場合は、押ボタンの人力で文字車を回して出力します。内部回路は歯車で文字車を駆動させるのみで、リセットボタンも人力で文字車を0に戻します。
デジタルカウンタは主に、「カウント値を表示するための表示部」、「入力信号を受信して動作を行う内部回路」、「数値のリセットやプリセットを行うための操作部」の3つに分けられます。
押ボタンによる入力や、センサなどを用いたデジタル入力など、様々な方法で入力信号をカウンタへと送信します。デジタルカウンタは接点による入力が一般的です。接点付き押ボタンを使用すれば、押ボタンによる入力に変換することもできます。
内部回路は常に現在の値を保持します。初期値の一般的に0ですが、任意に設定することも可能です。入力信号を受信したカウンタの内部回路は、現在値に+1した値を表示部に表示します。
プリセットカウンタを使用した場合、プリセットを行うことで出力信号を発信することが可能です。設定値と現在値の比較を行い、設定値と等しい場合は出力信号を出力します。
動作が終了すると、カウンタは入力信号の入力待ち状態となり、次の動作に備えます。これら一連の動作を繰り返し行うことで数をカウントし、その数を表示部に表示し続けます。
表示部分には文字車による表示や、デジタル表示などの種類があります。文字車で表示するものは多くが電磁カウンタと呼ばれ、電磁石で文字車を回します。電磁カウンタの場合は、電源がなくとも表示を保持するメリットがあります。
近年はデジタル表示のカウンタも多く使用されます。デジタル表示の場合は電源を必要としますが、発光するものは暗い中でも見やすいという利点があります。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/counter_tg_j_1_2.pdf