ガウスメーター

ガウスメーターとは

ガウスメーター

ガウスメーターとは、磁力を測定するための計測機器です。

磁力とは電気的力の1つで、電気を帯びた粒子が運動して電流となり、電流から生まれる力を指します。具体的には、磁石同士が近づいた際に、お互いに引きつけあったり反発しあったりする力です。一般的に磁力は、ある場所における単位面積あたりの磁束の量を示す磁束密度によって定義されます。

ガウスメーターを使用する際には、測定したい場所や測定対象の種類によって、平板型プローブおよび円筒型プローブから形状と大きさを適切に選択して測定します。なお、ガウスメーターと同様に、磁力を測定する計測機器にテスラメーターがありますが、テスラメーターも同じ原理を用いた測定機器です。

ガウスメーターの使用用途

一般的に下記の用途に利用されています。

  •  環境磁力の測定
  •  永久磁石の磁力測定およびN/S極判別
  •  自然界における地磁気の測定
  •  磁性材料の特性検査
  •  そのほか磁性体や、磁力に関係する科学研究

ガウスメーターは測定環境により、プローブを適切に選択して使用しなければなりません。測定プローブには、主に平板型と円筒型の2種類があります。平板型プローブは狭い隙間での測定や直線的な磁場の測定に適しており、円筒型プローブは小型コイルの磁力測定などに適しています。

ガウスメーターの原理

ガウスメーターは、ホール効果を利用しています。ホール効果とは、半導体に磁場を印加し、それに直行する方向で電流を流すと、磁場の大きさに比例して電流に直行する電圧が生じる現象のことです。また、ホール効果が見られる物質は、ホール素子と呼ばれます。

ガウスメーターは、ホール素子でできたプローブに一定量の電流を流し、測定したい箇所にプローブを設置したときに観測される電圧の大きさから磁力を測定します。

ガウスメーターの種類

ガウスメーターには、小型軽量のポータブル型と、比較的大型の据え置き型があります。ポータブル型は場所を選ばず測定が可能ですが、高い精度の測定には適切ではありません。一方据え置き型は、測定場所がある程度限定されますが、高い精度で広いレンジにおける磁力測定が可能です。

プローブの形状とあわせて、測定場所や測定試料の形状、測定環境にあわせて適切な機種を選択して使用します。

ガウスメーターに関するその他情報

1. ガウスメーターの使用例

ガウスメーターが一般に使われている例に、玩具のミニ四駆があります。ミニ四駆はモーターで走行する玩具です。専用コースで速さを競う大会なども開催されており、その際にモーターの強さが勝負のカギを握ります。そこでガウスメーターが、モーターの選別に用いられています。

モーター内部にはコイルがあり、コイルは電線が巻き付けられたものです。一般的に電線が多く巻かれていればいるほどモーターは強い力を出すことが可能となり、早く回転できます。さらに、多くきれいに巻かれているほど強い磁力を放ちます。つまり、ガウスメーターでモーターから発せられる磁力を測定することで、電線が多く・きれいに巻かれているかどうか判断することが可能です。

2. ガウスメーターのスマートフォンアプリ

ガウスメーターは、スマートフォンアプリとして配信されているものもあります。最近のスマートフォンには自分が向いている方角を測定するアプリ (方位磁石アプリ) が標準搭載されていることが多いですが、内部の磁気センサーを用いて方位を算出しています。

スマートフォンアプリ版のガウスメーターの測定原理は、この磁気センサーで周囲の磁気を検知し、磁力を測定するものです。計測器のガウスメーターのように専用のコイルを使った磁力測定ではないため、正しい磁力測定には向いていません。

さらに、スマートフォン自体も電磁波を放っており、磁力センサーに影響を及ぼす可能性がある点も、スマートフォンのアプリが正確な磁力測定には向いていない理由の1つです。正確な磁力を測定したい場合は、市販のガウスメーターを用いることが大切です。

参考文献
https://www.toyo.co.jp/files/user/img/products/material/pdf/7166_ext_06_0.pdf
https://ekuippmagazine.com/measuring/gauss-teslameter/
https://www.magnix.com/product/gauss_ads.htm
https://denjiha.macco.co.jp/blog/apli
http://blog.livedoor.jp/yakiu_mini4wd_/archives/7593699.html

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