傾斜計

傾斜計とは

傾斜計

傾斜計は、傾斜の角度を測定するための装置になります。

振り子によって位置を推定する振り子式と、流体とガスに満たされた容器内部にあるフロートの静電容量の変化量によって測定するフロート式があります。

傾斜計は、加速度の変化に対応していない製品が多いため、頻繁に振動が生じている環境での使用には適していません。加速度が発生する自動車などに搭載する場合には、ジャイロセンサーを使用して水平を担保する必要があります。

傾斜計の使用用途

傾斜計は、ビルや大型の施設、高所作業などが生じる建設現場などで使用されます。地盤の水平を測定することにより、建物の土台の寸法を決定する場合や、高所で作業するクレーン車などの土台を設置する際に、水平を担保することにより、転倒を防止するために使用されます。

傾斜計の選定の際には、傾斜を測定する方法や、精度、測定までの所与時間、温度などの使用環境、他の機器との接続性などを考慮する必要があります。

傾斜計の原理

傾斜計の測定原理を、振り子式とフロート式に分けて説明します。傾斜計には、水平を測定する部品のほかに、測定した値を出力するための接続端子や、表示部、制御盤などで構成されています。

  • 振り子式
    振り子式は、磁石が付いている振り子、磁力の変化を検知するための磁気センサ、微小な振動を抑制するためのオイルなどで構成されています。測定時は、振り子が重力によって地球の中心に向かって揺れており、その振動の中心位置と磁気センサの位置の距離によって変化する磁力の値によって、傾斜計の設置場所がどの程度の傾きかを測定します。
  • フロート式
    フロート式は、円形の容器内部にガスと液体が同体積で密閉されており、その中に電極として機能する2つのプレートがある構造となっています。測定時は、液面が傾斜角に応じて傾き、その傾きによって、プレートの静電容量が変化し、その変化量を測定することによって、傾斜角を測定します。非常に高温の場合では、液体が気化する可能性があり、正確な測定ができない可能性があるため、注意が必要です。 

参考文献
https://www.jcmanet.or.jp/wp-content/uploads/2017/03/1fe60fa1769b5144036195f2b900813b-1.pdf
http://www.pacico.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/pacico_cat12p_201609_dic121.pdf

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