伝送器

伝送器とは

伝送器とは、センサなどで測定した情報を他の機械に伝送するための装置です。

主に伝送される物理量としては、圧力や差圧、圧力変動などの圧力に関する情報が一般的です。伝送の方法としては、空気圧を変化させることによって伝送する空気圧信号形式と、電気信号と伝送線を用いて伝送する電気信号形式、光ファイバーケーブルを使用した光信号形式があります。

伝送器の使用用途

伝送器は、プラントや浄水場、排水処理場などで使用されます。パイプやダクトなどに接続し、それらを流れる流体の圧力や液位、流量、温度などの情報を計測し、外部の装置に伝送します。

伝送器の選定の際には、測定範囲、測定精度、伝達方法などの考慮が必要です。一部の製品では、プロセッサが内部に搭載されており、測定した情報をもとにその他の装置の動作のスイッチや制御の役割を果たすものもあります。

伝送器の原理

伝送器は、圧力などを測定するためのセンサ部とセンサの情報を電気信号に変換する処理部、変換した電気信号を伝送するための伝送部で構成されています。

動作時は、ダイヤフラムやサーモパイル、振動子などのセンサによって、圧力や流量、温度などの情報を電気信号として、処理部に伝達します。

1. 処理部

処理部では、センサから送られてきた情報を伝送するための電気信号に変換します。処理部では、プロセッサが内蔵されている製品もあり、センサから得られた情報をもとに他の装置の制御信号も同時に生成し、伝送するための電気信号として、伝送部に送られます。

2. 伝送部

伝送部では、空気圧や電気信号、光信号などでその他の装置に伝送されます。空気圧を用いる伝送方式では、空気の圧力によって伝送されるため、ノイズが少ないことが特徴ですが、伝達時間が長くなります。

電気信号や光信号による伝送では、振動などが大きい場所などではノイズが発生する可能性がありますが、伝送速度が速いことが特徴です。

伝送器の種類

伝送器の種類は、伝達手法によって分けられます。

1. 電気信号形式

電気信号は電流や電圧で値を伝える信号です。伝送速度が速く、遅れがほとんど生じません。そのため、長距離伝送に向いています。

また、制御機器や記録計とやり取りする場合に、空気圧信号のように変換の必要性がありません。信号の種類も電圧信号やパルス信号など、さまざまです。

使用する機器によって信号の種類が違ったり、制御機器が対応していなかったりすることもあるため注意が必要です。

2. 空気圧信号形式

空気圧信号形式は圧縮空気の圧力で値を伝える信号形式です。電気信号とは異なり、着火源とならないため本質的な防爆である信号です。プラントの信号源として、今でも使用されています。

電子機器を使用している場合、機器から電磁ノイズが発生することもありますが、空気圧信号の場合そのようなノイズに強い点がメリットです。一方で、空気圧信号は長距離伝送に向いておらず、計装空気という乾燥した綺麗な空気の使用が必要であることがデメリットです。

3. 光信号形式

光の点滅を使って情報を伝える信号形式です。光信号形式を実現するためには、光を減衰すること無く伝える媒体と信号として発信するための光源が必要です。

半導体レーザー光源と光ファイバーを用いることで、光信号形式は実現しています。端末から電気信号として送出されるデジタルデータを光変換で半導体レーザーの光点滅に変換します。その後、光ファイバーを通して送出しています。

受けて側では、光信号を電気信号に変換することでデジタルデータを取得する形式です。光信号形式では信号を長距離かつ高速に伝送することが可能で、大型プラントの計装に適しています。

参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/
https://www.jemima.or.jp/tech/1-01-02-02.html

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