電動ドラムポンプとは
電動ドラムポンプ (英: Electric drum pump) とは、主にドラム缶内にあるオイルや薬品などを汲み上げて、移送するためのポンプです。
移送される液体には油や化学薬品、食品の原材料、グリース給脂といった粘度を有するものも含まれます。ドラムポンプには手動のものもあり、ハンドルを廻すことによってドラム缶内の液体を汲み上げます。
私たちの日常生活においては、灯油用のポリタンクから灯油を汲み上げる手動や電動のポンプが、電動ドラムポンプと同じ役割を果たすものです。構造はシンプルであり、ギヤードモーターを組み合わせた上で本体ポンプをドラム缶から用意に着脱可能できる方式のものが普及しています。
電動ドラムはそれぞれの使用目的毎に仕様が異なるため、使用目的や使用用途に応じて使い分けることが重要です。
電動ドラムポンプの使用用途
電動ドラムポンプは、ドラム缶内部の液体を汲み上げるために使用されます。オイル、経由・灯油、バイオディーゼル燃料などの油脂類だけでなく、さまざまな化学薬品、鉱山機械、セメント産業で扱われる液体、食品の原料などの移送にも有用です。
移送する液体によっては、粘度が高いものもあります。もし、ポンプの吸引能力が不足していると、粘度の高い液体は吸引しきれません。汲み上げる液体の粘度にあった能力を持つ電動ドラムポンプを選定する必要があります。
電動ドラムポンプの原理
電動ドラムポンプの原理は、ドラム缶内の液体を電動ポンプによって汲み上げることです。電動ドラムポンプは、大きく3つの部品で構成されています。
ドラム缶の底から液体を汲み上げるために缶内に挿入されるチューブ部分と缶内に挿入されたチューブから液体を汲み上げる電動ポンプ部分、汲み上げた液体を移送するた目のホース部分です。液体の汲み上げに電動ポンプを用いているだけで、原理は一般家庭用の灯油ポンプと変わりません。
電動ドラムポンプの種類
電動ドラムポンプには、ギアポンプ、ベーンポンプ、電動モーターポンプ、電動防爆ポンプの4つがあります。ここでは、代表的なギアポンプとベーンポンプについて紹介します。
1. ギアポンプ
ギアポンプは長穴形状の空間の中で、2つの平歯車が噛み合いながら回転し、液体を移送するポンプです。移送される液体の量が短い周期で変動する脈動が少なく、比較的粘度が高い液体を移送することもできます。
液体の移送量は歯車の回転数に比例するため、移送量の計算がしやすいものギアポンプの特徴の1つです。
2. ベーンポンプ
ベーンポンプは、円形の空間に対して中心が少しずれた羽根車があります。羽根車の羽根をベーンといい、遠心力によって円形空間の外壁部に広がります。
羽根車の回転中心が円形空間に対してずれているため、ベーンが外側に飛び出そうとしながら壁面と接触し、回転することによって液体を移送します。比較的粘度の低い液体の移送に適したポンプです。
電動ドラムポンプのその他情報
電動ドラムポンプを使用する際の注意点
電動ドラムポンプは使用環境や用途に応じて、実装されるモータの規格も設定されており、その規格に対応するモータを選定の上、生産・製造されています。そのため、指定されているスペック毎に使用可能なグリースや油脂が異なり、使用目的や使用条件に合ったタイプのものを選ぶ必要があります。
また、電動ドラムポンプを屋外で使用する場合には、防塵・防水性能を有する製品を選びます。一般的には、IP54相当の防塵・防水性能を有する使用されることが多いです。
工場の生産ラインなどで使用される場合、設備によっては、シングルライン、ダブルラインなどの対応を求めらるケースがあります。それぞれのシステムに合わせた供給を可能とするために、製造メーカー側も同式の型番の中でライン使用を分けています。
参考文献
https://www.koshin-ltd.jp/
https://www.webshiro.com/p74ponpu.html