ワイヤーボンダ

ワイヤーボンダとは

ワイヤボンダはICチップやLSIチップなどの集積回路で、多数のI/O電極を基盤側と電気的に接合する為の装置です。

その他、プリント基板同士の電極を繋ぐ用途などでも用いられます。 近年での集積回路実装にはフリップチップボンダが多用されていますが、ワイヤボンダで接合するニーズは現在でも残されています。ワイヤボンダには実態顕微鏡で観察しながらボンディングするマニュアルタイプと、予めボンディングアドレスをプログラムする全自動タイプがあります。

ワイヤーボンダの使用用途

半導体製造工程の後工程であるアセンブリ工程で主に使用されます。 その場合は集積回路内部での結線作業となり、その他に基板への集積回路の実装工程でも用いられます。

実験や試作的な基板回路を製作する場合には上述したマニュアル式が用いられ、量産工程では全自動型のワイヤボンダが利用されています。ワイヤボンダは電極を1対1で結線していく為、高い生産性が要求されます。その為、1カ所当たりの結線速度が0.05秒程度の高速で結線する製品が主流となっています。

ワイヤーボンダの原理

基板上の電極と、集積回路の電極間を金やアルミ、などの極細ワイヤーで結線していきます。 各電極とワイヤーの接合には超音波溶着技術が用いられ、ごく短時間で接合を終えます。 ワイヤーを渡し、接合する部分をヘッドと呼び、その構造によって複数のタイプが存在します。

ワイヤボンダは極微小な電極間にワイヤー結線をする必要がある為、位置決め精度は非常に高精度となっており、±2ミクロン程度の精度誤差が必要となります。また、精密なヘッドの押しつけ荷重 (ボンディング荷重) の管理と制御を必要とし、高度な位置決め精度を実現する為に外部からの振動を抑制する無反動サーボ機構や防振システムを搭載しています。

ワイヤボンディングには大別して2つの方法があり、一つはボールボンディングと呼ばれ、ワイヤと電極間に放電を発生させ、双方の溶融部がボール状に形成され、その後に熱や超音波を加えながら圧接する方法と、ウェッジボンディングと呼ばれるボール状の溶融部を形成せずにワイヤーを直接電極へ超音波で圧接する方法があります。

用いられるワイヤ径は十数ミクロンから数百ミクロンのリボンワイヤまで幅広い種類があり、そのワイヤによってボンディング方法を選定する必要があります。

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