パッチパネル

パッチパネルとは

パッチパネル

パッチパネル (patch panel) は、電子機器間のケーブル同士の接続を補助する機器のことです。

別名は、パッチボード (patch board) 、パッチベイ (patch bay) もしくはジャックフィールド (jack field) などです。構造は非常にシンプルで、パッチパネルの前面と裏面にケーブルを差し込む口 (コネクタ) が複数設置されています。パッチパネルは、LANケーブルや光ファイバーケーブルなどと、サーバーとパソコンを繋ぐ際の中継器を意味する場合もあります。

パッチパネルの使用用途

パッチパネルは、電子機器同士を繋ぐ装置です。例えば企業などでは、多数のパソコンとサーバーの接続が必要です。このとき、サーバーのコアスイッチに全てのパソコンを繋いでしまうと、何と何が接続されているのか分かりにくくなります。接続環境を見直したい場合や修理や補修の際の手間は甚大です。

そこで、パッチパネルを介して複数のパソコンとサーバーを繋いでおけば、接続環境を簡単に把握できます。サーバー側の変更もパソコン側の変更も容易で、特定のパソコンのみの交換や新規の機器の増設も容易です。

また、当該機器を経由すれば、多数のケーブルを整然と並べることが可能になります。そのため、サーバーとパソコンを直接に接続する場面と比べて配線まわりをきれいに整頓できます。

パッチパネルの原理

パッチパネルは、非常にシンプルな構造です。パネルの表面と裏面に電子機器のケーブルのコネクタを差し込むメス型のコネクタ (メスコネクタ) が配されています。このコネクタには電子機器へのインプットおよびアウトプットの機能があります。

当該機器自体には電源や電子部品、制御回路などの部品は搭載されていません。物理的に前面に接続されたケーブルと背面に接続されたケーブルを物理的に繋いでいます。電源などを必要としないため、設置箇所を選びません。

ただし、各種電子機器により使用するケーブル、接続端子の形状などが異なります。電話線に対応しているものやLAN配線に対応しているものなど、複数の種類があります。使用する電子機器に対応しているコネクタがあるパッチパネルを選ぶことが必要です。

パッチパネルのその他の情報

1. パッチパネルの種類

パッチパネルとしては以下のような種類があります。

  • UTP ケーブル用パッチパネル
  • STP ケーブル用パッチパネル
  • Fiber ケーブル用パッチパネル
  • コネクタ専用パッチパネル

UTPケーブル用やSTPケーブル用のパッチパネルは、通常のLANによく使用されるものです。高速通信の必要があるデータセンターや企業のネットワークには、Fiberケーブル用のパッチパネルが使用されます。コネクタ専用パッチパネルは、特定の機器を接続するものです。

なお、パッチパネルを介して接続することで、配線を整理して使いやすくするだけでなく、セキュリティー強度を上げることも可能です。

2. パッチパネルの設置方法

パッチパネルは電源などを必要としないため、どこにでも設置可能です。ケーブルの着脱など後々の利便性を考慮して目の高さに設置するのが一般的です。そこで、ラックを使用して設置するケースが多く見られます。

ラックに取り付けたパッチパネルのメス型コネクタに、電子機器のケーブルを挿入します。この際、パッチパネルの裏面でケーブル同士を繋ぎ、コネクタとしての使用も可能です。

最後に、どの機器がどの機器と接続されているのかが分かるように、番号を振ったり色分けしたりします。

なお、パッチパネルの大きさ、コネクタの数は設置する場所や接続する機器の数に応じて選ぶことが必要です。また、設置場所に合わせて角度をつけられるものもあります。当然のことながらパッチパネルのサイズとラックのサイズは合わせます。

 

参考文献
https://www.panduit.co.jp/column/naruhodo/4412/
https://www.panduit.co.jp/column/naruhodo/4354/

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