シリコーンゴム

シリコーンゴムとは

シリコーンゴムとは、ケイ素を主成分とする合成ゴムです。

原料は、天然に存在するケイ石という鉱物です。ケイ石から取り出したケイ素を元に作られます。ケイ素は自然界に豊富に存在するため、資源が枯渇しないという利点があります。

一般的なゴムが炭素を骨格に有するのに対し、ケイ素と酸素が交互に結合した安定した構造を有する点が特徴です。この特殊な構造により、他のゴムにはない多くの優れた特性をもっています。

例えば、熱に強く、低温環境でも硬くなりにくい耐熱性や耐寒性を備えます。-60℃の極低温から200℃以上の高温まで、幅広い温度範囲でゴムの性質を安定して保てます。さらに紫外線やオゾンなどにも強く、屋外で長期使用しても劣化しにくい耐候性も有します。

シリコーンゴムの使用用途

シリコーンゴムは以下のような用途で使用されます。

1. 日用品・キッチン用品

キッチン周りでは、調理器具の持ち手や製菓用の型、食品保存容器のパッキンなどに使用します。高い耐熱性があるため、オーブンの部品や熱い鍋の蓋にも対応可能です。また人体への安全性が高いため、食品に直接触れても安心でしょう。

2. 自動車・工業部品

自動車や精密機械などの分野では、シリコーンゴムは不可欠な素材の一つです。特に自動車のエンジン周辺では、耐熱性に優れたシリコーンゴムがパッキンやホースなどに広く利用されます。また電気を通しにくい電気絶縁性を活かして、電線を覆う被覆材や電子部品の保護にも活用される例が多く見られます。

3. 医療・ベビー用品

人体への影響が少なく、アレルギー反応などを起こしにくい点がシリコーンゴムの特徴です。そのため医療現場では、体内に留置するカテーテルやチューブといった医療機器に採用します。またベビー用品の分野でも、哺乳瓶の乳首やおしゃぶりなどに広く使用されます。熱に強く、煮沸消毒を繰り返し行っても変質しにくい耐久性も、衛生面が重視されるこれらの製品に適した性質です。