監修:株式会社SDI
ディップコーターとは
ディップコーターとは、基材にコート液を塗布する装置のことを指します。
塗布方法にはいくつかの種類がありますが、そのうちの一つがディップ方式といわれるコート液に基材を浸けて引き上げる方式であり、そのための装置がディップコーターになります。
ディップコーターの特徴として、
- 均一な薄膜を形成することができる(数十nmの膜厚も可能)
- 両面を同時に塗布することができる
- 対象物の形状は問わない
- 塗布液(コーティング液)のロスが無い
- 機器のメンテナンスが簡単
などの特徴が挙げられます。
ディップコーターの使用用途
ディップコーターの使用用途は以下の通り多岐にわたっております。
- 塗布対象物:レンズ・ガラス材・金属材・カテーテル・水栓金具等
- 分野:光学系レンズ・医療系・電子デバイス・フォトリソ等
- 塗布液:離型剤、撥水剤、ハードコート剤、防湿剤、防汚、レジスト等
- コーティング種類:反射防止コート・ハードコート・離型剤コート・フッ素系コート
- 形状:円筒形ガラス・ヘルメットシールド・ペットボトル・入れ歯・多孔質セラミック・湾曲レンズ・ウエハ・立体構造物
ディップコーターシステム概要
ディッピング法によるプロセス
試料を垂直にして所定のディップコーティング液に浸漬し、その後上方に引き上げて、付着の液膜を空気中(気相中)でゲル化する方法
- ディップコーティング液浴槽に試料を垂直に浸漬
- ディップコーティング液の粘性力、表面張力及び重力の相互作用を利用して引上げ開始
- 試料の引上げ速度は、ディップコーティング液の粘性と付着液の流下する重力との関係性から膜厚を制御する
- 均一な薄膜を形成完了 → 乾燥
本記事はディップコーターを製造・販売する株式会社SDI様に監修を頂きました。
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