電動油圧シリンダとは
電動油圧シリンダとは、電動モーターと油圧ポンプおよび油圧シリンダとバルブブロックを一体化させたアクチュエータ機器のことを指します。
モーターに電流を流すと、油がシリンダに送り込まれて、伸びたり縮んだりするアクチュエーター機能を有しており、産業機械や農作業機械、除雪機等に装着して、各々の作業の自動化や労力低減等に貢献する油圧応用品です。
またシリンダのストロークの長さを可変可能な製品もあります。
電動油圧シリンダの使用用途
油圧シリンダは、産業機械の圧入や搬送用の直線運動、幅寄せなど工場ラインで活躍し、また重機のアーム制御等で必ず用いられる必須の機械部品ですが、油漏れ対策や配管メンテナンスが不可欠という課題がありました。
電動油圧シリンダは、電動モーターと油圧ポンプやバルブブロックを内蔵して油圧を機械内部ですべて調整が可能なため、屋外の農作業機械や除雪機、各種の産業機械にも場所を選ばずに独立で使用可能な利点があり、そのような用途で使用されています。
電動油圧シリンダの原理
油圧シリンダは、基本的にパスカルの原理を応用した部品であり、小さいシリンダ面積の押し込む力を利用して、大きな面積のシリンダを、てこの原理のように動かします。シリンダを押し込む力には、油圧ポンプの力を利用しますが、これは一般に配管分岐等であらかじめ設置用意された箇所に接続するようになっています。
油圧ポンプには手動(足ふみ)タイプのものと、電動式のものがあり、この電動式の油を送り込むポンプと油圧シリンダを一体にして、屋外での自由度があり汎用的な使用に耐えられるように設計開発されたものが、電動油圧シリンダです。
なお、電動モーターのみで駆動する電動シリンダはその利便性とエネルギー効率の良さから油圧シリンダからの置き換えが進んでいますが、重量の大きなものの駆動には、油圧式に比べて制御機構が大掛かりでコスト高になってしまう欠点があり、油圧シリンダが優位な状況にあります。このような背景の元、電動油圧シリンダは、油圧式でありながら電動式の利便性を追求した製品でもあります。
なお、電源には電源DC12VとDC24Vが一般的ですが、DC100V(AC100V全波整流)タイプもあります。