遮熱鋼板とは
遮熱鋼板とは、太陽光の熱を反射する塗料を塗った鋼板です。
太陽光には熱エネルギーを持つ赤外線、特に近赤外線が多く含まれます。通常の鋼板はこの近赤外線を吸収しやすく、表面温度が高くなります。遮熱鋼板は表面に塗られた特殊な遮熱塗料が特徴です。この塗料に含まれる顔料が熱の主な原因である近赤外線を効率よく反射する働きを有します。近赤外線を反射することにより、鋼板自体の温度上昇を大幅に抑制できます。屋根や壁の温度上昇を抑えることで、室温の上昇を緩和できます。
遮熱鋼板の利点は濃い色を選択できる点にもあります。従来の断熱対策では白や明るい色が熱を反射しやすいとされていましたが、遮熱鋼板は黒や濃い茶色などの屋根材に高い日射反射性を持たせます。建物の美観を保ちながら、室内の快適性を向上させます。
遮熱鋼板の使用用途
遮熱鋼板は以下のような用途で使用されます。
1. 住宅
一般住宅の屋根材や外壁材として広く使用されます。金属製の建材は耐久性が高い一方で、太陽光を吸収して高温になりやすい性質を有します。遮熱鋼板を屋根や壁に採用することで熱エネルギーの吸収を抑え、建材自体の温度上昇を緩和します。夏場の冷房効率が高まり、エアコンなど空調機器の使用を減らすため、省エネルギーの観点からも有利です。
2. 商業施設・公共施設
オフィスビルやショッピングモールなどの商業施設や、学校といった公共施設は、屋根の面積が大きい点が特徴です。広い屋根面が太陽光を受けると、建物全体の温度が上昇して空調設備の運用に負荷を掛けます。遮熱鋼板を屋根に用いることで、空調コストの削減に寄与します。また、建物のデザイン性を維持しながら熱対策ができるため、外観の美観が重視される商業施設などでも採用しやすい建材です。
3. 工場・倉庫
工場や物流倉庫においても、遮熱鋼板は重要な役割を果たします。工場では内部の機械から発生する熱に加え、屋根からの輻射熱が労働環境を悪化させます。遮熱鋼板は外部からの熱の侵入を減らし、作業環境の改善に貢献します。倉庫では保管する製品や資材を高温による品質劣化から保護する目的で使用します。