段ボールリサイクルとは
段ボールリサイクルとは、回収された使用済み段ボールを新たな段ボールに再生加工するサービスです。
回収された段ボールは、再生紙工場で異物を取り除いたのち、水と混ぜてほぐし「古紙パルプ」に加工されます。その後、ふるいや遠心分離機で細かなゴミやテープの残りを除去し、必要に応じて印刷インクを落とします。さらに強度や品質を整える薬品を加えて調整したのち、抄紙機で水分を抜きながら乾燥・成形し、再生紙としてロール状に巻き取ります。この再生紙が新たな段ボールの原料となり、再び私たちの手元へ戻ります。
段ボールは100%リサイクル可能な梱包材であり、日本での古紙回収率は95%、古紙利用率は90%以上を実現しています。資源の循環を支える工程の一つとして、段ボールリサイクルは重要な役割を担うサービスです。
段ボールリサイクルの用途
段ボールリサイクルは業種を問わず、環境経営の実践と資源循環の推進を支える重要な役割を果たしています。
1. 物流・流通業界
段ボールリサイクルに最も密接に関わるのは物流・流通業界です。商品輸送で大量に発生する使用済み段ボールを効率的に回収し、自社内または委託先を通じて再資源化することで、コスト削減と環境配慮を両立しています。特に大手通販企業やスーパーマーケットチェーンでは、段ボールを回収して新たな梱包材へと再生する「クローズドリサイクル」を推進しています。
2. 製造業
製造業でも、部品や製品輸送時に使用する包装資材として段ボールが欠かせません。工場で発生する段ボールくずをリサイクルに回すことで、産業廃棄物の削減やISO14001などの環境マネジメント認証への対応が容易になります。
3. 小売・飲食業界
小売・飲食業界では、仕入れ時に発生する段ボールをまとめて回収し、再生紙原料として出すケースが一般的です。店舗から出る廃段ボールを定期的に回収するリサイクルサービスを利用することで、店舗運営の効率化にもつながります。
4. 自治体や公共機関
自治体や学校、病院などの公共・教育機関も、地域の資源ごみ回収や環境教育の一環としてリサイクル工場と連携しています。環境意識の向上や地域循環型社会づくりを目的に、段ボールリサイクルの仕組みを学ぶ取り組みも広がっています。