マイクロフルイディクス

監修:Blacktrace Japan株式会社

マイクロフルイディクスとは

マイクロフルイディクスは、幅が1マイクロメートル~1ミリメートル程度のマイクロ流路幅に流体の流れを作ることをいいます。

マイクロ流路というスケールの違いから、マイクロ空間では一般的な流体力学の法則の重力や慣性力の効果より、表面張力や粘性の方が支配的です。

マイクロ流路は、半導体微細加工技術を利用して作成され、マイクロ空間というメリットを活用し、試薬使用量を削減し、反応を効率化します。マイクロ流路デバイスや周辺機器の小型化、反応温度エネルギー削減、マイクロ空間での電気化学、センサーの統合、自動化など工学技術を組み込み様々な応用分野で活用されています。

マイクロフルイディクスの使用用途

マイクロ流路を用いた2流体混合で化学反応を行うと、比表面積が大きいため分子の拡散による効果が大きくバッチ法と比較して高速で混合できます。

不混和相液体をマイクロ流路に送液する事で単分散液滴を作製し、医薬品や化粧品に応用する事や、細胞を液滴にカプセル化する事で、極めて小さな試験管やシャーレと見立てて培養を行う事、細胞をカプセル化した液滴をFACSやシーケンサと組み合わせハイスループット解析を行う事などにも実用化されています。

マイクロフルイディクスを用いた液滴作成

アプリケーションに合わせて様々な形状のマイクロ流路が開発されています。マイクロ流路に用いられる材質はPDMS、ガラス、プラスチックです。液滴を作成する部分は、一般的にクロス型のマイクロ流路が用いられます。送液流体は、分散相と連続相が不混和な組合せで用います。

下記写真の場合、連続相は、上下のチャンネルから流れジャンクション部分に到達します。液滴として生成する溶液は左側中央部から導入されています。ジャンクション部では、剪断力により液滴相のチャンネルの溶液が上下から挟まれ、切断されるようにマイクロ液滴が生成されます。

2種の流体の流速比率で、液滴の大きさが制御できます。 各々の流体の流量を大きくすることで、1秒当たりの液滴の作製個数を向上させることができますが、流速が早すぎると液滴が形成できずにジェット流となってしまいます。

 

マイクロフルイディクスを用いた液滴作成

マイクロフルイディクス参考動画

細胞のカプセル化

本記事はマイクロフルイディクス応用製品を販売するBlacktrace Japan株式会社に監修を頂きました。

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