シングルセル解析

監修:Blacktrace Japan株式会社

シングルセル解析とは

従来細胞集団は均質であると考えられていましたが、近年のゲノム解析技術の進歩により個々の細胞を分離し解析すると、同じ細胞集団でも不均質である事が明らかになっています。

これまでの細胞集団を基にした遺伝子解析では、細胞集団の平均値となり、個々の細胞にある特徴的なデータが考慮されません。個々の細胞を解析する事で、個々の細胞の特長を掴み、がん研究、免疫学や薬剤投与後の細胞応答など創薬研究への応用にもつながっています。

シングルセル解析

細胞をシングルセルに分離する方法

マニュアル操作による細胞のピッキングでシングルセル化も可能ですが、スループットは低くなります。ハイスループット処理のため、マイクロフルイディクスを利用し1個の細胞だけが入るチャンバーで捕捉する方法も利用されてきましたが、捕捉できる個数はトラップを作成するプレート面積が制限となり処理数は数百個程度が上限でした。さらにシングルセルの処理個数を増大させるため、ドロップレットベースの細胞分離システムが近年は主流になってきています。

ドロップレット(液滴)ベースの細胞分離では、連続相にフッ素油、分散相としてハイドロゲルや溶解バッファを用います。1秒当たり数千個のドロップレット(液滴)を作成しその中に1細胞をカプセル化します。

ハイドロゲルでカプセル化する場合は、3D 培養や細胞応答、FACSの前処理。mRNAをキャプチャする専用のバーコードビーズと細胞をペアにしてカプセル化する場合は、遺伝子発現解析の前処理にします。

細胞をシングルセルに分離するドロップレットベースの原理

マイクロ流路に細胞懸濁液と細胞溶解液、連続相としてフッ素油を送液し液滴をジャンクションチップで作製します。細胞が液滴の中で溶解されるように液滴で細胞懸濁液と溶解液はカプセル化する直前に混合します。

細胞をシングルセルに分離するドロップレットベースの原理

液滴作成の動画

本記事はシングルセル解析システムを販売するBlacktrace Japan株式会社様に監修を頂きました。

Blacktrace Japan株式会社の会社概要はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です