発光塗料

発光塗料とは

発光塗料

発光塗料は、光・電子線・α線等による刺激を受けることによって、りん光や蛍光を発する物質を主要顔料とする塗料のことをいいます。暗所や夜間に光を発するため、別名、夜光塗料とも呼ばれています。

発光塗料には、発光型と蓄光型があります。発光型塗料は、外部から光などの刺激が無い状態でも、自力で発光することができます。一方、蓄光型塗料は、外光などの刺激が無くなることで、塗料自体も発光しなくなります。

発光型塗料は、以前は、時計の文字盤などの用途で、広く使用されていましたが、発光のエネルギー源に放射性物質が利用されていたため、近年では、発光型塗料の替わりに、蓄光型塗料が優先的に使用されるようになっています。 

発光塗料の使用用途

発光塗料は、夜間や暗い部屋などといった環境において、光が必要な夜間標識として使用されています。身近な用途としては、時計の文字盤が挙げられます。また、暗い環境下で使用する計測器の指針や、目盛、文字などの表示にも使用されています。その他にも、道路標識や避難誘導材などとしても、幅広く利用されています。

発光塗料は、広告やイベント会場の展示、インテリアの飾りつけなどにも用いられており、暗い空間をデザインする手法の一つとして、様々な場所で利用されています。

発光塗料は、その他に、釣り具での利用も多く、夜釣りなどにおいて、ウキなどの道具類や仕掛けの一部を発光させるのに使用されることもあります。 

発光塗料の特徴

発光塗料のうち、発光型塗料に関しては、発光のエネルギー源として、放射性物質が使用されます。一般には、放射性物質として、微量のラジウムやウラン等を入れたアルカリ土類金属が使用されており、実際に発光するりん光体としては、亜鉛の硫化物が用いられています。発光は、放射性物質から発生するα線によって、硫化亜鉛などが刺激を受けることで起こります。

一方で、蓄光型塗料は、太陽光や蛍光灯に含まれる光エネルギーの刺激を受けることによって、エネルギーを一時的に蓄え、可視光に変換し、徐々に光を放出させるといった仕組みで発光しています。そのため、発光型塗料に含まれるような放射線物質は全く使用されていません。蓄光型塗料の発光体には、以前は、硫化亜鉛にを付活させた物質が使用されていましたが、発光時間が短いという課題がありました。そういった課題を解決するために、酸化物を結晶母体に持つ蓄光タイプの発光材料が開発されたことで、発光時間を大幅に長くできるようになりました。その結果、発光型塗料の替わりに、蓄光型塗料が広く利用されるようになってきました。

発光塗料には、他にも、塗膜に通電することによって発光するタイプもあります。このタイプの発光塗料には、外部からの光や放射線などの刺激を用いずに発光できるといった特徴があります。 

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