合成樹脂エマルジョンパテ

合成樹脂エマルジョンパテとは

合成樹脂エマルジョンパテとは、合成樹脂エマルジョン、顔料、充てん材などを主な原料とし、ペースト状に混合したものです。

合成樹脂エマルション系パテは、ペースト状ですが、時間が経過することによって、乾燥され、硬化します。乾燥時間は、合成樹脂エマルジョンパテを使用した環境の温度や湿度によって異なるので、乾燥度合いを触って確認するのが良いでしょう。

メリットは取り扱いが容易であることで、デメリットは強度が弱く、使用できる場所が限定されることです。

合成樹脂エマルジョンパテの使用用途

合成樹脂エマルジョンパテは、強度が弱いことから、仕上げ材や下地として使用されることが多いです。

主に合板、石綿スレート、せっこうボード、モルタル、コンクリートのような素材の表面を合成樹脂エマルジョンペイントで、仕上げる場合の下地として使用されます。建築現場では壁紙を貼る前のせっこうボードの釘穴やせっこうボードの取り合いとなっている継ぎ目部分の目地を埋めるためによく使われます。

仕上げ材として使用する場合は、雨水などの水分が当たることが少ない場所で使用されます。特に一般家庭の壁の補修を目的とされることが多いです。

合成樹脂エマルジョンパテの種類

合成樹脂エマルジョンパテには、一般形と耐水形の2種類が存在します。これらは、JIS K 5669によって、品質規格が全て定められたものです。

1. 一般形

一般形は付着強度が、2.5kgf/cm2以上 (24.5N/cm2以上) であることが特徴です。合成樹脂エマルジョンパテの弱点でもある耐水性や耐アルカリ性について基準が設けられていないため、水分などに弱いものが多いといえます。

2. 耐水形

耐水形は、付着強度が、5.0kgf/cm2以上 (49.0N/cm2以上) と一般形より強いだけでなく、耐水性や耐アルカリ性にも規格があります。そのため、合成樹脂エマルジョンパテの中でも、耐水性や耐アルカリ性に特化させた商品であるといえます。

3. 薄付け用・厚付け用

その他にも、一般形と耐水形は、1回の塗付け膜厚が最大0.5mmとなる薄付け用と、1回の塗付け膜厚が最大1.5mmとなる厚付け用にも分類されます。それぞれ乾燥までにかかる時間が異なり、薄付け用が5時間以内、厚付け用は24時間以内となっており、大きく異なります。使用するものによっては、厚付け用でも薄付け用として使えるものもあるため用途に合わせて使い分けることも可能です。

合成樹脂エマルジョンパテの特徴

合成樹脂エマルジョンパテは使用できる場所とできない場所、用途、取り扱い、作業性などメリットとデメリットがあるため、目的に合わせて使用する必要があります。

長所

合成樹脂エマルジョンパテは屋内での使用に適した材料です。水で練る必要がないものもあり、調合割合などを気にせず使用できるため、取り扱いが容易であることからDIY初心者の方でも使用しやすいです。

ビスの穴埋めや目地埋め時にパテが乾燥によって痩せにくいものやひび割れがしにくいものがあります。また、研磨性が高く、サンドペーパーで研磨がしやすいものもあり作業性が高い充填剤になります。

短所

合成樹脂エマルジョンパテは屋外や外部で使用することができません。屋外や外部で使用すると結露により合成樹脂エマルジョンパテが剝がれてしまうためです。そのため、屋外のモルタル面やコンクリート面の素地ごしらえには使用することができません。強度自体はないため、仕上げ面には使用できるものの、無収縮モルタルのような構造体自体の強度を求められる補修の用途では使用不可です。

化学反応で硬化をする材料ではないため、一度容器を開けて使い始めると乾燥してしまい、使いまわすことができなくなる可能性もあります。そのため、使用する量や保管方法に注意する必要があります。

合成樹脂エマルジョンパテの使い方

合成樹脂エマルジョンパテは上水で希釈をするものや無希釈で使用できるものがあります。多くは容器を開けてからすぐ使えるものが多く、中には作業性をあげるために無希釈で使用できるものでも希釈をしてパテを柔らかくしてから使うこともあります。

使用箇所はせっこうボードのビス穴や目地、屋内のコンクリート面の凹凸や不陸のある場所です。下地を作りたい箇所にヘラなどを用いて合成樹脂エマルジョンパテを塗布します。
塗布した合成樹脂エマルジョンパテが乾燥した後、サンドペーパーにより研磨を行うことで不陸のない下地が仕上がります。

使用する合成樹脂エマルジョンパテの種類によって、塗り厚や希釈度合いからパテが痩せたり、ひび割れたりします。実際に作業をする際は、使用する合成樹脂エマルジョンパテの特徴を確認することを推奨します。

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