一般構造用圧延鋼材

一般構造用圧延鋼材とは

一般構造用圧延鋼材

一般構造用圧延鋼材 (英: Steel Structure) とは、略名SS材とも呼ばれており、低炭素鋼材の1種です。

炭素量が少なく、熱処理によって強度を高められないため、生材として使用されます。SS材は錆びに弱いという欠点があります。

その一方で、板・H鋼・棒鋼・山形鋼など、さまざまな形状の製品が製造されていたり、高い汎用性を有したりすることから、多様な分野で幅広く利用されています。

一般構造用圧延鋼材の使用用途

鋼材にはさまざまな種類がありますが、鉄=SS材といえるほど幅広い分野で使用されます。鋼材の中でも不良品が少なく歩留まりが良いので、合理性と利便性が良いです。

特に強度が必要な部位には高張力鋼が使用されますが、高額で加工が難しいため、安価で中程度性能のSS材が重宝されます。なお、具体的な使用用途は以下の通りです。

  • 建築土木製品
    橋梁の支柱や梁、建物の枠組みや屋根、基礎の鉄筋など
  • 工作機械
    旋盤、溶接機、プレス機、機械部品など
  • 生産設備
    容器、金型、鋳造設備など
  • 移動手段
    鉄道や船舶や車両など
  • 電力設備
    送電塔や風力発電機など
  • 家電
    冷蔵庫や電子レンジなど
  • 付帯設備
    ベンチや足場や道路標識など

一般構造用圧延鋼材の特徴

SS材に含まれる炭素の量が約0.2%の低炭素鋼で含まれる不純物は、リンと硫黄の含有量を0.05%以内とすると決められているほか、明確な基準はありません。また、炭素含有量が0.3%以下では、熱処理による強度上昇は不可能です。

なお、一般構造用圧延鋼材は、引っ張りの強度や降伏度に重点が置かれているため、そのまま生材としても使用されます。加熱による熱脆性の影響が小さく、絞り加工や溶接での製缶品の製作が可能で、規格の鋼材を使用するとコスト低減できます。

ただし、アルミニウムのように酸化被膜を形成しないため、加熱部位や切削部位は錆びやすく、塗装や表面処理が必要です。SS材にはキルド鋼に比べて品質は劣りますが、リムド鋼が使用されます。溶かした鋼を直接鋳込み、リムド鋼は成型するので不純物が残りますが、圧延により内部が圧着するため品質が保てます。

なお、キルド鋼は脱酸処理したものです。添加物を加えることで、ガスや不純物を除去し内部構造を均質にした金属です。

一般構造用圧延鋼材の種類

SS材にはSS330、SS400、SS490、SS540の4種類あります。SSの後ろの数値が最低引張強さを表し、SS400では400〜510MPaと規定されています。

以前は用途によって使い分けていましたが、品質向上によりコストや性能差がなく、ほとんどがSS400です。SS330とSS540は規格としてありますがほぼ流通しておらず、SS490も炭素含有量が多いため使い勝手が悪く、使用されません。

一般構造用圧延鋼材のその他情報

寸法の規格鋼材

L型の山形鋼、U型の溝形鋼、H鋼、平鋼などさまざまな寸法の規格鋼材があります。板材は板材は3.2mm以上でそれより薄いものは冷間圧延鋼板 (SPCCなど) 、似た材料として建築構造用圧延鋼材 (SN材) と溶接構造用圧延鋼材  (SM材) と機械構造用炭素鋼鋼材 (SC材) があります。

炭素鋼は他にも、低炭素鋼 (S15Cなど) 中炭素鋼 (S45Cなど) と高炭素鋼 (SK5など) が挙げられます。

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