空気圧バルブ

空気圧バルブとは

空気圧バルブ

空気圧バルブとは、空気圧を調整するバルブ、あるいは空気圧を利用するバルブ (アクチュエータ) のことです。

その中で、本記事では空圧リリーフバルブ/安全弁と、空圧アクチュエータ/空気圧弁について記載します。空圧リリーフバルブは、コンプレッサを含む圧縮空気システムにおいて圧力が高くなりすぎたときに、コンプレッサを保護するために用いる空気圧バルブです。

多様な安全弁/リリーフバルブのうち、特に圧縮空気にかかわるものであり、動作する圧力レベルはコンプレッサーが耐えられる最大圧力以下に設定されています。コンプレッサーの圧力がこの最大圧力に達しそうになると、安全弁が空気を逃がし、圧力が下がるようにしています。臨界点に達すると圧力を逃がし、圧力逃がし弁とも呼ばれるものです。

空圧リリーフバルブは、非常にシンプルな仕組みであり、確実に作動するように配慮されています。空圧アクチュエーターは、空気圧の力でバルブの開閉切り替えを行う切換え弁です。長所として、構造が簡単であるため管理が容易、そして容易に大きな出力 (駆動力) が得られることが挙げられます。

空気圧バルブの使用用途

1. 空圧リリーフバルブ

空圧リリーフバルブは、圧縮空気システム内の空気圧力の調整、特に異常に高圧になった場合の圧力開放 (リリース) に使われます。システムは一時的にでも異常に高圧になる (圧力スパイク)と、コンプレッサーをはじめとする機器の損傷につながるため、それを防止することが目的です。

空圧リリーフバルブは、非常にコンパクトに設計されており、ねじ式の取り付けポートを介して圧縮空気システムのどこにでも簡単に取り付けることができます。実際には、圧力スパイクから保護する必要がある場所にねじ口を設けて直接取り付けます。

2. 空圧アクチュエーター

空圧アクチュエーターは、流体を扱う配管システムの一部として、流れを止めたり流したりの制御に用いられています。この弁を高圧空気で動かします。

空気圧バルブの原理

1. 空圧リリーフバルブ

空圧リリーフバルブにはいくつかの部品がありますが、一般的にはノズル、ディスク、スプリングの3つが主要部品です。圧縮空気に直接接する側の空気取り入れ口がノズルであり、ノズルの出口に蓋であるディスクをスプリングが押さえています。スプリングがディスクを押さえる力を調整ねじ等で調節する仕組みです。

はじめにスプリングがディスクを押し付ける力を調節し、安全が確保できる最大の空気圧を超えたときに、空気圧がスプリングに押し勝ち、ディスクを押し上げて空気が逃げるようにします。この圧力は、コンプレッサーの最高圧力レベルよりも低い設定空気圧でなければなりません。実際にノズルがこの圧力に達すると、バルブ内のディスクが上昇を始め、タンク内の空気を逃がします。

2.空圧アクチュエーター

空圧アクチュエーターは、高圧空気の圧力を利用して、流体を制御する弁を動かします。代表的なメカニズムは、高圧空気が流入すると内部のシリンダ部品が押され、押された力をラック・ピニオン歯車で開閉弁の軸回転に変換するものです。

空気圧バルブのその他情報

1. 空圧リリーフバルブの不具合原因の例

空圧リリーフバルブは、非常にシンプルな設計であり、そのために信頼性が高いですが、ときに不具合を生じることがあります。不具合を発見したときは、速やかに専門業者による圧縮空気システム全体の点検と、本当に問題のある個所の修理を受けることが望まれます。

空気圧バルブは安全上非常に重要な部品であり、仮にこの動作が不確実だとすると、システムの破裂など大事故につながる可能性もあるからです。圧縮空気システム全体の事象として良く見られる不具合は、システムのどこかに問題があり、期待する圧力が得られないことです。

その原因の一つとして、空気圧バルブの不調が考えられます。具体的には、バルブの構成品のコンポーネントのいずれかの汚れ、劣化、または破損です。例えば、ノズルやディスクに傷や汚れがつくことで隙間が生じ、圧力が高くなくても空気が外に漏れ出る状況になることもあります。

また、スプリングの劣化や破損により、ディスクを適切に押さえることができず、空気が排出されることもあり得ます。

2. 圧縮空気システム全体の不具合原因の例

期待する圧力が得られない主な理由として、空気圧バルブではなくコンプレッサーの圧力スイッチの劣化が挙げられます。圧力スイッチはコンプレッサー (空気圧縮機) において、動作圧力の上限と下限を決めるという重要な機能を持っており、また劣化により圧力スイッチ自体からの空気漏れもあるためです。

この点でも、圧縮空気システム全体の点検を専門業者に依頼することは重要であると言えます。

参考文献
https://www.swagelok.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です