汎用CADとは
汎用CADとは、分野に特化せず幅広く設計を行えるCADのことです。
CADは「Computer Aided Design」の頭文字をとったもので、設計支援ツールの1つです。コンピューターの無い時代に手書きで製図をしていたものが、モニター上で行えるようになって効率化され、あらゆる分野に用途が広がりました。汎用CADは、その名の通りさまざまな分野で利用可能なソフトです。
製図や設計を行うのに基本的な機能を有しています。汎用CADには有償の商用ソフトだけではなく、無料で使えるフリーソフトもあります。フリーソフトではコストがかからない分、機能が制限される、サポートがなく全て自力で必要があるなどの制約がデメリットです。
一方で、専門CADの種類は多く、電気設計向け、金型設計向けなど分野ごとに最適化されたソフトが用意されています。
汎用CADの使用用途
汎用CADは基本的な設計や製図をする機能を持つことから、幅広い分野で活用されています。以下に、各業界での使用用途を説明します。
1. 建築・土木業界
建築物の設計や都市計画、土木工事を行うために、汎用CADが使用されています。
2. インテリア業界
インテリア業界では、インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーが設計した建物の内装を図面に起こすために汎用CADを使用しています。また、室内のレイアウトやインテリアの配置などを決定する際にも有用です。
3. 機械業界
機械業界では、航空機や自動車、ロボット、ねじなど機械要素部品の設計に汎用CADが利用されています。
4. 福祉業界
福祉業界では、主にバリアフリーや福祉施設の設計のために汎用CADが使われています。福祉業界で働いている人の中には、福祉住環境コーディネーターなどの資格を持って活躍している人もいます。
汎用CADの特徴
汎用CADは、専用CADと比較して価格が低く抑えられていることが多く、無料で利用できるソフトも多数提供されています。便利な汎用CADは比較的高価であり、導入には数十万円単位の費用が必要です。
基本的機能は汎用CADで十分カバーできるため、図面を確認・編集・印刷するだけであったり、専用の部品を多用する図面を扱ったりする場合は、専用CADが不要になるケースも多いです。
汎用CADのその他情報
2次元CADと3次元CADの違い
CADには2次元CADと3次元CADが存在します。それぞれの特徴は、以下の通りです。
1. 2次元CAD
平面上で設計を行うCADで、住宅の建築や機械装置の図面を作成するのに用いられます。近年は立体的な設計が可能な3次元CADの需要が多くなっていますが、2次元CADの需要も依然としてあります。
2. 3次元CAD
3次元空間で設計を行うCADです。位置関係や奥行き立体的に見ることができるので、実際の形状が把握しやすいです。2次元CADより導入コストはかかりますが、沢山のことが出来るため需要は多くなっています。
設計したモデルを保存することで、データファイルが作られます。この時利用しているCADは人により違うため、データをやり取りするときは互換性のあるファイル形式 (中間ファイル) で保存する必要があります。
なお、中間ファイルには次の形式があります。
- STEP形式
国際的に標準とされた形式です。 - IGES形式
アメリカで規定された形式で、自動車用途でよく用いられています。 - SIMA形式
日本で規定された形式で、測量用途でよく用いられています。
中間ファイルも完全に互換性があるわけではなく、複雑な形状では利用するCADにより、形状のずれが発生することもあります。
参考文献
https://www.act.co.jp/column/category_cad/1742/#CAD-2
https://www.aviva.co.jp/avivapro_cad/
https://cadjob.co.jp/cad_course/know-how/p808/
https://www.alphacox.com/blog/798-2/