アスファルトルーフィングとは
アスファルトルーフィングとは、防水紙などにアスファルトを浸透させた防水シートの一種です。
ビルや住宅の屋根や壁面に使用され、雨水の侵入を防ぎます。建築物にとって雨漏りは脅威です。木材はそこから腐食が始まり、コンクリートは亀裂から侵入した雨水で鉄筋部にダメージを受けます。
アスファルトルーフィングは表からは見えませんが、建築物によって重要な役割を果たしています。
アスファルトルーフィングの使用用途
アスファルトルーフィングは、建築物全般に使用されます。以下は、アスファルトルーフィングの使用箇所例です。
- 住宅用屋根材
- 高層ビル用屋根材
- 公共重要建築物の屋根材
- 住宅用壁材
アスファルトルーフィングの原理
アスファルトルーフィングは、防水紙にアスファルトを浸透させた構造です。アスファルト自体にも防水機能と防水紙の性能によって雨水の侵入を防止しています。 防水紙以外では、不織布やフェルトなどが使用される場合もあります。
アスファルトルーフィングの類似品として、改質アスファルトルーフィングや高分子系ルーフィングが挙げられます。その中でも、アスファルトルーフィングは安価なため、使用される機会が多いです。
アスファルトルーフィングのその他情報
1. アスファルトルーフィングと屋根部材
アスファルトルーフィングと屋根部材は2つ揃って雨水侵入を防止することが可能です。住宅建築の際には、屋根下地にアスファルトルーフィングを隙間なく敷き詰めます。施工にはタッカーと呼ばれる大型ホッチキスを使用します。
アスファルトルーフィングを施工したうえで、屋根部材を取り付けていきます。屋根部材に異常はないが雨漏りはしている場合、アスファルトルーフィングが経年劣化等で破損している可能性が高いです。
2. ルーフィングの種類
ルーフィングとは屋根の下地に敷き詰める防水シートです。ルーフィングにはさまざまな種類があり、以下はルーフィングの一例です。
- アスファルトルーフィング
一般的に多用される防水紙で、ストレートアスファルトを紙や不織布といった基材に浸潤させた防水紙です。
また、アスファルトルーフィングの寿命は一般に10年程度と言われています。安価なアスファルトルーフィングが10年の寿命を有するため、一般に建物は新築から10年間は雨漏れしないことを意味します。 - 改質ゴムアスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは状態変化によって劣化していきます。その劣化現象を改善したルーフィングです。アスファルトルーフィングとは異なり、アスファルトにゴムや合成樹脂などを混合させて耐久性を高めています。20年以上の長寿命を持ちます。 - 粘着層ルーフィング
ルーフィングを固定する釘などが原因で雨漏りを引き起こすケースは多々あります。粘着層ルーフィングは固定部材を使用せずに屋根に固定が可能です。そのため、複雑な屋根形状の場合に適した防水紙となります。 - 高分子系ルーフィング
合成樹脂を主成分としたルーフィングです。適切に使用すると高いパフォーマンスが期待できます。 - 透湿防水紙ルーフィング
外部からの水分は通さない一方、内部の湿気を外部に放出できるルーフィングです。カビの発生しやすい木造建築に使用することで、建物を長持ちさせることができます。
3. ルーフィングの選び方
ルーフィングを選定する際に重要なポイントは、屋根材よりも寿命の長いルーフィングを選ぶことです。ルーフィングよりも屋根材の寿命が長い場合、屋根材がまだ使用できるにも関わらず屋根材を取り外す必要があります。
瓦のような屋根材であれば再利用可能ですが、再利用ができない屋根材の場合は屋根材も新調しなければなりません。そのため、屋根材や入居期間を考慮して適切なルーフィングを選定することが重要です。
参考文献
http://aspdiv.jwma.or.jp/jutaku/pdf/kikaku_04s-04.pdf
https://www.krkroof.net/publication/pdf/krk_seat2017_06.pdf
http://www.yaneyasan13.net/blog/49228.html