使い捨て白衣

使い捨て白衣とは

使い捨て白衣

使い捨て白衣 (英語: Disposable lab coat, Single-use lab coat)とは1回限りの使用用途を想定した白衣です。ディスポーザブル白衣、ディスポ白衣とも呼ばれます。私服や学生服、作業服、スーツなどの上から羽織って使用します。

各種用途に合わせて樹脂製(ポリプロピレン、ビニール、ナイロン等)や布製などがあり、用途に応じて最適なものを使い分けます。使い捨て白衣が利用される場面としては、高校、大学の化学実験や病院(手術、感染症治療)、食品加工の現場などが挙げられます。

使い捨て白衣の使用用途

使い捨て白衣の使用用途としては以下が挙げられます。

  • 高校、大学の化学実験における学生向けの実験
  • 病院の感染症病棟での治療
  • 歯科治療
  • 出産時の父親の立ち合い
  • 食品加工工場
  • 電子部品の製造現場
  • 家屋のカビ除去作業
  • スプレー塗装作業

使い捨て白衣には種類があるため、設置環境や使用用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。

使い捨て白衣の種類

使い捨て白衣には、樹脂製と布製の2種類あります。

1. 樹脂製の使い捨て白衣

化学物質から製作するため、皮膚に触れた際にアレルギー反応等を起こす可能性があるものの工場で大量生産できることが最大の特徴です。工場で大量生産できるため、コストが布製に比べて安価であることも魅力の1つと言えます。なお、リユースすることはできないものの、マテリアルリサイクルを行うことで再度樹脂素材としてリサイクル材を取り出すことが可能です。

現在は樹脂製の使い捨て白衣が主流となっています。サーキュラーエコノミーの観点からも、クローズドループで回すことが可能な樹脂製の使い捨て白衣をメインとしていくことが望ましいと考えられています。

2. 布製の使い捨て白衣

身に着けた際に肌へ対する刺激が弱いため、皮膚などが弱い方に最適です。また、布製であるため使い捨てず洗浄し、リユースすることも可能です。

使い捨て白衣のその他情報

使い捨て白衣のメリット

    1. 病原菌の拡散を防ぐ
      微生物や細菌の研究をしている研究室や、感染症の治療をする病院などにおいては、作業毎に白衣を捨てることで病原菌が研究室や作業場所に残ってしまうことを防ぎます。白衣を使い回す場合、常に清潔に保つために入念な洗浄が必要となりますが、洗浄が不十分で病原菌が残る恐れがあります。

      また、洗浄作業も含めて複数人が汚染された白衣に触れることになります。使い捨て白衣を使うことで、汚染された白衣から病原菌が拡散するリスクがなくなり、作業者の安全を守ることができます。

    2. 作業者の化学物質への暴露を防ぐ
      化学物質を取り扱う場所では、白衣を着ることで作業者の服が化学物質によって汚れることを防いだり、肌に被液して薬傷を起こすことを防ぐことができます。しかし、白衣を使い回すことで、白衣に付着した化学物質が浸透して作業者に悪影響を及ぼすことがあります。

      使い捨て白衣を使用することで、化学物質で汚染された白衣を着るリスクをなくし、それにより化学物質による被害を限りなくゼロに近付けることができます。

    3. 交差汚染を防ぐ
      交差汚染とは、病原菌や細菌などの付着により汚染度が高くなったものが、汚染度の低いものに接触することで汚染が広がることを指します。医薬品の製造現場や食品加工の現場においては交差汚染が重大な問題になります。

      白衣を使い回すと、病原菌や細菌による交差汚染のリスクが高まるだけでなく、白衣の洗浄に用いた洗剤や白衣の繊維そのものが交差汚染を引き起こすことも懸念されます。これらのリスクを排除するためには、白衣を使い捨てにすることが有効な手段となります。

    4. 管理の手間が掛からない
      汚染が重大な問題に繋がるような場所では、作業環境を常に高い清浄度に保つことが求められます。上記でも述べた通り、白衣の使い回しには交差汚染のリスクがあるため、問題を起こさないために徹底的な洗浄と清浄度の管理が求められ、管理の手間が掛かります。使い捨て白衣を利用することで、白衣の清浄度は常に高い状態を担保することができ、管理の手間を省略することができます。

参考文献
https://ths-net.jp/c/disposable.html

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