PC鋼線とは
PC鋼線は、プレストレストコンクリート製造に使用される高性能・高品質の緊張材です。また、引張りに弱いコンクリートに対して、製造時に圧縮力を加えて、その性質を改善し、コンクリート構造物の強度を一段と高めるプレストレストコンクリートに使用される高強度の線材です。降伏点の約80%の高応力においてコンクリートを締め付ける目的で使用されます。
高引張強さがあり、破断時の伸びが大きく、リラクセーション値が小さいことや良伸直性を有し、加工性が良いこと、品質が均一なことなどが重要な品質の指針になります。
PC鋼線の使用用途
コンクリートにプレストレスを付与するため、鉄筋の5~6倍の強度を持っているPC鋼線を使用します。プレストレスの付与は、プレテション方式とポストテンション方式があります。
道路橋、鉄道橋をはじめ枕木、タンク、建築やグラウンドアンカーなど、幅広い分野に使用されています。橋梁構造、建築の基礎と本体、タンクや貯水池などの容器、ロックシェッドやスノーシェッドなどの防災設備等にも使用されています。
電信柱の芯金としても使用されていますが、事故などで緊急に切断が必要な時のために、PC鋼線専用の切断機も製造されています。
PC鋼線の種類
JISでは、強度レベルは、普通強度のPC鋼線と高強度のPC鋼線の2種類が規程されています。
普通強度PC鋼線は、SWPR1AN、 SWPR1AL、 SWPD1N、 SWPD1Lの4種類の規格、高強度PC鋼線は、SWPR1BN 、SWPR1BLの2種類の規格です。
形状は、丸線と異形線があります。丸線には A種かB種かの表示があり、その後にNかLの表示が続きます。B種は、A種より引張強さが100N/mm2高い強度となっています。異形線の記号は、SWPD1でNとLがありま す。Nは、Normal relaxationのNで、Lは、Low relaxationのLを示します。
各規格は、呼び名、標準寸法径、公称断面積、単位当たりの質量、0.2%永久伸びに対する試験応力、最大試験力、伸び、リラクセーション値、強度レベルが規程されています。また、巻付け性、ねじり特性、曲げ性についても加えて規程されています。PC鋼線をより線状にした線材をストランドとも呼びます。