PC鋼棒

PC鋼棒とは

PC鋼棒は、引張りに弱いコンクリートに対して、製造時に圧縮力を加えることで、その性質を改善し、コンクリート構造物の強度を一段と高めるプレストレストコンクリートに使用される高強度の鋼棒です。降伏点の約80%の高応力においてコンクリートを締め付ける目的で使用されます。

鋼材を伸線によって断面形状を加工し、高周波熱処理により仕様ごとに必要な機械的性質にします。その後、指定製品の長さに切断分割し、ねじ転造を実施します。また、指定がある場合は、端部加工や アンボンド加工を実施します。
化学成分は、P、S、Cuの3元素だけが規定されています。

PC鋼棒の使用用途

建設分野の多くの場面で使われています。建築物の基礎用パイル、送電鉄塔の基礎パイル、通信鉄塔用コンクリートポール、鉄道の線路コンクリートまくらぎ、下水道用パイル、共同溝用ボックス用カルバートをはじめ、橋梁用途にも広く使用されています。

一般のPC鋼棒には、両端部に定着用金具の取り付け用として、ねじ加工がされているもの以外にも棒鋼全長にねじ状の加工が施されたものがあります。総ねじ加工のPC棒鋼は、主にグランドアンカーや仮設材の一部として使用されることが多いです。

PC鋼棒の種類

PC鋼棒は、棒状の高強度鋼で、コイル状のPC鋼線と区別されています。

形状では異形丸鋼SBBRと異形PC棒鋼SBPDの2種類があります。また、強度から3種類(A種、B種、C種)があります。異形丸鋼は、φ9.2mmからφ32mm、異形PC棒鋼は、φ7.4からφ13mmが規程されています。機械的性質は、0.2%永久伸びに対する荷重、引っ張り強さ、伸び、リラクセーション値が規程されています。リラクセーション値は、耐力の最小値の

70%の荷重に対する1000時間リラクセーション値です。
製造方法によって、圧延棒鋼、熱処理棒鋼、引き抜き棒鋼の3種類があります。圧延棒鋼は、ストレッチング−ブルーイング、熱処理棒鋼は、焼入れ・焼戻し(熱処理前に引き抜きが入る場合もあり)、引き抜き棒鋼は、引き抜き−ブルーイングで各々製造します。

PC鋼棒は、火災や溶接などにより急激な温度変化を受けた場合、棒鋼に材質変化が生じて、強度や靱性の著しい低下を生じる危険性が指摘されていますので、使用部位には注意が必要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です