ピッチチェンジャー

ピッチチェンジャーとは

ピッチチェンジャーとは、部品の搬送時にワーク同士のピッチを任意の間隔に変えられる装置です。最近は、入力軸を使った仕様が多く流通しています。従来のシリンダ機構と比較すると、小型で軽量です。

また、停止時の衝撃が少ないため、高速移動が可能です。0.2秒未満のサイクルタイムで移動する機種もあります。さらに、任意の位置に精度良く停止することができます。これにより、mm単位でピッチを設定することができます。PC機器や、スマートフォンなど精密機器に代表される組立て製造において、正確性と量産性を満たすための必須装置です。

ピッチチェンジャーの使用用途

ピッチチェンジャーの使用用途は、機構が複雑で設計・調整に時間がかかる作業が適しています。例えば「パーツフィーダからインデックス治具への供給」や「パレットからコンベア冶具へのワーク供給」「コンベアからパレットへのワーク収納」などです。具体的には「LEDのチップの台座への配置」「スマートフォン用パーツの搬送」です。

また、スライダーの数は、2つから9つまでセットできる型式もあり、場合によって使い分けます。さらに、小型のため、入り組んだ装置内に設置ができます。

ピッチチェンジャーの原理

ピッチチェンジャーは、部品を掴むワーク、ワークの移動を担うスライダ、スライダの間隔を決める入力軸で構成されています。入力軸の回転を受けて内蔵されたカムが連動し、スライダが等ピッチとなるよう移動します。回転の角度により、ピッチが決まるため、任意のピッチを指定することが可能です。また、入力軸の回転駆動は、パルスモータの他にロータリアクチュエータでも可能です。

ピッチチェンジャーの可動域によりますが、ワーク数が多いとピッチが狭くなるため、適切な設定が必要です。これまで汎用されてきたシリンダによる方式は、2点のピッチしか設定できませんでした。また、シリンダの駆動にはエアーが使われており、エアー供給の確保が必要でした。こういった課題を解決したのがピッチチェンジャーとなります。

ワーク部は、部品の吸着・脱着のための機構が備わっています。一般的にはエアーによる着脱方式が採用されています。よって、ピッチチェンジャーの本体部には、エアー供給用の電圧弁が付帯しています。

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