亜硝酸カリウム

亜硝酸カリウムとは

亜硝酸カリウムとは、分子式KNO2で泡エアされる化合物です。

亜硝酸塩の1種であり、白色または淡黄色の結晶粉末です。潮解性があり、水に溶けやすく、水溶液はアルカリ性を示します。強力な酸化剤で助燃性を持つことが知られており、530℃以上に加熱すると爆発する場合があるため、取り扱いには注意が必要です。

安全性の面においても、眼や皮膚に対する刺激性が示されています。毒物および劇物取締法で「劇物」に指定されており、消防法では「第一類危険物」に分類されています。

亜硝酸カリウムの使用用途

亜硝酸カリウムは、主に食品用防腐剤として使われ、排水処理、燃料電池用金属酸化物膜の製造など、幅広く使用されています。

1. 食品用防腐剤

亜硝酸カリウムを食品中で使用する場合は、亜硝酸となった状態でその効果を現します。亜硝酸ナトリウムと併用されることが多く、バクテリアの繁殖を防ぎ、肉にピンク色をつける用途で、ハム・ソーセージ・ベーコン・タラコ・イクラ等の発色剤として使われます。

その他、チーズや清酒の発酵調整剤として用いられることもあります。

2. 医薬品の製造原料

亜硝酸カリウムは、狭心症の治療薬であるニトログリセリンや、青酸カリ中毒の治療薬の1つである亜硝酸ナトリウムなどの製造に使用されています。

亜硝酸カリウムの性質

亜硝酸カリウム (KNO2) は、白色からわずかに黄色の結晶性の粉末です。わずかに吸湿性があり、空気中の水分を吸収し徐々に溶解します。融点は441℃、沸点は約600℃です。水によく溶けますが、エタノール、エーテル、ベンゼンなどの有機溶媒には不溶です。

カリウムカチオン (K+) と亜硝酸アニオン (NO2-) からなる単純な直鎖状の分子構造をしています。亜硝酸カリウムは強い酸化剤であり、さまざまな有機および無機化合物と反応させることが可能です。亜硝酸カリウムは、酸素の存在下で550℃から790℃まで加熱すると、熱分解により硝酸カリウムを生成します。

このとき、窒素ガスを放出するため、体積が大幅に増加します。また、亜硝酸カリウムは、室温で酸化第二鉄または酸化コバルトの存在下、アミドカリウムの液体アンモニア溶液と極めて遅い速度で反応し、窒素と水酸化カリウムを生成します。

そのほか、亜硝酸カリウムは、硝酸アンモニウムや有機化合物など、他の物質と混合すると爆発性の化合物を形成することがあります。このように、亜硝酸カリウムは物理的・化学的性質から使用用途は幅広いです。しかし、適切に取り扱わないと危険な場合もあります。

亜硝酸カリウムのその他情報

亜硝酸カリウムの製造方法

亜硝酸カリウムは、いくつかの方法で製造することができます。代表的な方法は、水酸化カリウム (KOH) と亜硝酸 (HNO2) を反応させるものです。亜硝酸は、亜硝酸ナトリウム (NaNO2) を塩酸 (HCl) と反応させることによりin situで合成されます。この反応は以下の式で進行します。

2KOH + HNO2 → KNO2 + KNO3 + H2O

得られた亜硝酸カリウムと硝酸カリウムの混合物は、晶析により分離することができます。また、炭酸カリウム (K2CO3) と亜硝酸を反応させ、硝酸カリウムとともに亜硝酸カリウムを生成する方法や、硝酸カリウム (KNO3) と金属鉄を反応させ、硝酸塩を亜硝酸塩に還元する方法もあります。

いずれの方法も亜硝酸カリウムは強い酸化剤であり、適切に取り扱わないと危険なため、注意が必要です。また、亜硝酸カリウムは水によく溶けるので、固体の回収が難しいという特徴があります。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/7758-09-0.html

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