フィルタレギュレータとは
フィルタレギュレータとは、エアフィルタとレギュレータが一体となった機器のことです。
圧縮空気を必要とする多くのエアーツールに搭載されており、空圧周りにおいては必要不可欠な存在ともいえます。エアフィルタは圧縮空気内の水滴やホコリなどを取り除き、レギュレータは空気圧を適正な圧力に減圧する働きを持ちます。
この2つは本来別々の機器ですが、空圧回路に組み込む際はセットとして考えられることがほとんどです。そのため、空圧メーカーでは一体物として商品化しているケースが多いです。
フィルタレギュレータの使用用途
一般的にフィルタレギュレータは、空気の開閉を制御する電磁バルブの前に設置されます。空圧機器の性能を維持し、正常に動作させるというのが目的です。
工場のエアコンプレッサから供給された圧縮空気は、塵やホコリなどの汚れと水分を含んでいます。これらは空圧機器に悪影響を及ぼす危険性があり、そのまま電磁バルブを通過してしまうと故障や不具合の原因になります。フィルタレギュレータのフィルタ部では、このような空気中の汚染物質を除去することが可能です。
そして、レギュレータによって、圧縮空気の不安定な空気圧を一定に制御します。これによって、空圧機器に無理な負荷をかけずに安定した動作を実現できます。
フィルタレギュレータの原理
フィルタレギュレータの構成は先述のとおり、エアフィルタとレギュレータに分けられます。
1. エアフィルタ
エアコンプレッサから供給された圧縮空気は、デフレクタを介すことで旋回力が付加され、螺旋を描きながらフィルタ内を降下していきます。このとき、空気中の水滴やゴミは分離されてカップの底に溜まり、さらに粒子の細かい異物もエレメントによって除去されます。
エアフィルタの性能を保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。具体的には、まずカップに溜まったゴミをドレンコックで排出します。ゆっくり慎重に排出することで、思わぬ事故に繋がらないようにするのがポイントです。なお、エレメントはメーカー推奨時期に合わせて交換する必要があります。
2. レギュレータ
レギュレータの圧力の設定方法には「直動型」と「パイロット型」があり、一般的にレギュレータは「直動型」を指します。直動型レギュレータは、スプリングによって圧力を調整するタイプです。
ハンドルでスプリングを圧縮するとダイヤフラムを介して弁が開き、空気は一次側 (入口側) から二次側 (出口側) へと移動します。次第に二次側の圧力は上がっていき、設定圧に到達すると、ダイヤフラムによる推力とスプリングのばね力が釣り合って弁が閉じます。
パイロット型の場合は、スプリングの代わりに、直動型レギュレータで減圧した空圧を用いて圧力の設定を行います。
フィルタレギュレータの選び方
1. 使用目的
液体や気体のフィルタリングや圧力調整、流量制御、安全弁など、具体的な目的に合致するレギュレータを選ぶ必要があるため、まずは使用目的を明確にする必要があります。
2. 操作条件と環境
フィルタレギュレータは、使用環境の温度、圧力、化学的条件に対応できる必要があります。特に腐食性の液体や高温・低温の状況下での使用では、適切な材料と設計を選ぶことが重要です。
3. 流体の性質
操作する流体 (液体または気体) の種類、粘度、圧力範囲、流量要件に合致するフィルタレギュレータを選びます。また、フィルタレギュレータの通過孔サイズや精度も流体の性質に合致しているか確認する必要があります。
4. 安全性、メンテナンス性
圧力制御に関わるアプリケーションでは、過圧防止機能や圧力リリースバルブを備えた安全なレギュレータを選択する必要があります。また、クリーニングサイクルや部品の交換が容易であるかどうかを確認します。メンテナンスの簡便性は、長期的な運用において大きな利点です。
5. コストと性能のバランス
高性能なフィルタレギュレータは通常高価ですが、適切な予算内で目的に合致するものを見つけることが重要です。定期的なメンテナンスの実施も必要ですが、状況によっては交換することもあります。そのため、交換時の費用も考慮することが大切です。
参考文献
http://kousyoudesignco.dip.jp/air9.html
http://www.taiyo-ltd.co.jp/kpl_jp/product/gijutusiryou/pdf/gijutusiryo_06_frl.pdf
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/25/