フェノキシエタノールとは
フェノキシエタノール(別称:エチレングリコールモノフェニルエーテル、フェニルセロソルブ)とは、エチレングリコールとフェノールがエーテル結合した有機化合物です。沸点247℃、融点-2℃、密度1.10 g/cm3で、常温では無色の粘性液体、バラのような香りがするのが特徴です。
水やアルコール類、グリセリンなど様々なものにも溶解しやすいことから取り扱いが容易といえます。緑茶にも含まれており、自然界にも存在する天然有機化合物です。可燃性の物質で、日本の消防法では第4類第3石油類に区分されています。常圧での引火点は121 ℃です。
フェノキシエタノールの使用用途
フェノキシエタノールは、抗菌力を持つことから、様々なものに対する防腐剤として使用されることが多いです。
特に化粧品での使用が多く、パラベンフリーなどが注目を集める中、安全性が高く多種の微生物に広く効果がある防腐剤として添加されることが多くなってきました。フェノキシエタノールが配合された化粧品は、香料などを使用していなくても花のような特徴的な香りがします。
化粧品以外にも、防腐の効果を必要とするものは多数あります。医薬品、染料、インク、樹脂、潤滑剤、防虫剤、塗料の防黴剤、写真フィルムの添加剤、消毒薬など幅広い分野に使用されています。
フェノキシエタノールの合成
フェノールとオキシラン(エチレンオキシド)やブロモエタノール、エチレンカーボネートと反応させることでヒドロキシエチル化が進行し合成される。