仮枠ハンマーとは
ハンマーは、物をたたく工具の総称で、金属製の打撃部分(頭)と手で握る部分(柄)で構成されています。
仮枠ハンマーは、ハンマーの一種で、建築作業においてコンクリートを流し込む型枠を組み立てる仮枠作業に使われるハンマーです。
仮枠ハンマーの頭は、一般的なハンマーよりもやや長く、頭の片方が打撃面、反対側が釘抜きになっています。仮枠ハンマーは、さまざまな障害物がある場所での仮枠作業が行いやすいよう、柄は長く、打撃面は柄に近くなるほど細くなるラッパのような形状をしています。
仮枠ハンマーの使い方
コンクリートを流し込む型枠を組み立てる仮枠作業の際、ベニア板や角材などの木材に仮枠ハンマーで釘を打ちます。
型枠は、コンクリートが固まった後は解体・撤去するため、解体作業のことも考慮して、釘は完全に打ち込まずに少し浮かせておきます。
解体作業の際は、仮枠ハンマーの釘抜き部分で釘を抜きます。仮枠ハンマーの頭部は長いので、長い釘も抜きやすくなっています。ただし、打撃面側を釘抜きの支点にしなくてはならないほど長い釘については、仮枠ハンマーの頭を痛める可能性があります。非常に長い釘については仮枠ハンマーではなくバールなどで対応する方が安全です。
仮枠ハンマーの選び方
仮枠ハンマーは、打撃面の直径など頭部のサイズは25〜30mm程度の範囲で収まっていて、あまりバリエーションがありません。
その代わり、柄の長さは30〜60cmの間でさまざまな長さがあります。仮枠作業現場では、型枠固定用の鉄骨やセパレータ、水平面確認用の水糸などの障害物がある場合が多く、このような現場で使うには柄が長いものが適しています。ただし、柄が長いハンマーは打撃の正確さに劣る欠点もあるため、作業現場や作業内容に適した長さの柄を選ぶといいでしょう。
また、打撃ハンマーの柄の材質には、木、スチール、グラスファイバなど、さまざまな種類があります。スチール製とグラスファイバー製は折れや曲げに強い材質で、強く打撃する作業に適しています。木製柄は耐久力の面では劣りますが、頭または柄が消耗した際、交換して使用できるという長所があります。
仮枠ハンマーの打撃面には、筋目の入った滑り止めがあるタイプとないタイプがあります。釘を打つ際は、滑り止めがあった方が作業しやすいと言われます。
仮枠ハンマーには、打撃面の上部にマグネットを内蔵した溝があるマグネット付タイプがあります。この溝に釘をセットしてそのまま打ち込むことで、第一打を片手で打つことができます。高い場所や入り組んだ場所など、両手で釘打ち作業ができない現場ではマグネット付仮枠ハンマーを選択するといいでしょう。