大型ブロック

大型ブロックとは

大型ブロックとは、土木工事などで使用される大型のコンクリート製ブロックです。

かつての土木現場では、作業員が手作業で持ち上げられる大きさの小さなコンクリート塊を積み上げて壁を作っていました。しかし、労働人口の減少や工期の短縮が強く求められる現代において、重機を使って効率よく施工できる大型ブロックが主流になりつつあります。

大型ブロックは1個あたり1平方メートル以上ある大きなサイズで製造されます。重量があるため人の手では扱えませんが、クレーンやバックホウといった建設機械を使用することで少人数でも迅速に施工できます。ブロックの背面には生コンクリートを充填する空間が設けられており、現場で流し込まれるコンクリートとブロックが一体化することで強固な壁体を形成する仕組みです。

大型ブロックの使用用途

大型ブロックは以下のような用途で使用します。

1. 道路の擁壁

道路を新設したり拡幅したりする際、土が崩れ落ちるのを防ぐための擁壁を作る材料として大型ブロックは有利です。特に宅地造成の現場などでは限られた敷地面積を最大限に確保する必要があるため、強固な壁を素早く築造できる点が評価されています。製品の組み合わせによって曲線の壁も施工できるため、カーブの多い道路や複雑な地形の境界線でも重宝されます。

2. 河川の護岸整備

河川の堤防や岸辺が水の流れによって削り取られるのを防ぐために設置します。大雨による増水時でも土手が崩壊しないように、激しい水の勢いに耐えうる重量と強度が必要な場所で大型ブロックを使用します。河川改修においては水辺の生態系への配慮も重要視されるため、魚や昆虫が隠れられる隙間を持たせた環境配慮型の製品が選ばれるケースも増えています。

3. 災害復旧

台風や地震によって崩落した道路を早急に直さなければならない現場で威力を発揮します。従来の手作業による積み上げ方式では多くの作業員と長い工期が必要になりますが、大型ブロックであれば建設機械を使って迅速に復旧作業を進行できます。機械施工によって作業員の安全を確保しながら、短期間で交通網を回復させます。