シャーリングマシン

シャーリングマシンとは

シャーリングマシン

シャーリングマシンとは、せん断加工により金属板を直線状に切断するための機械です。

せん断機とも呼ばれます。「シャー」とはせん断を意味する英語で、「シャーリング」はせん断することです。シャーリングマシンには、上刃と下刃が取り付けられています。

切断する金属板に対して上下方向から、機械的に圧力を加えることで切断します。シャーリングマシンの動力源には、メカ式と油圧式がありますが、コストやメンテナンスの負担などを考慮して選択するとよいです。

また、近年はターレットパンチプレス加工やレーザー加工が多く行われており、シャーリングマシンの需要は少なくなっています。

シャーリングマシンの使用用途

シャーリングマシンは板金加工を行う工場などで、板金の裁断を目的として使用されます。機種によって異なりますが、シャーリングマシンの中には、数メートル程度の金属板であっても切断可能です。ただし、刃物の長さの限界から、切断長さは6メートル程度までです。

このサイズに収まる金属板で、ステンレスや鋼板といった素材の板材を切断したい場合には、シャーリングマシンを使用することができます。また、シャーリングマシンでは対応できない、長い金属板を切断する場合には、レーザー加工機などを使うのが一般的です。

シャーリングマシンの原理

シャーリングマシンは、私たちが日常使うハサミで紙を切る原理と同じです。切断したい金属板をシャーリングマシンの刃が当たる位置に位置決めしたあ後に、上刃が降下して切断します。

シャーリングマシンは刃の駆動方式に応じて、メカ式と油圧式とに分類されます。

1. メカ式

メカ式の場合、モーターとクラッチで刃を駆動するもので、切断スピードが速いという特徴があります。後述する油圧式と比べて安価であり、油を使用しない分、メンテナンスも比較的単純です。

2. 油圧式

油圧式の場合、シリンダ中に発生する油圧を利用して、強力に刃を駆動するため、高い切断能力を発揮します。メカ式では困難な比較的厚みのある金属板であっても、切断することができます。一方で、油漏れなどのトラブルには注意が必要です。

シャーリングマシンのその他情報

シャーリングマシンを使う上でのポイント

シャーリングマシンを使って高品質な製品を製造する、安全に作業を行うためには、いくつかのポイントがあります。具体的な使用用途

1. クリアランスを調整する
シャーリングマシンでのクリアランスとは、上刃と下刃との間隔のことです。私たちが日常使うハサミでも、2つの刃の間の隙間が大きくなってしまったハサミでは、紙を上手く切ることができません。

同じ理由でシャーリングマシンにおいても、上刃と下刃とのクリアランスが重要であり、クリアランスの大きさによって、切断面の品質に違いが生まれます。クリアランスが狭すぎる場合には、刃にかかる負担が大きく刃が摩耗しやすくなるので、刃物の寿命が短くなります。

逆にクリアランスが大きいと、切断面にダレやバリが発生するため注意が必要です。適切なクリアランスは、切断する材質と板厚によって決まりますが、一般的に適切なクリアランスは、概ね板厚に対して6~10%程度です。

2. シャー角を調整する
シャー角とは、上刃と下刃との開き角度のことであり、ちょうどハサミを開いた時の2枚の刃の角度と同じものです。シャー角が大きい、ハサミで言うと切り始めで大きく開いた状態では、小さな力でも切断できます。

しかし、シャー角が大きすぎた場合には切断した材料に、ボウというたわみや、ツイストというねじれ、キャンバーという反りが発生しやすくなります。

3. 最大板厚を以上の材料を切断しない
シャーリングマシンには、切断できる最大板厚が決められています。最大板厚を超える板材を切断することは、シャーリングマシンに大きな負荷を与え、最悪の場合には故障になるかもしれません。

シャーリングマシンを扱う際は、最大板厚を確認し、能力以上の板厚の材料は切断しないように注意が必要です。

参考文献
https://www.amada.co.jp/columns/course/basis04/

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