CPUクーラ

CPUクーラとは

CPUクーラ

CPUクーラとは、パソコンなどに代表されるコンピュータのCPUを冷却するための部品です。

CPUは稼働中に発熱し、適切な冷却を行わないとCPU内部の半導体が熱暴走して誤動作を起こす可能性があります。そのため、冷却するCPUの消費電力に応じたCPUクーラが取り付けられます。

CPUクーラには、大きく分けて空冷式と水冷式の2種類です。市販されているパソコンのCPUクーラのほとんどは空冷式で、水冷式はハイエンドのゲーミングPCや自作パソコンに使用されることが多いです。

CPUクーラの使用用途

CPUクーラは、CPUを冷却するために使用されます。CPUを冷却し、発熱による温度上昇を抑えることにより、熱暴走を防いで安定動作を実現しています。そのため、CPUクーラは市販のデスクトップパソコンやノートパソコンに取り付けられている場合がほとんどです。

また、パソコンを自作するためにCPUクーラが単体でも販売されており、CPUの消費電力、メーカ、形式など種類はさまざまです。

CPUクーラの原理

CPUクーラは、主に空気もしくは水を媒体として熱交換を行うことにより冷却を行っています。

1. 空冷式

空気を媒体とする空冷式の場合は、CPUが発生した熱を熱伝導率に優れたアルミニウムできたヒートシンクに移動させます。そのヒートシンクにファンもしくは自然対流で空気を流し、放熱させることで冷却を行います。

2. 水冷式

水を媒体とする水冷式の場合は、CPUが発生した熱を水へ移動させ、その水をラジエータへ運んで放熱させます。

CPUクーラの構成

1. 空冷式

空冷式CPUクーラの構成部品は、ベースプレートとヒートパイプ、ヒートシンク、電動ファンの4つです。CPUから吸収した熱を空気に放熱するまでの熱の経路は、「CPU→ベースプレート→ヒートパイプ→ヒートシンク→空気」の順です。ヒートパイプと電動ファンは省略されたものも存在します。

CPUクーラは効率良く放熱するために、材質や構造が工夫されています。構成部品の材質は、熱伝導率や空気への熱伝達率を考慮し、銅やアルミニウムの合金です。また、CPUからベースプレートに効率よく熱を伝えるために、接触面には熱伝導グリースが塗布されています。

ヒートシンクから空気に放熱するために、多くのCPUクーラは電動ファンにより強制的に空気の流れを発生させています。電動ファンによる空気流はヒートシンクだけでなく、マザーボード (基盤) 上のメモリなど他の素子の冷却に用いられることもあります。ヒートシンクから熱を奪い温度が上昇した空気は、コンピュータのケースの外部にスムーズに排出される必要があるため、ケース内の空気の流れについても考慮し設計されます。

空冷式の放熱能力を上げるためには、ヒートシンクの大きさが重要です。消費電力が大きいCPUの冷却には、大きなヒートシンクが必要になりますが、ケース内の設置スペースによる大きさの制限を受けます。

2. 水冷式

水冷式CPUクーラの構成部品は、空冷式の熱伝導の役割を持つヒートパイプと冷却水ホース、放熱するためのヒートシンクをラジエータに置き換えたものです。ラジエータはケースの外側に設置できるため、容易にサイズを大きくでき冷却能力を向上させやすい特徴があります。

しかし、冷却水漏れによる故障のリスクがあります。

CPUクーラの選び方

CPUクーラは次の4つの観点で選択します。

1. 対応しているCPUソケット

CPUクーラによっては一部のCPUソケットしか対応していない場合がありますので、対象となるCPUソケットが対応しているか確認します。

2. 冷却性能

最近のCPUは熱暴走を防ぐために、一定温度の以上になると動作クロックを下げて発熱を小さくする仕組みがあります。つまり、冷却できないとCPUの性能が発揮できません。

一般的に高性能なCPUほど発熱量は大きいので、対応した冷却性能を持つCPUクーラが必要です。CPUクーラの仕様でTDP (熱設計電力) を記載している場合は、対象CPUのTDPをカバーできているか確認してください。

3. 静音性

静音性が必要な場合は、仕様のノイズレベルを確認した上で選択します。30dbが目安です。

4. サイズ

CPUクーラがメモリや拡張ボードなど他のパーツと干渉しないか確認する必要があります。

参考文献
https://www.biccamera.com/bc/i/topics/osusume_cpu_cooler/index.jsp
https://www.ask-corp.jp/guide/pc-parts-cpu-cooler.html

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