インパクトレンチ

インパクトレンチとは

インパクトレンチ

画像出典元: Amazon

インパクトレンチとは、電気や圧縮空気によって六角ボルトを締めるレンチです。

インパクトレンチのインパクトとは、内部に備えられたハンマー機構が、衝撃 (インパクト) を加えるところからきています。ここでは電動のインパクトレンチについて紹介しています。

インパクトレンチの使用用途

インパクトレンチは、生産現場で使用されることが主流です。人力のレンチと違って高速で作業を進めることができるため、六角ボルトを多数用いる工場や建築現場やタイヤ交換など自動車整備工場で使用されることが多いです。

DIY人気に伴い、一般家庭でも使用され、ホームセンターや通販などでも手軽に手に入るようになっています。

インパクトレンチの原理

まず電気でモーターを回転させ、その力で内蔵されたハンマーを回転させ、回転方向に与えた衝撃 (インパクト) により、軸の先端に接続されたソケットなどが回転し、早く強くボルトやナットを締めたり緩めたりすることができます。インパクトレンチの主な部位は、動力部分と駆動部分、ソケット部分です。

1. 動力部分

動力部分は、インパクトレンチの原動力となる部分です。主にモーターが使用され、バッテリー駆動のレンチは直流モーター、コンセントタイプの場合は交流モーターが使用されます。

2. 駆動部分

駆動部分は、ばねや円筒状の溝を切った金属等でできていて、回転時に過大なトルクが掛かると溝が外れ、動力部分のみが空回りするような仕組みです。これにより、トルクを制限するとともに動力の過負荷を保護します。

3. ソケット部分

ソケット部分は着脱可能となっており、複数のボルトの大きさに対応できるようになっているのがインパクトレンチの特長です。製品によってはボルトのみでなく、ソケットを取り換えることでインパクトドライバー等として使用できる場合もあります。

インパクトレンチの種類

1. 電源の違い

インパクトレンチの電源の違いは、大きく分けて充電式とAC電源式の2種類です。

充電式インパクトレンチはバッテリーを使用するのでケーブルがなく、取り回しを重視する現場に向いています。バッテリーの分の重量は重めのものが多いですが、機動性の良さから多くの人に好まれているのがバッテリー式です。

バッテリーの電圧は、10.8V・14.4V・18V・36Vのものが主流で、10.8V・14.4Vといった電圧が低いものは軽量で、女性にもおすすめですが、相対的に締めつけたり緩めたりするパワーは弱くなります。18V・36Vといった電圧が高いものは、ボルトを締めつけたり緩めたりするパワーも強くなる反面、重量は重くなります。

AC電源式は、充電式に比べてバッテリーがない分、軽量です。また同じ性能の機種でもAC電源式の方が安価なものが多いです。ボルトを多く締め付ける状況などでは、バッテリー切れを気にすることもなく長い時間作業が継続できます。コンセントが近くにある場合や、あまり移動せずに作業する場合は、AC電源式の特性を活かせるといえます。

2. トルクの違い

トルクとはボルトやナットを締めつけたり緩めたりする時に回すパワーの事です。どれくらいまで締めつけできるかをトルクN・m (ニュートン・メートル) で表示しています。

作業する対象に対して、トルクが低いとモーターに負担がかかり、故障の原因になりかねません。一方でトルクが高すぎる状態で使用するとボルトやナットが破損してしまう可能性もあります。使用する状況を十分考慮して選ぶのが重要です。

3. 角ドライブのサイズの違い

インパクトレンチに取り付ける角ドライブには、メーカーごとに統一された規格があり、6.3sq、9.5sq、12.7sq、19.0sq、25.4sqの5種類です。互換性はなく、それぞれの角ドライブのサイズにあったソケットを揃える必要があります。

ちなみにソケットを取り付けるための角ドライブのサイズが大きくなるに伴い、大きなサイズのボルトを締めたり緩めたりできるようになります。

インパクトレンチのその他情報

エアインパクトレンチ

コンプレッサーから送られる圧縮空気で駆動するエアインパクトレンチもあります。充電式やAC電源式の電動インパクトレンチに比べて、パワーがあるのに小型なのが特徴ですが、エアコンプレッサーが必要になるため、工場など、あまり移動しない場所での使用が多いです。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/impactwrench-guide/
https://electrictoolboy.com/media/12908/

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