コンタクタ

コンタクタとは

コンタクタ

コンタクタとは、電磁接触器ともよばれ、プランジャ型リレーと呼ばれる制御機器の一種です。

プランジャ型とは、円筒型でスプリング機構を有した可動部を有する機構形式を指します。円筒型の電磁コイルの中にリレーの役割を果たす可動鉄心があり、その鉄心の動きにより電気的なオン・オフの制御をします。

プランジャ型のリレーは、電気接点の開閉容量が大きく、絶縁耐力も優れている点が特徴です。その特徴を活かし、大電流を用いる機器のオン・オフをさせるための制御機器として用いられることが多くあります。

電磁接触器以外のプランジャ型のリレーに電磁開閉器があり、マグネットスイッチと呼ばれます。電磁開閉器は、コンタクタとサーマルリレーを組み合わせて構成されています。

コンタクタの使用用途

コンタクタは、大きな電力を扱う電気回路の遮断や接続を目的として、電路の遮断やヒーターの開閉、モーター電流のオン・オフなど様々な電気機器に用いられています。

比較的大きな電流を流すものが多く、電気産業機器やEVも含めた各種車両、船舶、飛行機なども使用用途の一つです。電磁的に接点の接触を行うため、少ない操作電流で駆動可能で、大きな電流を制御・操作することができます。

コンタクタの最も大きな特徴は、人手を介した手動によるオン・オフではなく、電気信号でオン・オフを切り替えられることです。

コンタクタの原理

コンタクタの原理は、電気的な回路の接点の切り替えを機械的な鉄心の接触に合わせて行い、その動作を (電磁リレーと同様に) 電磁石コイルに流れる電流により発生する磁界の力によって行っている点にあります。

一般に、コンタクタは接点部、電磁石部、外部接続部で構成されます。

1. 接点部

接点部は機械的な接触により、電気的な導通・非導通の状態を作る部分です。

2. 電磁石部

電磁石部は、電磁コイルにより磁界を発生させ可動鉄心を固定鉄心に接触させる部分です。

3. 外部接続部

外部接続部は、コンタクタ外部へ接続する端子などがあります。

コンタクタの開閉を行う原理は電磁リレーと同様で、固定鉄心が電磁石となり可動鉄心をひきつける動作を行います。コイルが動作しない場合には、スプリングの力により可動鉄心が元の位置へ戻り、電気的に非導通の状態に戻ります。この動作によって、電気的な導通・非導通の状態を作り出します。

コンタクタの端子には大別して、主接点、補助接点、コイルの3つがあります。

  • 主接点
    負荷などにつながる端子です。
  • 補助接点
    コンタクタの動作状態などを制御部へ伝えるために用いられるものです。
  • コイル
    電磁接触器を動作させるためのコイルにつながる端子です。

コンタクタのその他情報

1. ブレーカー・コンタクタ・マグネットスイッチの違い

ブレーカは、一般家庭でも使われているように、大電流 (定格の数十倍以上) 保護や定格を上回る過電流が流れ続けた時の回路保護を目的に使われています。この目的のための電路のオン・オフ動作であり、手動でのオン・オフも可能です。

一方で、コンタクタには手動によるオンオフ機能はなく、電気的な信号のみの動作になります。また、一般にコンタクタには、保護機能はなく、定格を大きく超える短絡時の大電流は扱えません。

また、マグネットスイッチは、コンタクタにサーマルリレーを具備した構成であり、コンタクタとの大きな違いは、例えばモーターの保護のためにサーマルリレーを介して過負荷時の保護機能を有する点です。ただし、ブレーカーと異なり短絡時の瞬時的な大電流には対応できないものが多いです。

2. EV向けコンタクタ

EVなどの電気自動車のモーター制御部分にもコンタクタは用いられていますが、EVならではの特徴があります。

まず、車載用途の高い信頼性を確保するために、コンタクタの可動接点箇所に水素ガスなどの特殊なガスを密閉し、接点の酸化などによる経時的な信頼性劣化を抑制しています。

また、EV固有の衝撃や振動に耐えうる強固な構造設計や、EVの充放電に起因するアーク放電の際のEVならではの反転する極性の違いに対応する特殊な電磁石の開発、実用化を行っているメーカーも存在しています。

参考文献
https://e-sysnet.com/magnet/
https://www.fujielectric.co.jp/fcs/usage/mc.html
https://memo-labo.com/mc.php

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