ログアンプ

ログアンプとは

ログアンプ(英語: Logarithmic amplifier)とは、入力信号を対数変換して出力する増幅器のことです。対数アンプともいいます。入力信号を圧縮して出力する効果が得られるため、入力範囲が広い信号を扱う場合に用いられます。ログアンプの構成によって周波数特性や温度特性などが異なるため、用途に合わせて適切な構成を選ぶ必要があります。なお、ログアンプで圧縮した信号を元に戻す増幅器をアンチログアンプ(逆対数アンプ)といいます。

ログアンプの使用用途

ログアンプを用いることで、例えば、アナログ信号をA/Dコンバータ(ADC)でデジタル信号に変換する際に、桁で変化するようなダイナミックレンジの広いアナログ信号を、ADCの入力範囲に適合するように圧縮することができます。例えば、振幅の変動が100 dBを超えるような信号を、ダイナミックレンジが60 dB~100 dB程度の標準的なオペアンプやADCに適合させるためにログアンプを用います。ログアンプは、通信システム、測定システム、音響システムなどの多くのシステムで使われています。

ログアンプの原理

ログアンプは、低レベルの信号に対してゲインが高く、高レベルの信号になるに従って徐々にゲインが低くなるように、増幅器を構成します。ログアンプには、主に2種類の構成があります。マルチステージログアンプと、DCログアンプです。

マルチステージログアンプは、線形アンプを直列に数段接続し、それぞれの段の出力を加算して出力します。低レベルの信号は数段の線形アンプによって順次増幅され高ゲインを実現することができます。高レベルの信号になるに従って、何段目の線形アンプの出力までを加算するかを制御することで、対数の出力特性を得ることができます。

DCログアンプは、オペアンプの反転増幅回路のフィードバックにダイオードを使うことで実現します。ダイオードの代わりに、ダイオード接続したトランジスタを用いることもできます。ダイオードやトランジスタの電圧と電流の特性が対数になる部分を利用することで、対数の出力を得ることができます。

参考文献
https://www.maximintegrated.com/jp/design/technical-documents/app-notes/3/3611.html
https://cc.cqpub.co.jp/system/contents/2045/

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