安全靴

安全靴とは

安全靴

安全靴とは、工事現場や工場等の危険を伴う作業環境で作業者の足を保護する目的で使用される靴です。

安全靴のつま先部分には金属等で作成された先芯が入っており、足への重量物の落下による衝撃や重量物による圧迫からつま先部分を守ります。安全性はJIS規格により基準が定められています。

安全靴には用途に応じた機能を付加可能です。例えば有機溶剤等を使用する場所では静電気を逃がす働きがあるもの、建設現場では釘の踏み抜きに耐えるものなどが開発されています。

安全靴の使用用途

安全靴は工場や工事現場等で利用されており、用途に応じた製品を選択可能です。

最も一般的な製品は短靴状で、つま先部分の安全性を確保した上で靴のクッション性や防水性等もあり、長時間作業に適しています。

用途に合わせた安全靴の付加機能が開発されています。厨房や食品工場等では水や粉に足を取られて転倒する事故を防止するため滑り止め機能を強化した安全靴を、ガソリンスタンド等では引火を防ぐために静電気防止を徹底した安全靴を使用可能です。

安全靴の特徴

安全靴の安全性能は靴の中に入っている先芯によって担保されています。先芯は鋼製や樹脂製の半円状で、重量物の落下や圧迫に耐えて変形した際に靴の内部に足を保護するスペースを生み出す構造です。

JIS規格で安全性の指標は耐衝撃性が取扱重量に応じた4つの作業区分に合わせて30J~200Jの衝撃エネルギーに耐えること、耐圧迫性能が3つの区分に合わせて4.5kN~15KNの力に耐えること、接着強度が表底と甲被にそれぞれ力を掛けて引き剥がそうとした場合に一定以上の剥離抵抗を示すこと等が定められています。甲被の材質は革製やゴム製が一般的です。表底には滑り止めや絶縁体としての機能に優れているゴムやウレタン等が多く用いられます。

また付加的な性能はJIS規格で安全靴が利用される環境を想定した12種類が定められています。

安全靴の構造

安全靴は形状や履き口のデザインが複数あります。形状は短靴、中編上靴、長編上靴、半長靴、プロテクティブスニーカーなどの5種類に分けられ、履き口にはマジックテープタイプと靴紐タイプの2種類があります。

1. 短靴

長さはくるぶし付近までです。着脱しやすく、軽量で動きやすいです。スニーカーと似ていますが、商談時にスーツと合わせても違和感がありません。ただし保護する範囲が狭いため一般作業に向いています。

2. 中編上靴

足首まで覆う安全靴です。くるぶしを保護でき、水、砂、火花が靴に入りにくいため足の怪我を防げます。金属加工現場や溶接現場での運搬作業や溶接作業などに適しています。

3. 長編上靴

ブーツのようにスネまで覆います。足の形に合わせて靴紐で調整でき、長時間履いても疲れにくいです。ズボンの裾を入れれば機械に引っかかるのを防止できます。よく解体作業や高所作業の現場で用いられます。

4. 半長靴

スネまで覆って足を広範囲で守れるゴム製の安全靴です。靴紐がないため素早く着脱でき、土木、溶接、解体など、頻繁に着脱する作業現場で使用されます。

5. プロテクティブスニーカー

スニーカーのようにデザイン性が高く軽いです。軽作業に向いています。

6. マジックテープタイプ

軍手を着用した状態でも着脱しやすいため時間をロスしません。

7. 靴紐タイプ

スニーカーのように靴紐を結び、フィットするように調整できます。買い物や食事などでも使用でき、履いて通勤すれば作業現場で履き替える手間が省けます。しかし作業現場で靴紐が絡まるリスクがあり、機械を扱う現場では注意が必要です。

安全靴の選び方

安全靴を選択する際には機能の確認が重要です。

1. 耐熱性

耐熱性や断熱性が高い安全靴は熱を使う現場や炎天下での作業に向いています。

2. 耐火性

耐火性が高い安全靴は溶接や炉前作業に適しています。

3. 通気性

工場内のように高温の場所では通気性に優れたメッシュ素材が適しています。熱を逃しやすいため、汗の水分で蒸れて発生する嫌な臭いを防ぎます。

4. 耐滑性

滑りやすい床や斜面で使用する場合には耐滑性が重要です。

5. 耐水性

水や油で劣化しにくい安全靴は清掃作業や屋外作業に用いられます。

参考文献
https://www.l-m.co.jp/blog/?p=848
https://www.simon.co.jp/common/data/jis.pdf
https://ec.midori-anzen.com/shop/e/eafw-a00/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です